BARNEYS NEW YORK|「バーニーズ ニューヨーク新宿店」ウィメンズフロアが変わった!
ウィメンズフロアのリニューアルをクリエイティブディレクター 谷口勝彦氏が解説
「バーニーズ ニューヨーク新宿店」が変わった!(1)
1990年に日本一号店としてオープンした「バーニーズ ニューヨーク新宿店」が、オープンしてはじめての大規模なリニューアルを敢行。第1弾として、3月6日に、地下1階から4階のウィメンズフロアが改装オープンし、9階と10階にはパーソナルショッピングサービス用のスペースが誕生した。今回のリニューアルの指揮をとったバーニーズ ジャパン クリエイティブディレクターの谷口勝彦氏が各フロアの見どころを語る。
Text by KAJII Makoto (OPENERS)Photographs by JAMANDFIX
NY・マジソン店とおなじ視点に統一した“シンプル&クリーン”な店舗
バーニーズ ニューヨークが米・NYで創業したのは1923年。日本では1989年に株式会社バーニーズ ジャパンが設立され、翌1990年に日本第一号店となる「バーニーズ ニューヨーク新宿店」が華々しくオープンした。世界的建築家ピーター・マリノによる外観とインテリアは、クラシック&モダンを基調とし、独自の視点による商品構成と、洗練されたディスプレイ、心に響く接客で、“Taste. Luxury. Humor.”をテーマに、独特のテイストに満ちたスペシャリティストアとしてスタート。現在は、銀座店、横浜店、神戸店、福岡店のほか、アウトレット5店舗とオンラインストアを展開している。
今回のウィメンズフロアリニューアルと、パーソナルショッピングサービススペースの新設について、クリエイティブディレクターの谷口勝彦氏は、「今回の改装では、従来のクラシック&モダンから、NY・マジソン本店とおなじ指針である“シンプル&クリーン”に大きく舵を切りました。天井、壁、床をモノトーンベースに、ラグや什器、ミューラル(壁画)アートなどハンドメイドの有機的な装飾物を取り入れながら、23年目のあたらしい空間“バーニーズ エアー”を提案します」と語る。
4階|ウィメンズ:デザイナーズコレクション
バーニーズ ニューヨークが、バーニーズ ニューヨークであることの意味をアピールする4階──天井と壁は明るく一変し、床はカーペットから、イタリア製の大理石(シルバートラバーチン)へと変更。グレー味がかった床は天井、壁とマッチングして、春色の服を美しく見せる。
谷口氏は「たんにシンプル&クリーン=無機質に見せるだけでなく、自ら染めを手がけた黒のラグを、ガラステーブルの下やドレッシングルームに敷いてハンドメイドの匂いをくわえるなど、基本環境を変えながら、バーニーズらしいテイストは残しています」と説明する。
今回のウィメンズフロアのリニューアルでは、地下1階から4階は、売場の入れ替えとともに商品/ブランドラインナップの変更やバーニーズならではのエクスクルーシブ(限定)アイテム“Exclusively Ours”(店頭では“XO”マークで表示)を拡充した。
4階は、ハイエンドなコレクションブランドの最新アイテムが集結。よりモード感の強いフロアへと変貌し、“Exclusively Ours”(XO)ブランドの「マイエット」をはじめ、「アライア」「イザベル マラン」「ザ ロウ」「サンローラン」「ジバンシィ」「ステラ マッカートニー」「トラサルディ」「ドリス ヴァン ノッテン」「ドルチェ & ガッバーナ」「マーク ジェイコブス」などきらびやかな人気ラグジュアリーブランドが揃う。
また、話題のブランドをクローズアップするポップアップコーナー“バーニーズ ニューヨーク ショーケース”では、「サンローラン」と「ザ ロウ」をピックアップ。いちおしブランドのショーケースとして注目したい。
1階|ウィメンズ:バッグ/ジュエリー
