スタイリスト小林新が語る、良い空気感を醸し出すスタイル|MARGARET HOWELL
FASHION / MEN
2015年4月28日

スタイリスト小林新が語る、良い空気感を醸し出すスタイル|MARGARET HOWELL

MARGARET HOWELL|マーガレット・ハウエル

EARLY SUMMER 2015

スタイリスト小林新が語る、良い空気感を醸し出すスタイル

今回、マーガレット・ハウエルのビジュアルを担当したのは、雑誌、広告、アーティストなどを中心に活躍するスタイリストの小林新氏。毎シーズン、マーガレット・ハウエルのコレクションをチェックしているという小林氏にブランドの魅力やスタイリングの特徴を語ってもらった。

Photographs by HATANAKA Kiyotaka(takahashi office)Styling by KOBAYASHI Arata(takahashi office)Hair by MIYAMOTO Yoshikazu(Perle)Model by MARC SCHULZE(EXILES)Text by KAJII Makoto (OPENERS)

改めて感じたマーガレット・ハウエルらしさ

今回、春夏シーズンの洋服を使ったビジュアルを作るにあたり、じっくり考えながらコーディネートを組んでみました。春夏らしいリネンの素材感や独特のシルエット、さり気なく気の利いたディテールなど、随所に英国らしいミニマリズムが服から感じられて、改めてマーガレット・ハウエルの魅力に気づきました。

今シーズンもクリエーションに大きな変化は見られませんが、とくに季節感を意識して、服を着たモデルの快適さや気持ちよさ、そしてリラックス感が、見ているひとにも伝わるように、良い空気感を醸し出す人物像を演出したいと思いました。

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ちょっとした違いから生まれる着こなしの面白さ

マーガレット・ハウエルの着こなしの面白さや難しさは「服を合わせようと思えば合わせられるけど、ちょっとしたことからセンスが生まれるところ」でしょうか。たとえば、トラウザーズをベージュにするか黒にするか、靴は白か黒か……どちらも正解なんですが、ちょっとした違いからコーディネートの面白さに気づくことがあります。マーガレット・ハウエルは突出したアイテムがない分、スタイリングが着る人の個性になっていきます。

ブルーの7分袖のボタンダウンシャツに合わせたトラウザーズを黒にして、さらにそのシャツの裾をインした着こなしは、今回のモデルに「より似合う」からです。トラウザーズをベージュにして、シャツの裾をアウトして着たほうが似合うひともたくさんいると思います。

また、気温が上がってくるこれからの季節は、服をレイヤードする機会が減ってくるので、コーディネートに着るひとのセンスがより一層問われるもの。今シーズンのマーガレット・ハウエルが提案している、黒やグレーのアイテムを上手に取り入れるのも新鮮です。

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小林新が好きなコーディネートとは

今回、コーディネートを組んで個人的に好きだったアイテムは、独特なシルエットをもったスーツ。ネクタイをスタイリングの中心にして、ポイントをつくりました。あと、リネンの半袖シャツにネクタイを合わせたスタイルも、このブランドらしいリラックス感とトラッド感が感じられて好きですね。

撮影を担当したフォトグラファーの畑中清孝さんとはよく一緒に仕事をします。画角の切り取り方は彼のセンスそのもの。男っぽいんだけど上品な写真には、彼がイギリスで培ってきた洗練された空気感が感じられて、人物像は強いけど品が良い。まさに、マーガレット・ハウエルのメンズそのものですね。

小林新|KOBAYASHI Arata
1978年神奈川生まれ。大学卒業後、スタイリストの渡辺康裕氏に師事。2006年に独立し、現在は雑誌、音楽、広告などを中心に活動。洋服にとどまらず、その周辺にある美術などもスタイリングの一環と捉え、職人的な視点をもつスタイリストとして活躍している。

アングローバル
Tel. 03-5467-7874
http://www.margarethowell.jp

           
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