LOUIS VUITTON FOREST BY more trees|特別シンポジウム「美しい未来の地球に向けて…」
LOUIS VUITTON FOREST BY more trees
特別シンポジウム「美しい未来の地球に向けて…」
7月30日(金)ルイ・ヴィトン表参道店 7階 LVホールで、音楽家の坂本龍一さん、現代美術家の束芋さん、建築家の永山祐子さんを迎え、「美しい未来の地球に向けて…」をテーマにしたシンポジウムが開かれた。
Text by OPENERSPhoto by JAMANDFIX
ルイ・ヴィトン主催による、「森」と「クリエイティビティ」について考える夜
長年にわたって環境問題にたいする積極的な取り組みをおこなってきたルイ・ヴィトンは、坂本龍一さんが森の再生を目的として設立した一般社団法人 モア・トゥリーズの協力を得て、2009年9月に長野県小諸市に「ルイ・ヴィトンの森」を創設。それは創業当時より絶えず自然にたいする尊敬の念をもってモノ作りにこだわってきたルイ・ヴィトンにとって、ブランドのDNAに立ち返るともいうべきプロジェクトである。
今回LVホールで開かれた特別シンポジウムは、この1年間の活動と森の現状について報告するとともに、「美しい未来の地球に向けて…」と題し、坂本龍一さん、現代美術家の束芋さん、建築家の永山祐子さんの3名を迎えて、アーティストならではの「自然観」や森がもたらす「クリエイティビティ」について語り、そして美しい地球を守るために私たちができることはなんであるかをかんがえるためのイベントだ。
まずはじめは、モア・トゥリーズ事務局長の水谷伸吉さんから、森についての報告。2009年9月に設立されたルイ・ヴィトンの森は、中心から外側にむかって、人びとの五感に訴え癒しを与える「美しい森」、先人によって植えられた木を守り次世代に残していく「サステイナブルな森」、ひとの営みを凌駕する自然の力によって森を育てていく「荘厳な森」という3つのゾーンに分かれているそうだ。まず最初に着手されたのは「美しい森」。白樺が生い茂るこのエリアの中心部を適切に間伐していくことによって、美しい森の基礎ができあがりつつある。
春夏秋冬の森の変遷を記録するための定点観測写真は、写真家の瀧本幹也さんによるもの。真っ白な雪に覆われた森の写真と、雪解け後のまぶしいほどの緑の写真が、この約1年間の森の成長ぶりを、ありありと物語っていた。2年目となる今年は、「サステイナブルな森」を育てるべく、林業に軸足をおいた間伐をおこなっていくそうだ。
そしてそのあとはジャーナリスト 生駒芳子さんの司会進行で、3名のアーティストの皆さんがさまざまな「森」にまつわるトピックについて語り合う。生駒さんはファッション、アートからエコ、社会貢献まで、ジャンルを超えた広い視野でメッセージを発信するジャーナリストとして、執筆、講演、プロジェクト運営など、幅広く活躍。その引き出しの多さゆえか、思わぬ方向に話が転がり、そこからあらたな話題がふくらむ場面も。さて、いったいどんなトークが繰り広げられたのだろうか。
LOUIS VUITTON FOREST BY more trees
アーティストたちが考える、
クリエイティビティと自然とのかかわり
生駒 皆さんこんばんは。本日司会進行を務めさせていただきます生駒芳子です。じつはこの長野県小諸市に誕生したルイ・ヴィトンの森には昨年私も足を運び、楽しい森のツアーをさせていただきました。本当に美しい森で、いろいろなことを肌で感じました。久しぶりに童心に返り、森に癒される忘れられない体験でした。
そもそもなぜルイ・ヴィトンが森をつくることになったのか。ブランド創業者の初代ルイ・ヴィトン氏はフランス ジュラ山脈の山麓の出身。「ジュラ」はケルト語で「森」を意味するのだそうです。そして創業当初からつくられているルイ・ヴィトンのトランクには一番重要な素材として木が使われていますから、そういう意味でルイ・ヴィトンと森は深い関係にある。だから森を守るというアクションはルイ・ヴィトンにとってごく自然なことだったんですね。
