CARVEN|昼と夜のニューエレガンスブランド「CARVEN」
CARVEN|カルバン
若き才能が描き出す、現代の“パリシック”
プレタポルテで注目される「CARVEN」
パリのブランドらしい香りが満載の「CARVEN(カルバン)」。オートクチュールで有名な老舗ブランドが、若きデザイナーを得て、シック、女性らしさ、シンプルさをベースとしたあらたな章を開く。
Text by OPENERS
スタイルとマテリアルの融合が生む、昼と夜のニューエレガンス
「CARVEN(カルバン)」は1945年にマダム・カルバンが設立、オートクチュールの老舗ブランドとして有名だが、2010春夏シーズンより、ギョーム・アンリ(Guillaume Henry)があらたにデザイナーに就任。それを機にオートクチュール事業は廃止し、プレタポルテラインを再開した。ファーストシーズンがパリを中心に海外で話題となり、昨秋冬シーズンから日本でも主要百貨店やセレクトショップで扱われるようになった。
デザイナーのギョーム・アンリは、パリのBeaux Arts、Duperre School、Institut Français de la Mode(IFM)を卒業したのち、2002年よりGivenchyのメゾンに入り、ready-to-wearのリカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)のシニアスタイリスト兼ファーストアシスタントを務め、2005年から3年間はPAULE KAに籍を置いていた、まだ32歳という若き実力者。今回、満を持して「CARVEN」レディース・プレタポルテコレクションのアーティスティック・ディレクターに就任した。
新生「CARVEN」は、オートクチュール時代より受け継いだブランドのDNAを大切にした、老舗メゾンらしいクチュール感溢れるラグジュアリーでモードなクリエイションが特徴だが、デザイナーのギョームはデザインや素材づかいに工夫をこらし、時代に合ったリアルな価格帯を実現。あたらしいスタイルのブランドとしても注目される。
シルエットは若くてモダン、カットは緻密でショート丈が多く、ドレスコードは、ピュア、厳密、優雅。まさに現代の“パリシック”と言うべき、エレガントでフェミニン、どこかスクールガールを連想させるコレクションは、繊細ながらも大胆であたらしい魅力を描きだす。
ルーブル美術館を巡るような世界各地への旅
今シーズンのテーマは、フランスの小説家、ジュール・ヴェルヌの冒険旅行小説を読んだパリジェンヌのスクールガールが、想像を巡らせて空想の世界旅行へ出かけるというファンタジーがベース。
古代ギリシャや古代ローマ時代、古代エジプトの秘宝を巡る旅など、地中海沿岸の古代世界よりインスパイアされたアイテムが多く登場し、古代遺跡をイメージしたオリジナルのプリントやポンペイの火山噴火をデザインしたプリント、大理石の銅像からイメージしたマーブルプリント、トレジャーマップを描いたシルクのスカーフプリントなどが、今季コレクションをシンボリックに彩る。
また、地中海の海からインスパイアされたブルーや南米大陸の赤土を思わせるテラコッタが多く使われ、色や素材づかいに日焼けしたような色褪せた風合いのものが見られるのは、テーマの“古代への旅”からインスパイアされた、時を経たヴィンテージ感を表現している。
この春夏は秋冬からさらに拡大して約30店舗で取り扱われている。
CARVEN
http://www.carven.fr/
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