dunhill|シェフ・松嶋啓介が着る“勝負服”
dunhill|ダンヒル
サッカー日本代表オフィシャルスーツ“勝負服”
シェフ・松嶋啓介が語る「勝負の要諦」
世界を舞台に勝負している男たちがいる──ダンヒルは、14年にわたって、サッカー日本代表チームにオフィシャルスーツを提供している。そのコンセプトは“勝負服”だ。今回、南仏・ニースで“勝負”をつづけ、8年連続でミシュラン一ツ星を獲得している、シェフ・松嶋啓介氏が“勝負服”を体感。そして、自身が勝負に挑む場面について、話を聞いた。
Interview Photographs by SAITO RyosukeStill Photographs by JAMANDFIXStyling by INOUE YusukeText by IWANAGA Morito(OPENERS)
「シェフとは指揮者である」
――松嶋さんの勝負の場面とは?
毎日が勝負です。シェフというのはマネージメントという立場なので、業者に挨拶に行って、今日の野菜は何があるかとか、いい魚が入っているかとか、そのようなコミュニケーションをとることが、一番重要な勝負どころなんですね。そういった部分をまめにケアできていたら、安心していいものを買えるんです。そこが安定していると、技術以上に重要なところを押さえられるんですよ。
日本でシェフというと、フライパンを振ってるイメージだと思いますが、ヨーロッパでいうシェフは、完全な指揮者なんです。料理人として厨房に立つのではなく、マネージメントに専念するポジションですね。
もちろん料理の技術も大切ですが、それ以上に、センスのほうが問われます。
優秀なシェフにとっては、優秀な料理人であること以上に、お客さんが求めているもの、自分で提案したいものにたいする考えがクリーンになっていることのほうが、必要な能力なんです。
――センスを磨くために心がけていることは?
よく遊び、よく食べ、よく飲むことです。人がどういうことで感動するのか、自分自身が体感することが大切だと思っています。逆に、自分が体験したことで喜べたことは、ほかの人にも共感をもってもらいたい。自分が美味しいと思うから、自分の価値観を楽しんでほしい、という気持ちが重要なんです。
また、自然からのインスピレーションも大切にしています。山や海に行ったり、最近はスキューバにもはまっていて、あそこに魚がいて隣にウニがいるっていうのを見ると、じゃあ来週はウニと鯛だな、というふうに。季節が変わると、海も変化して魚も変わります。それを通訳してテーブルにのせている、といった感じです。
――日本にオープンした「Restaurant-I(レストラン アイ)」では地産地消を謳っています。
それも実はおなじことなんです。日本に帰国したら、時間があるときにはできるだけ畑や山や海に行ってインフォメーションを集めます。そこで感じた「旬」を、そのままお皿に届ける作業をするだけなんです。
「野生のカン」という言葉がありますよね。それは、インフォメーションの捉え方がすごく速い人がもっているものだと思うんです。例えば漁師と海に行くと、その日の太陽の出方と海流の流れや温度を、感覚で理解して、魚が獲れる適切な場所に網を張っているのがわかります。
それはすべて、自分の経験を基に判断ができているということなんです。僕もその感覚を大事にしたいと考えています。
スーツを着る=“勝負”
――普段どういった場面でスーツを着ることがありますか?