本日はルイ・ヴィトンの森からテーマをいただいた「美しい未来の地球に向けて」、私たちはなにをすべきなのか、アーティストの皆さんの「自然観」と森から得られる「クリエイティビティ」といった話題を交えてお話をしていただきたいと思っています。
それでは本日お越し下さいました3名のアーティストをご紹介します。まずは音楽家の坂本龍一さん。ルイ・ヴィトンの森に協力している一般社団法人のモア・トゥリーズの設立者で、世界の森を守るためにさまざまな活動をされています。また自然エネルギーを使ったコンサートを実施するなど、環境保護活動をしているアーティストのなかでもいち早く本格的な活動をはじめた開拓者として私も尊敬申し上げています。
坂本 坂本です。皆さん今日はお越しいただきありがとうございます。生駒さんのお目つきですがほめ殺しされないようにつとめて参りたいと思います。縁があってルイ・ヴィトンさんと僕たちモア・トゥリーズのコラボレーションが実現したわけですが、これからいい森ができたらいいなと思っています。
生駒 つぎに現代美術家の束芋さんです。現代アートの世界でいまもっとも注目されている束芋さんは、シュールレアスティックな非日常性をビデオやペインティングなどさまざまなメディアで表現。国内外で精力的に展覧会をされています。現在は大阪の国立国際美術館で個展を開かれていますが、来年のベネチア・ビエンナーレの日本館の代表になられたとか。おめでとうございます。
束芋 ありがとうございます。束芋です。現代美術というわけのわからない活動をしています。ずっと電気やコンピューターを使って制作をしていますが、手触り感というのを大事にしています。じつは私も2年半程前から長野県の小諸市のお隣に住んでいます。
生駒 ルイ・ヴィトンの森の近くですね! そして最後に建築家の永山祐子さん。ルイ・ヴィトンとはすでにご縁がおありで、ルイ・ヴィトン京都大丸店のファサードをデザインされています。偏光版を使った光の反射の作用でイリュージョンをつくり出し、京都の町並みに溶け込むようなあたらしい表現をされ話題となりました。独特のやわらかい感性で、非物質的で神秘的なオーラが漂う建築を手がけられています。
永山 皆さんこんばんは。永山祐子と申します。私は普段大きなモノを街につくるという仕事をしているわけなんですが、最近は「Renovation(リノベーション)」や「Reuse(リユース)」などを採り入れた、ただつくるだけじゃない方法を模索しているところです。なにかちがったかたちで建築家として社会にかかわれないかと最近考えていたところなので、こういうテーマをいただいたときにとても興味をもちました。
生駒 そうですか。それではこのお三方でセッションをはじめさせていただきたいと思います。
LOUIS VUITTON FOREST BY more trees
森のなかに存在する
人間の表現や営みのルーツ
坂本 まずおふたりにお聞きしたいんですが、創作活動をするうえで森から影響を受けたりしますか?
束芋 森から影響を受けようと思って受けているわけではないですが、ただそこに暮らしているだけで自然とそうなってしまうものなんだと思います。毎日緑を見て、緑のなかを散歩しているとそういったものに影響を受けない訳がない。自然を採り入れたいと思っているわけではないのですが、森のなかに住んでから気になるものの対象が変わってきましたね。いままでにはなかった花をモチーフにした作品をつくるようになったり、昨年はメディアを使わずに紙を使った作品をつくったり。そんなふうに最近木というものと繋がりつつあります。
坂本 アーティストだからもともといろいろなかたちに敏感だと思いますが、ふと目にしたものに目が引きつけられるんでしょうね。
束芋 自然はただ美しいだけではなく花や緑はお互いにけんかし合っているようにも見えます。木同士は殺し合いをしているようにも見えたり。
坂本 そういう感覚を覚えるのはすごいですね。実際に植物はお互いに闘争し合っていて、優しいばかりではない。生存競争をしているわけですから。
束芋 美しい樹氷についてもそうですよね。氷の重みで木々が倒れる。自然にはそういった残酷さがあって、美しさと同時に恐怖を感じることがあります。これはいままで体験しなかったことですね。
坂本 束芋さんはもともと都会生まれ都会育ちですか?
