ブランド初の秋冬コレクションは「FORMS」がテーマ|MN LAST
TOKYOメンズブランド特集|MN LAST
「エムエヌラスト」2015-16年 秋冬コレクション
ブランド初の秋冬コレクションは「FORMS」がテーマ
蔵富俊介氏がデザインする「MN LAST(エムエヌラスト)」の2シーズン目、初の秋冬コレクションは、春夏のテーマ「MIND」からさらに踏み込んで「FORMS」がテーマ。独自のバランス感覚が、あたらしいメンズ服を提示する。9月中旬より、ウェブショップ「rumors(http://rumors.jp/)での取り扱いもスタートする予定だ。
Text by KAJII Makoto (OPENERS)
立体的なフォルムの構築を追求
──2015-16年 秋冬コレクションのテーマ/コンセプトは?
テーマは「FORMS」。デコラティブな形で立体を表現するのではなく、いかにミニマムなデザインのなかで立体的なフォルムを構築していくかがテーマになっています。そのため、マスキュリン要素を軸として立体的なフォルムを組み込んでいくというバランス感を意識しています。
──今シーズンのルック撮影でこだわったポイントと、注目してほしいところは?
写真から「重さ」が感じられることをポイントとしています。
──スタイリング、シルエット、カラーなど、昨年の秋冬コレクションとのちがいは?
今回が初の秋冬コレクションとなります。
──今シーズンのキールック(コーディネート)は?
ノーカラージャケットとアンクル丈のカーブパンツのセットアップがキールックです。
今シーズン展開されているアイテムのなかで、最小ピースで構築されたジャケットとパンツはアナトミカルなカッティングパターンを用いて、アームの可動域や膝へのフィット感などを追求しています。
また、曲線を多用したパターンによって部分的に意図したシワを生み出し、デザインの一部としています。生地は綾織りのコットンとウールモッサをニードルパンチし、織りの方向を利用して、下層の黒がランダムな形で浮き上がる生地の凹凸感も含めて、奥行のある表情になっているのに注目してください。
シーズンテーマを象徴する生地とは
──キーアイテムとキーカラーは?
キーアイテムはハイネックレザージャケット。
ベジタブルタンニンのキップヌバックレザーを使用し、下地の段階でカーキに染め、仕上げにグレーをのせているためヌバックの毛足の方向によってグレーとカーキが部分的な斑(まだら)感を作り出しています。
パターンは可能な限りシームを排除し、ダーツでフォルムを構築することを追求しています。立体的な部分がシームレスになり、ステッチはすべてオーバーロックで縫っていることから、ダーツやシームをすべてデザインポイントとして表現しています。
キーカラーはブラック、ホワイト、グレーカーキ、グレーネイビー。
ブラック、ホワイトの2色は年間を通してのベースカラーとなっていますが、その他の基本的なバリエーションとして軸とする濃色を決め、そのグラデーション色を生地のなかで表現していくことに魅力を感じています。そのためメンズ服ではあまりみかけないような淡色も通常の提案として考えています。
──今シーズンこだわった「素材」は?
シルクシフォン、ウールメルトン、ウールネップの3素材をニードルパンチで3層にしたダブルフェイスの生地です。
生地の表情を作っているシルクのシフォン素材は単体では手で簡単に破けてしまうほどの繊細な生地なのですが、これをベースとなるメルトンとニードルで合わせることにより、ベースのメルトンが透けるほどのざっくりとした織組織になり、仕上げに樹脂プリントで加工しているため、繊細ななかにも強さを感じるシーズンテーマを象徴する生地となっています。
──「今シーズンの気分」を一言で表現してください。
斑(まだら)
──ブランド(デザイナー)のクリエイティビティをを刺激するモノは何ですか?
自然。自身の審美眼を再確認、発見することができるため。
MN LAST
Tel. 03-6677-7236(info@mnlast.com)
www.mnlast.com(8月末オープン予定)