ジル・サンダーの衣装でアカデミー賞にもノミネート!|JIL SANDER
JIL SANDER|ジル・サンダー
ジル・サンダーの衣装でアカデミー賞にもノミネート!
映画『ミラノ、愛に生きる』公開
上流階級のミラノマダムが息子の友人との許されない恋に落ちるラブストーリーを描いた『ミラノ、愛に生きる』が12月23日(金・祝)、Bunkamuraル・シネマで公開される。華麗なる映像美はもちろん、登場人物が身に纏うイタリアンファッションにも注目したい。
文=谷中朋未
ヴィスコンティ映画を彷彿とさせる華麗なる映像美
1970年代黄金時代のヴィスコンティ映画を思い起こさせる美しきイタリア映画の王道をいく作品が、12月23日にリニューアルするBunkamuraル・シネマのオープニング作品として日本に上陸する。
正統派ともいうべきラブストーリーもさることながら、季節ごとにちがう表情をみせるミラノの街並みや、ミラノにある住宅美術館を使用したアールデコ調の豪邸、さらには登場人物のファッションにも注目が集まる。
なかでも主人公 エンマのファッションは、ジル・サンダーのクリエイティブディレクターであるラフ・シモンズがプロデュース。ブルジョアでモダンな美意識をもつミラノマダムのヒロインを表現するため、職人の手仕事によるシフト・ドレス、クリーンなシャツなどがセレクトされており、今年度のアカデミー賞衣装デザイン部門にもノミネートされた。男性陣の衣装はフェンディが担当。共同プロデューサーには3代目のシルヴィア・ヴェントリーニ・フェンディも名を連ねるという豪華な顔ぶれだ。
許されない恋が招く悲劇
物語の舞台はイタリア・ミラノにある富豪レッキ家。ロシア移民だった女主人 エンマは、イタリア語を覚え、二男一女を育て上げ、上流階級になじもうと努力していたが、居場所のない疎外感はぬぐえない。老当主の誕生日に、実権がエンマの夫タンクレディと息子エドアルドに委譲されることで一族の運命が揺れ動きはじめる。
娘は同性愛者であることをカミングアウトし、エドアルドはビジネスの厳しさを知り、失意にいた。エンマは、ありのままの自分を受け入れてくれる息子の友人 アントニオと恋に落ち、抑圧されていた情熱が解き放たれる。そして、許されない恋が招く悲劇がレッキ家を襲い、家族はあらたな道を歩みはじめるというストーリー。
主演は、『ザ・ビーチ』や『ナルニア国物語』など大作にも出演しているイギリスの実力派女優 ティルダ・スウィントン。年下の男性と恋に落ちてしまう狂おしく切ない女性の性を、ときに儚く、ときに毅然と演じた。さらに彼女は本作で主演とともにプロデュースも担当している。
ストーリーやファッションにいたるまでイタリアのエッセンスが凝縮された『ミラノ、愛に生きる』。美意識の詰まった映像の美しさ、おとなの女性のラブストーリー、そして家族の物語をぜひ堪能したい。
『ミラノ、愛に生きる』
原題│IO SONO L’AMORE
監督│ルカ・グァダニーノ
出演│ティルダ・スウィントン、フラヴィオ・パレンティ、エドアルド・ガブリエリーニ
時間│120分
配給│ツイン
12月23日(金・祝)Bunkamuraル・シネマを皮切りに全国順次公開