束芋 いえ、幼少期はマンションには住んでいましたが隣には田んぼがあってカエル採りができるような環境でした。その後は神戸の山奥に移り住みましたのでそういう場所を好んでいるのかもしれないですね。京都や東京にも住みましたが、都会との対比がすごくおもしろいと思いました。
坂本 永山さんは?
永山 私は幼いころにスイスに住んでいたんですが、そのときの自然は「入れないもの」「人間とは距離のあるもの」「断絶感を感じるもの」といったイメージでした。その後私も長野県の小諸の近くに住んでいたことがあるんですが、スイスの森とちがってそこにあった森は優しく包み込むような感じがしました。入れない場所、手が届かない場所というのは最近の自分の空間のテーマでもあります。たとえば京都の庭は入れないからこそ憧れる。手が届かない場所への憧れというか。それは幼いころに氷河を見に行ったときに感じた高揚感みたいなものが原点だったかもしれません。たどり着けないからこそそこに行ってみたいという強い気持ちを抱いたのを覚えています。森もおなじで、入らずともそこにあるというだけで、ひとの精神にいい影響を及ぼしているのではないでしょうか。
坂本 おもしろいね。
生駒 そう考えると人間の表現や営みは森のなかにルーツがあるのかなと思いますね。クラッシック音楽は森から生まれたものですし、ゲーテの小説も森の描写が多かったり。
坂本 そうですね。森と人間は長くつきあってきて、森のそばにはいつも人間が住んでいた。森は入ってはいけないもので、単に木を切って家を建てたりして利用するだけではなく、何千年も何万年ものあいだ、人間の想像力を刺激し、創造の源泉であった。だからさっき永山さんがおっしゃっていたように、「入れない」「森に拒絶されている」「怖い」という感性をもつことは大事だと思います。
永山 まさにそういうことだと思います。「鎮守の森」というのがありますが、森は神々しくて怖くて、人間がコントロールできないということを身をもって感じることは重要なんじゃないかと思います。
LOUIS VUITTON FOREST BY more trees
森があってこその文明。
人間は森がないと生きていけない
生駒 ところで坂本さんはモア・トゥリーズを設立されてから、いろいろな森をご覧になっているかと思いますが、ほかの森を見て感じられることは何ですか?
坂本 日本では全部で7つ、コラボレーションしている森があります。日本は 先進国のなかでも森の多い国のひとつ。人工林も多いですが、一度作ったらきちんと間伐をしたり、人間がメンテナンスしないといけない。じつは植林して森になるまでに50~70年かかるんです。そのころ僕はいなくなってしまうのであとはよろしくお願いします。皆さん意志を継いで下さい(笑)。
生駒 私は先日アフリカに行ってきたんですが、地球上どこを見ても森のかたちはちがうけれど、人間は森と寄り添って生きてきたということを感じましたね。
坂本 エジプトの砂漠もかつては森だったと言いますしね。森があるから人間がいた。けれどエジプト文明が木を消費した結果、森がなくなってしまった。モアイ像で有名なイースター島も、森を伐採した結果、人間が消えた。あれほど巨大な彫刻を立てた文明が突然なくなったのも森がなくなったからだそうです。森がないと人間は生きていけない。
生駒 そう考えるとこれだけ森がある日本は恵まれていますね。日本の伝統文化は自然と密接な関係がありますものね。建築も、茶道や華道、お料理なんかも。
坂本 日本人は自然から恩恵を受けて、それを活かすことが得意だったんでしょうね。
生駒 それが今は断絶されてしまっているかのようですね。
坂本 永山さんはご自分の建築をつくるときに日本の伝統を意識しますか?
永山 そうですね、建築の教育も大分グローバル化されているので、日本建築を意識する機会は少ないですが、たまに伝統建築を見て屋根の曲線の美しさに感動して、こういうのは日本にしかないなと思ったりしますね。
生駒 束芋さんはいかがですか?
