Levi's®ヴィンテージ クロージング™と リーバイス®メイド&クラフテッド™の2本柱
FASHION / NEWS
2015年3月6日

Levi's®ヴィンテージ クロージング™と リーバイス®メイド&クラフテッド™の2本柱

Levi's® XX|リーバイス®ダブルエックス

リーバイス®ヴィンテージ クロージング™と
リーバイス®メイド&クラフテッド™の2本柱

最上級を意味する“XX”は、リーバイス®があたらしく設立したLevi's® XX事業部によって、さらなる進化をとげた。この新事業部が、リーバイスブランドのトップラインであるLevi's® Vintage Clothing™(LVC)を市場に展開し、さらにデザインとブランドの位置づけを確立する。さらによりモダニズムを意識した、リーバイス®メイド&クラフテッド™もくわわりパワーアップ! 来日したリーバイス・ダブルエックスの上級副社長、マウリッィオ・ドナディ氏に話をうかがった。

Text by OPENERSPhoto by JAMANDFIX

世界が注目するリーバイス®のXXプロジェクト

──Levi's® XXプロジェクトの経緯から、お話しください。

このプロジェクトは3年前にはじまりました。Levi's®(リーバイス®)はプレミアムブランドであり、19世紀の後半(1873年)にはすでに存在していました。このプロジェクト、つまりLevi's® XX(リーバイス® ダブルエックス)は独立した事業体であり、アムステルダムを拠点にしています。これまでのリーバイス®の歴史のなかで、はじめてのことであり、プレミアムブランドの父的な位置づけになりました。ラディカルな考えでいうと、リーバイスはふたつのブランドにフォーカスしています。現在、いろいろなブランドが世の中にはありますが、リーバイス®は欧米、アジアなど、ほとんどのお店を閉じてしましました。Levi's® Vintage Clothing™(リーバイス®ヴィンテージ クロージング™。通称LVC)のお店以外です。これまではアメリカ、ヨーロッパ、アジアと個別にやっていましたが、すべてを統合してはじめたのがリーバイス ヴィンテージ クロージング®なのです。その後、Levi's® MADE & CRAFTED™ (リーバイス®メイド&クラフテッド™。通称LMC)というブランドを立ち上げました。いまは、このふたつのブランドに注力しています。


──リーバイス® の通常のラインとダブルエックスとのちがいはどんなことでしょうか?

このプロジェクトのおもしろいポイントは、Levi Strauss & Co.から完全に独立したクリエイティブ事業ということろです。リーバイスのメインラインとは分けた仕事をしています。実際、Levi's® Vintage Clothing™と、Levi’s® Made & Crafted ™のコレクションは全世界対象のプレミアブランドのデザイン・マーケティング・セールス・リテールを担うLevi Strauss&Coの新事業として新設された、Levi’s® XX の専任チームによってデザインされています。



──アムステルダムである理由はなんでしょうか?

いい質問ですね(笑)。じつはクリエイティブビジネスをおこなうのに、とてもいい場所なのです。世界的に大きな会社は、イノベイションセンターが必要です。そのようなセンターは、本社から離れた場所にあったほうが距離感的にいいのです。アムステルダムは、クリエイティブなアイデアを出すのにとてもいい場所なのです。実際に多くのクリエイターがアムステルダムにいます。ブランドの世界観をつくることに集中しなくてはいけないのですが、街の創造的な空気感がとてもいいのです。

LVCは復刻ですので、何かデザインしたり何かをあたらしくつくり出したりすることはしていません。過去のものを忠実に復刻するのが使命です。まさに歴史の語り部のようなものづくりです。何かをつくろうとしたら、サンフランシスコのアーカイブを見に行きます。

LMCにかんしては、LVCとはまったくちがいます。こちらはサンフランシスコではなく、世界のいろいろなところに行ってインスパイアを受け、アイデアを得ます。アメリカのライフスタイルの知識はありますが、それにプラスαでグローバルなテイストを味つけします。アムステルダムはロンドンまで45分で行けますし、ミラノにも飛行機で1時間。2週間に一度はパリにビジネスで行きます。アムステルダムからだと、そのような都市に簡単に行けます。また、いろいろなところに行きますね。ベルリンやロサンゼルス、アジアなら日本や香港などです。アムステルダムは世界的にも、屈指の大きな空港ですから、ここでトランジットする便も多いですからね。

──Levi’s® Made & Crafted™(リーバイス®メイド&クラフテッド™)とはどんなブランドですか?