ドアマンに案内されて足を踏み入れた1階は、4階と同様、大理石(シルバートラバーチン)が敷布され、明るい印象に一変。「トラバーチンとネスト(入れ子)テーブルのガラス、おなじくテーブルの木が共存して、大人の女性が心地良く感じる空間を創出。もともとエントランスアプローチにあったモザイクを一部残しながら、床が一面化して広がりを感じさせるスペースになりました」と谷口氏。
従来よりバッグの品揃えが豊富になり、バッグ、ジュエリーともに日本ではバーニーズ ニューヨークでしか取り扱いのないブランドのアイテムも強化。財布などのスモールレザーグッズも厳選されたラインナップが揃う。
バッグでは、“Exclusively Ours”(XO)ブランドの「フォンタナ」「マイエット」をはじめ、「サンローラン」「クロエ」「バレンシアガ」などが、ジュエリーブランドでは、“Exclusively Ours”(XO)ブランドの「マイエット」「マルコム ベッツ」をはじめ、「ホーセンブース」ではブライダルにお薦めのリングを(XO)として、また人気の「チャンルー」も(XO)をふくめ豊富に揃う。
「1階はバッグとジュエリーの売場ですが、ウェアのコーディネイトもディスプレイするなど、トータルルックのイメージが伝えられるプレゼンテーションもしています。たとえば今シーズンの注目ブランドの『イザベル・マラン』ではウェア、シューズ、バッグ、アクセサリーまでトータルで買い付けているので、それらがトータルで揃えられることをビジュアルでアピール。フロアを回遊してショッピングを楽しんでほしいと思います」と、フロア構成とビジュアルMD(マーチャンダイズ)の狙いを語る。
ウィメンズフロアのリニューアルをクリエイティブディレクター 谷口勝彦氏が解説
「バーニーズ ニューヨーク新宿店」が変わった!(2)
今回の改装では、ウィメンズフロアの大幅なリニューアルとともに、9階と10階の2フロアにわたって「パーソナルショッピングサービススペース」を新設。カード会員のなかでも上位顧客をメインに、バーニーズが誇る質の高い接客サービスを提供する空間ができあがった。
9 階/10階|パーソナルショッピングサービススペース
今回のリニューアルの狙いについてクリエイティブディレクターの谷口勝彦氏は、「改装のスタートは1年ほど前でしたが、まず考えたのは、バーニーズ ニューヨークのホスピタリティとは何か? です。バーニーズの強みである、エクスクルーシブな商品を、スペシャルな空間で、プロのセールスが説客するという原点に戻って、ショッピングの楽しさを体験できる、共感していただける空間を突き詰めました」
さまざまな改装案、構想がもちあがったそうだが、バーニーズらしさの象徴である、セリングスーパーバイザー(SSV)と呼ばれる販売のエキスパートによる接客に着目。「お客さまの多様なニーズに商品カテゴリーを超えてトータルでお応えできる空間」として、パーソナルショッピングサービススペースが誕生した。
「ドリンクを片手にゆっくりと、ときには軽食をとりながら、セリングスーパーバイザーとともにショッピングを楽しんでいただくパーソナルなスペースとして、あるいはバーニーズが得意とするトランクショーやオーダー会、特別な販売会の開催など、より満足感と信頼感を提供する、新宿店にしかないショッピングスペースとなっています」と谷口氏。
「現在、NY・マジソンの本店は、2014年完全リニューアルを目指して改装が進行中で、ファサードのウォーニング(ひさし)を赤から黒に変えたり、シンプルでクリーンなイメージを中心に、“NEXT BARNEYS”を目指して変革中です。それを受けて、日本のバーニーズも今回の新宿店では、最新の大人のスペシャリティストアを志向。大人が楽しめる空間と価値ある商品の合致がリニューアルの最大のテーマでした」と語る。
「シンプル&クリーンを目指しながら、私たちはバーニーズの合い言葉である、感性(Taste)、質の高さ(Luxury)、ひねりやあたらしさ(Humor)は指針としてもっているので、バーニーズではおなじみのジョン=ポール・フィリピのミューラル(壁画)アートなど、人間くさい部分もきちんと表現していきます。店内のミューラルアートはショッピングのときにぜひお探しください」