束芋 そうですね、私の場合日本の伝統からきているというより、海外のひとが日本の文化に触れるように、一度途切れてしまった文化に対する知識がないので、もう一度出逢ったときの驚きのほうが大きいのかなと思います。
生駒 坂本さんは世界を舞台に活躍されていて、国籍を感じる次元ではないかもしれませんが、創作活動において日本人であることを意識しますか?
坂本 あまりないですが、ヨーロッパ人からはよく日本的だと言われますね。日本的につくっているつもりはないし、“なんとか”的につくっているわけではない。自分が好きでつくっているだけだけど、外国人から見たら日本的に響くんでしょうね。自分ではなぜだかはわからないですけど。
生駒 我われ自身には解明できないことなのでしょうね。さて、いきなりの質問なんですが、永山さん、ルイ・ヴィトンの森に家をつくるとしたら?
永山 いろんな視点から森を体験できる場所をつくってみたいです。地面から森を見上げる家、離れたところから森を見渡せる家とか。いまは信濃追分というところに住んでいるんですが、じつは森に家をつくる計画を立てていたんです。
生駒 素敵ですね。
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エコ意識はあくまでも「エゴイストのエコ」、
愉しみをくれるラグジュアリーとエコとの共存
生駒 じつはずっとお聞きしたかったんですが、坂本さんが環境に対して何かアクションを起こそうと思ったきっかけはなんだったんでしょうか?
坂本 僕は直感的な人間なので、1990年代を通して、直感でこのままではヤバいなぁと感じました。’97年くらいから作品にそういう思いを反映させていったり、メディアでも公言してきましたが、当時は頭がおかしいと思われていたようです(笑)そして99年に後藤繁雄さんという編集者やデザイナーの中島英樹さんたちとcodeというグループをつくった。モノをつくる=ゴミを増やす、資源を使う、CO2を排出するということですから、そういう自然に反することをしているなかで、少しでも環境をよくしたいという思いがあったからです。人びとの環境への意識を育てるにはそれがファッションになり、おしゃれにならないと広まらないと思ったのでそういう活動をしていましたが、当時はエコというとまじめ一辺倒。さんざん悪口も言われましたね。
生駒 でも10年後にはみながその方向にいくようになりましたよね。
坂本 モア・トゥリーズができて、口だけじゃなくて実際に行動を起こせるようになって、自分の立ち位置が定まったという気がします。
生駒 何年か前までは100パーセントでないとオーガニックとは言えないという風潮でしたが、いまは変わってきましたよね。私もそのあたりは相当混ぜ混ぜにしています。以前ファッション雑誌をやっていましたが、そのときにエコとラグジュアリーを両立させる「エコリュクス」という提案をしたりしました。ラグジュアリーブランドの代表であるルイ・ヴィトンが全社をあげて2005年に環境宣言をされましたが、それは私にとってものすごい衝撃で、そのときに時代は変わると直感しましたね。
坂本 その大元になっているのが、「エコからエゴへ」ということだと思います。僕のエコ意識はあくまでも「エゴイストのエコ」なんですよ。自分が安全なものを食べたい、おいしい水を飲みたい、きれいな空気を吸いたい、自分の愛する家族や子どもたちにもそうであってほしいという気持ちからです。これは言ってみれば家族が好き、子どもが好き、自分が好きというエゴなんです。だからいまでも僕はいわゆるエコ活動をしているという意識はない。でも僕はそれでいいと思っている。そうでないと長つづきしないし、そこからしか世界は変わらないと思うんです。
生駒 なるほど、でもそれが人間にとっては一番強い動機ですよね。それからおしゃれに、というのも大事ですよね。
坂本 ほしいものは手に入れる。我慢しないエコは存在すると思います。
生駒 私は物欲のファッション界に身を置いていますが(笑)、愉しみを与えてくれるラグジュアリーな生活とエコは共存していけると思っています。束芋さんはエコについてはどう意識されていますか?