基本的にはカジュアルな格好のことが多いのですが、公式の場にはスーツで参加しますね。南フランスには15年ほど住んでいるのですが、リラックスして生活する、という土地柄なんです。それはビジネスにおいても当てはまります。例えば船上での会食もビジネスの現場ですが、スーツを着ることは少ないです。ざっくばらんにお互いの気持ちを話し合い、テーブルの下で交渉する。そこで話をとりまとめて、公式の場でスーツを着て書簡にサインをする、という流れです。つまりスーツは、契約や交渉を成立させるような、重要な局面に臨むためのアイテムなんです。
日本では毎日スーツを着ている方が多いので、その効果が薄れてしまっているのかもしれません。僕にとっては、機会が多くない分、スーツを着るシチュエーション自体が、はずせない、肝要な、「勝負の場面」になりますね。
――現在着用されているスーツは、ダンヒルがサッカー日本代表チームに提供しているオフィシャルスーツになります。
そうなんですね。実は、日本代表の選手に知り合いもけっこう多いんですよ。日本代表だけじゃなくフランス代表の友達なども、お店に来ることがありますよ。そういう意味でもサッカーは身近なスポーツです。
着るものに関して言えば、向上心や野心の強い選手たちはやっぱり、かっこつけてますよね。“かっこつけてる”というのは、もっと上のステージを目指すためにいいものを着ている、という認識です。そういう点で、意識を高めるために、装いに気を配ることは大切だと思います。
たぶんこのスーツも、そういう意識をもって袖を通すものなんじゃないかな。身につけるものって特別なものであるほど、想いが強くなるじゃないですか。実際に着てみて、このスーツが勝負の場面にふさわしい特別なものだと実感しますね。
dunhill|ダンヒル
サッカー日本代表オフィシャルスーツ“勝負服”
シェフ・松嶋啓介が語る「勝負の要諦」
Interview Photographs by SAITO RyosukeStill Photographs by JAMANDFIXStyling by INOUE YusukeText by IWANAGA Morito(OPENERS)
オフィシャルであり、オーセンティックな“勝負服”
サッカー日本代表オフィシャルスーツ“勝負服”は、英国伝統のシルエット「セントジェームス・フィット」を採用した、オーセンティックなデザインで、パターンオーダー プログラムとして展開される。今回、松嶋氏がアルフレッド ダンヒル 銀座本店で体験したのは、オフィシャルスーツのフィッティング。スタッフが接客にあたり、丁寧なフィッティングをおこなう。
妥協のない採寸から生まれるスーツは、身体にフィットしながらも、英国スーツらしく、誠実さと逞しさを感じさせる構築的な仕上がりに。上着は、シングルブレストの2つボタン、サイドベンツにスラントポケットという仕様だ。トラウザーは、ワンプリーツやフラットフロントのサイドアジャスターモデルなど、ダンヒルのカスタムテーラリングで展開するすべてのバリエーションから選択が可能。
随所に見られる特別仕様
2000年からサッカー日本代表チームに提供されているJFAスーツは、年を経るごとにバージョンアップしている。ラインナップは、ジャケット、トラウザーのほかに、シャツ、ネクタイ、ベルト、カフリンクス・ボタンカバーを揃える。
スーツには、ネイビーの生地に映えるライトブルーのストライプにくわえ、今年のモデルには、うっすらと浮かびあがるダークレッドのストライプが入る。カフスに輝くボタンカバー・カフリンクスは、目標や夢を達成するための意志を高めてくれるパワーストーン「ソーダライト」が埋め込まれた。
ベルトは、ダンヒルのシグネチャーでもあるカーボンファイバーを模した「シャーシレザー」が採用され、金属細工技術の高さがうかがえるシルバーのバックルが美しく映える。ジャケットの内側には、サッカー日本代表チームのエンブレムが縫いつけられており、ダンヒルにしか許されない、特別なスーツであることを証明している。
勝負の場面に臨むとき、不可欠な「装い」。世界を舞台に戦う男たちへダンヒルが捧げる“勝負服”は、その名の通り、重要なシーンにおける頼もしい相棒となるだろう。
松嶋啓介|MATSUSHIMA Keisuke
1977年福岡県生まれ。専門学校「エコール 辻 東京」で仏料理の基礎を学ぶ。渋谷「ヴァンセーヌ」を経て、20歳で渡仏。各地で修行を重ねた後、25歳の誕生日に、ニースに「Restaurant Kei's Passion」をオープン。開店から3年目、レストランガイドブックの権威『ミシュラン '06年版』で1ツ星を獲得。2006年、店名を「KEISUKE MATSUSHIMA」に改め、拡大オープン。2009年には、東京・神宮前に“東京で取り組む地産地消”をテーマにした「Resutaurant-I(レストラン アイ)」をオープン。2012年、「KEISUKE MATSUSHIMA」が8年連続でミシュラン1ツ星を獲得
アルフレッド ダンヒル 銀座本店
住所|東京都中央区銀座2-6-7
営業時間|11:00~20:00(日曜のみ19:00まで)
Tel. 03-3562-1893
ダンヒル/リシュモン ジャパン
Tel. 03-4335-1755
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