世代を超えて、それぞれの想いが重なる渋谷。その過去と現在、未来をつなぐプロジェクト
FASHION / NEWS
2022年3月31日

世代を超えて、それぞれの想いが重なる渋谷。その過去と現在、未来をつなぐプロジェクト

LOUNGE|渋谷未来デザイン

「渋谷未来デザイン」長田新子さんに聞く渋谷の未来

日本のカルチャーを常に牽引してきた渋谷。そんな渋谷が「発信」してきた多くのカルチャーを次の世代に繋げる、そして、行政と企業と人々を結びつける役割を担う、まさに未来をデザインするプロジェクトが「渋谷未来デザイン」です。

Text by EQUALLY BEAUTFUL

渋谷区という場所は「若者」をつくり続けている、そんな風に思ったことがあります。1970年代、おしゃれな若者が集まる原宿のセントラルアパート。今はラフォーレ原宿がある、あの交差点にありました。訪れたものに刺激を与えるようなそんな場所だったと聞きます。
この原宿の街から世界で活躍するファッションデザイナーも育ちました。その後も原宿はさまざまに変容していきます。70年代の終わり頃からプレッピーというスタイルのファッションが大流行します。同じ頃、デザイナー&キャラクターブランドが社会現象にもなりました。DC(デザイナーズ&キャラクターブランド)ブームです。
そのデザイナーのアトリエやブランドの拠点もほとんどが渋谷区内でした。その後も「渋カジ」という「渋谷」を冠したファッションの流行や「ギャル」文化も渋谷の街から発信されていきます。同じ頃「裏原」という言葉もあり、ここからも世界で活躍するデザイナーが巣立っていきました。
ファッションだけではなく、渋谷でスタートアップした企業も多く、IT企業をはじめ多くの若き起業者がここで生まれました。その意味でも渋谷は若者が巣立つ街、という位置付けもあるのではないでしょうか。「渋谷」は未来をつくる場所とも言えます。
そんな個性的な街、渋谷の未来について「渋谷未来デザイン」の理事で事務局次長、ジェネラルプロデューサーの長田新子さんにお話を伺いました。
「2018年の立ち上げでしたが、その半年くらい前からボランティアで立ち上げ準備をしていました。渋谷という街を良くしようと考えることと渋谷区民のためになるということは、同じようでずれている部分もあります。他の区に比べても昼間人口、つまり遊びに来たり、仕事で働く人が多いのです。そこで私たちは企業と区をつなげる役割を担っていこうということでスタートしています。大企業主導でまちづくり組織を作っているところはいくつかあると思うのですが、行政主導でこのような組織が生まれ進めているのは全国でもユニークな存在だと思います」
行政の基本的なあり方は課題があって、その課題を解決すること。例えば、子育て支援の要望があれば、それを受けて解決していく、ということです。しかし、この「渋谷未来デザイン」は従来の施策とは大きく異なり、その名の通り未来志向が強いプロジェクトです。そのためモデルケースもなかったそうです。
                      
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