束芋 とくにエコを意識して山のなかに移ったわけではないんですが、意識しなくても自然のなかでは楽しみを見つけられる。いまは家族で馬を飼うのが夢なんです。そのことを思い浮かべるだけで生活が楽しくなる。
坂本 馬ですか。いいですね。
生駒 永山さんはいかがですか?
永山 以前エコ雑誌でエコグッズをデザインするというお仕事をいただいて、折りやすい牛乳パックをつくりました。そのときに意識したのは、まず自分が楽しまなければいけないということ。義務感からではなく、遊びになるエコ。ひとが夢中になる遊びの延長にエコがあるのが大事で、デザイナーがそこをうまくデザインしてあげれば、声高にエコを叫ばなくても、自然とエコに繋がるのではないかと思いました。
生駒 いまのお話から、すごく学んだ気がしました。エコというと義務感に縛られがちですが、決して我慢することではなく、楽しんだり、人間の生活をより豊かにすることなんですよね。束芋さんのように、馬に乗りたいという気持ちから自然と生まれる豊かな生活だったり。
坂本 そうですね。たとえばクルマはCO2を出すから車をやめようとか、自転車に乗ろうと考えるひともいますが、それなら人間の知恵や技術や想像力を使って、CO2を排出しない車をつくればいいだけの話なんです。なにもいまの生活を手放す必要はない。いままではそこまで考える必要がなかったけど、いまは人口も増えて負荷がかかり、真剣に考えなくてはならない状況になってしまった。でもこのままでは森がどんどんなくなってしまうことはもうわかっているんだから、あとはそれを変えていけばいいだけなんです。
LOUIS VUITTON FOREST BY more trees
自分たちが森に生かされている、
その気づきを共有していく場に
生駒 それでは皆さん、最後に美しい未来の地球をつくるために、なにかメッセージをお願いします。
永山 私はモノをつくることによって、いまここにいるよろこびを人びとと分かち合いたいという気持ちから建築をつくっています。同時代を生きていること、地球に暮らしていることのすばらしさを分かちあいたい。そのためには少しでも気づいたことから地球の未来を考えて過ごしていけばもっといい方向に向かうようになるのではないでしょうか。個人の仕事では、やはりただ作るのではなく、「なにかをあたらしくもう一度つくる」ということをやっていきたいと思っています。
束芋 私は創作活動においては電気を使ったり、クルマで移動したり、まだまだエコといえるような活動はできていないんですが、自然から受けた恩恵に値するものを生み出したいという気持ちはあります。すぐにエコ活動はできなくても、まずは価値あるものを創造してそれに応えていきたいと思っています。
生駒 私はいつも束芋さんの作品からは人間が自然の一部であるということをかんじます。それでは最後に、坂本さんのこれからのヴィジョンは?
坂本 そんな大それたことは何もありませんが……、僕は自分が森にかかわることで、自分たちが森に生かされている、森がなくなったら人間は生きていけないんだということに気づかされました。森に足を運ぶと森の重要性を感じます。だからこういう場で発言をして、皆さんとその気づきを分かち合うことで、少しでもお役に立てればと思っています。
生駒 全然「少し」ではないと思います。それではお時間になりましたが、最後にこの場をいただいたルイ・ヴィトンさんに感謝したいと思います。こういう場がどんどん生まれ、人びとが意識を共有していくことが、美しい未来につながっていくのではないかと思っています。そして坂本さん、束芋さん、永山さん、本日はお忙しいスケジュールのなか駆けつけて頂きどうもありがとうございました。
女性アーティストふたりの「エコ」に対する気負わずそれでいて真摯な姿勢と、「ファッションとエコは共存する」という生駒さんの信念。そして森を再生するというとてつもない偉業を成し遂げつつある坂本さんの行動力とルイ・ヴィトンの意志。今回のシンポジウムでは、参加者それぞれがこれからの地球の未来をかんがえていくうえで必要となる「エコ」のあり方を提案してくれた。いま私たちにできることはなんなのか。坂本さんの意図した「気づき」は、きっと会場にいた全員が共有していたのではないだろうか。