「憧れ」から着こなすようになるまで

マーガレット・ハウエルと出合ったのは16歳の頃。白シャツを素敵に着こなしている女性に憧れて真似してみたのですが、子供の私にはまるで似合わなくて…自粛しました(笑)。片想いの20代を過ごして、30歳を機にリベンジ。シーズンごとに少しずつ買い足しています。最初に買ったアイテムはやっぱり白シャツ。着ると、気持ちがシャンとします。マーガレット・ハウエルの服は、シンプルで上質。肌にすっと馴染んで疲れないし、佇まいがいいんです。大人としての知性が備わっている服なので、きちんと自分の足で立っていないと着こなせない。シンプルだからこそ、自分らしい在り方というものを静かに意識させてくれる、そういう服だと思います。

10代と20代は、色々なスタイルを試してきました。勧められたものや、ハイブランドのものなどたくさん。でも、マーガレット・ハウエルの服はきちんとした裏付けがあるので、ただ椅子に座っているだけでエレガンス。大人のゆとりがあるからこそ、着るためには心身の充実が必要で、身体を合わせることも大切だと考えるように。実は今まで肩幅が狭く、今日着たようなトレンチコートは避けてきたのですが、トレーニングでボディメイクを施し、やっと着られるようになりました。何を着るかではなく、服をどう着こなすか、ということに気付くことができたのも、マーガレット・ハウエルを着るようになってからです。

幅が広がるから小物を贈りものに

プレゼントされるとしたら……白シャツコレクターとしては、やっぱり白シャツが嬉しいですね。シンプルながらも華やかな印象なので、スウェットと合わせてカジュアルダウンして着たい。私がプレゼントするとしたら、洋服だと人それぞれのルールがあると思うので、小物を選びます。その人の趣味とはちょっと違う、意外性のあるもの。小物だったらいくつあっても嬉しいし、意外なデザインだと、それに合うアイテムを探したり、幅が広がって面白いと思うんです。ミトンやシルクスカーフなどもいいですね。あとはトラベルスリッパ！　履き心地の良さにうっとりします。自分ではなかなか買わないものですし、贅沢な気持ちにさせてくれますよね。子供がいる友人にはウッドブロックも喜ばれそう。見た目もチャーミングですし、一緒に遊べるのも素敵。

プレゼントもそうですが、ちょっとしたお礼の際に、手紙やカードを添えるようにしています。以前は何度も下書きして清書して……でも結局は送れずじまいということが多かったのですが、最近は「思いが伝わればいい」と考えるようになりました。ありのままでいい、という気持ちになったのもマーガレット・ハウエルを着るようになってから。日々の変化を受け入れ、楽しめるようになりましたし、ニュートラルでいられる。洋服って自身に及ぼす影響がとても大きいんだと、改めて感じています。マーガレット・ハウエルの服は、シンプルだからこそタイムレスで、着れば着るほど味わい深く、愛しくなる。16歳の頃から十数年待った甲斐があって、いますごく楽しいです。

山口紗弥加｜YAMAGUCHI Sayaka
1980年生まれ。女優。日曜劇場『安堂ロイド～A.I.knows LOVE?～』（TBSにて毎週日曜21:00よりO.A.）に出演中。2014年には、日仏合作映画『フレア』の公開が控えている。お母様もマーガレット・ハウエルのファン。

アングローバル
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