ウィメンズフロアのリニューアルをクリエイティブディレクター 谷口勝彦氏が解説
「バーニーズ ニューヨーク新宿店」が変わった!(3)
新宿店は、銀座店や横浜店、神戸店、福岡店と比較すると、各フロアの面積はコンパクトだが、多層階を回遊して“買いものを体験する”おもしろさがある。目的、テイスト、アイテム別に分かれたフロアを知って、バーニーズ ニューヨーク新宿店を上手に使いこなそう。
3階|ウィメンズ:シューズ/コンテンポラリーデザイナーズ
これまでオリジナルブランド中心だった3階は、あらたにシューズとコンテンポラリーデザイナーズを揃える売場に変更。とくに、「ニューヨークと言えば……」という代表的なブランドを中心に取り扱う。
3階のウェアは“Exclusively Ours”(XO)ブランドの「ウェイン」「クリッペン」をはじめ、「10 クロスビー・デレク ラム」「エリザベス アンド ジェームズ」「スリーワン フィリップ リム」「タクーン エディション」「マリッサ ウェブ」などニューヨークブランドのなかでも最新・最旬なブランドなども目白押し。
シューズでは、“Exclusively Ours”(XO)ブランドの「マイエット」「ウノ オット ウノ」をはじめ「アライア」「イザベル マラン」「クロエ」「サンローラン」「ジバンシィ」「「ジャンヴィト ロッシ」「ジュゼッペ ザノッティ デザイン」「ドルチェ アンド ガッバーナ」などがラインナップ。
また、注目ブランドを紹介するスペース、“マンスリー バーニーズ ニューヨーク”では、現在「ウェイン」「マリッサ ウェブ」「ゼロ+マリア コルネホ」をピックアップ。最旬のファッショントレンドが華やかに香る。3階のこのスペースでは、月ごとにお薦めのブランドを入れ替えていく予定だ。
2階|ウィメンズ:ラグジュアリーカジュアル
2階は、「アクネ」「エージー」「モンクレール」「イザベル マラン エトワール」などのウェアにくわえ、人気のデニム、スカーフ、帽子、ヘアアクセサリー、ベルト、傘などのアクセサリーが充実。感度の高い大人にふさわしいラグジュアリーなカジュアルコーディネイトがワンフロアで完成する。
「2階の見どころは、デニム=ヒッピー=タイダイというイメージから、これも自らの手で染めた赤のタイダイのラグとテーブルのコーディネイト。フロアで扱う商品からイメージをビジュアル化しています」と谷口氏。
地下1階|ギフト/ベビーギフト/ブライダルサービス
地下1階は、ベビーやギフト、ブライダルサービスを扱うフロアに変身。落ち着いた空間のなかに、テーブルウェアやインテリア小物、ベビーギフトなどの「チェルシーパッセージ」、フレグランス、スキンケアなどの「アポセカリー」と、引き出物をはじめとするバーニーズらしい上質なブライダルシーンをサポートする「ブライダルサービス」が展開されている。
ベビー、ギフトでは、「アルテ アンド クォイオ」「ベニーニ」「モンテグラッパ」「バーニーズ ニューヨーク ベビー」など、スキンケア、フレグランスでは(XO)の「アエデス ドゥ ヴニュスタス」「グリーンランド」と「イソップ」など、ブライダルサービスでは「ジャス」「スガハラ」「ディーン アンド デルーカ」など注目のラインナップ。フロアの一角にジョージ ジェンセンのアンティーク銀食器(非売品)がさりげなくディスプレイされているのがバーニーズらしい。
また、ジョン=ポール・フィリピデザインのオリジナルキャンドルや、タロアウトデザインのパッケージが楽しいコラボ引き菓子(ティーマカロンラスク)など、バーニーズエクスクルーシブ(XO)なギフトアイテムも多数見つかる。
5階から8階までのメンズフロアの改装を9月に控えるバーニーズ ニューヨーク新宿店。まずは女性から、その魅力を存分に味わっていただきたい。
バーニーズ ニューヨーク新宿店
東京都新宿区新宿3-18-5
Tel. 03-3352-1200
営業時間|11:00~20:00(金・土は~20:30)
不定休
http://www.barneys.co.jp