現代のモダンライフスタイルを表現したカジュアルラインで、クオリティ、タイムレス、多様性、そしてシンプルさを表現しています。目まぐるしい速さで動く世の中で、私たちはシンプルなものを好む一方、時代に合ったモダンさをも同時に求めています。つねにクオリティ、イノベーション、モダンさにおいて誠実さを追い求める、まさに時代の表れを象徴するブランドです。

リーバイスの職人技を駆使して、現代のライフスタイルに必要不可欠なアイテムをつくりだします。これはリーバイス®にとって前例のない斬新な試みです。

(本を見せながら)これがアムステルダムのオフィスです。もとは1928年のオリンピックスタジアムだったところです。LMCはできるかぎりクリエイティブにしたいと思っています。いつでも現在進行形で、終わりのない感じですね。リーバイス®の将来を担うブランドとして、いといろな実験をしている最中です。

LMCのディテールは、とても古いトラディショナルなものを使いますが、それをモダンにつくりなおしています。この新旧のバランスがおもしろいところです。赤耳やポケットなどは、すべて昔のディテールですがフィットはモダンです。LVCはディテールもフィットも昔のものです。このパンツは尾錠(シンチバック)などは昔のディテールですが、フィットは細めでスキニーにしてあります。過去からのエレメンツを配剤しているのです。靴以外はトータルにつくっています。

──どんな役割を担当されているのですか?

デザイナーではありませんが、クリエイティブチームにかかわっています。答えるのは難しいのですが、自分自身でも自分の仕事はこれと定義することはできません(笑)。なにかにかんしてのエキスパートではないです。統括してすべてを見ているといえばいいかもしれません。リーバイス®を良くしていきたいと考えている、ひとりと思っていただければいいでしょう。

リーバイス®はとてもユニークなブランドです。リーバイス®を嫌いになることは難しいでしょう。どこかのブランドのデザイナーをしていても、週末はリーバイス®を履いているかもしれません。そのような、ニュートラルなブランドは、あまりない。その意味でユニークなのです。

──ショウはされていますか?

ショウはしていません。展示会のほうが興味があります。フィレンツェのピッティ・イマジネ・ウォモ、ベルリンのブレッド&バター、ラスベガスのプロジェクト、パリのトラノイなどの合同展示会に、2010年1月から参加しています。

──OPENERS読者へのメッセージをお願いします。

リーバイス®のマーケットのなかで、このXXプロジェクトはとてもおもしろいと思います。2つのオブジェクトがあります。ひとつはリーバイス®の歴史、もうひとつが過去ではなく未来をどんどん予測していくものです。プロダクトとしては、前者がLVC、後者がLMCです。過去と未来に進むXXプロジェクトを、ぜひ楽しんでください。

Maurizio Donadi|マウリッィオ・ドナディ
上級副社長 リーバイス・ダブルエックス
ファッション・ライフスタイル業界で30年以上の経験をもつ、マウリッィオ・ドナディ氏は、世界的にも大きな成功を収めるベネトン、ディーゼル、ジョルジオ・アルマーニ、ラルフローレンなどのブランド、及び、その創始者らとともに彼独自のユニークな専門知識を培ってきた。ドナディ氏の世界規模に及ぶ豊富な知識は、プロダクト・デザインチームの戦略、また、ブランディング、リテール、ホーセール、物流、マーケティングにも及ぶ、幅広い範囲でグローバルな展開戦略に活かされている。ブランド革新の戦略家であり、熱心かつ、情熱的なチームのリーダでもある彼は短期的、長期的な市場での活躍、そして成長のため、ローカルにもグローバルにも、独自の創造性と戦略的展望を率先している。現在ドナディはアムステルダムに在住し、全世界のリーバイス・ダブルエックス事業部を率いている。

Levi's® XX(リーバイス® ダブルエックス)
〒106-0031
東京都港区西麻布2-23-7
Tel. 03-6418-5501

           
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