色の深みを感じる「Color and color」が秋冬のテーマ|ITTY-BITTY
TOKYOメンズブランド特集|ITTY-BITTY
「イッティビッティ」2015-16年 秋冬コレクション
「Color and color」をテーマにした秋冬コレクション
ブランドテーマとして、“TIMELESS=時代性に左右されないモノ作り”を掲げる「ITTY-BITTY(イッティビッティ)」。デザイナーの米澤知世と宇田将城が手がける服は、普遍的なアイテムでのあたらしいバランス感覚のなかから、メンズ服のあらたな価値観を見出していく。
Text by KAJII Makoto (OPENERS)
少しだけ未来感のあるスタイルを提案
──2015-16年 秋冬コレクションのテーマ/コンセプトは?
テーマは「Color and color」。今季は、単純な染めでは出来ないフラットな色出しに力を注ぎました。
一見、ベタ染めに見えるくらいタテ糸とヨコ糸の色差を近づけたり、色差をぶつけ合い消して組織を作り、色に深みを与えています。
──今シーズンのルック撮影でこだわったポイントと、注目してほしいところは?
自分たちの考えるモダンなスタイルを際立たせるために、床と背景、自然光を取り入れ質感を加えました。スタイリングでは大きな色差をつけることなく、フューチャー感とでもいえばいいのでしょうか、素材の質感と組み合わせで少しだけ未来感のあるスタイルを提案しています。
──スタイリング、シルエット、カラーなど、昨年の秋冬コレクションとのちがいは?
昨年はネイビー、ベージュ、ホワイトを中心に健全なスタイリングを提案していますが、今回はグレーを中心に全体のトーンを落とし、コントラストの少ないよりモダンなスタイルを探求しています。
──今シーズンのキールック(コーディネート)は?
上の写真の左のルックは、毎シーズンあたらしいデザインを発表しているロングコートを使用したスタイリングです。今シーズンは膝下丈のロングチェスターコートで、フロント釦(ボタン)、ベルトなどをつけず羽織るコートを提案しています。このコートに今シーズンのさまざまなグレーを合わせることで、ブランドの今を表現しました。
今シーズンはグレーの色出しに注力
──キーアイテムとキーカラーは?
キーになっているカラーはグレーです。グレーのバリエーションには力を注ぎました。トップのグレーではなく染めのグレー、一見ベタに見えるようなグレーを作りたくて、赤味の入ったチャコールグレーをさまざまな素材で表現しています。
──今シーズンこだわった「素材」は?
カルゼ組織のメルトンです。
通常、細番手の高級スーツ地などに使用される上質で希少な原料を贅たくに使用しています。縮絨(しゅくじゅう)によって密度と肉感を出す一般的なメルトンの製法とは異なり、生機の段階から密度を上げて織っておき、逆に縮絨は控えめにすることで綾目の立ったクリアな表情に仕上げています(この方法は通常より大幅にコストがかかるため、あまり一般的ではありません)。
メルトンに使用する糸としては比較的細めの糸をしっかり密に打ち込んだ織物ですが、非常に繊細で上質な原料を使用しているので、肉厚で密度感はあっても柔らかくしなやかな風合いに仕上がっています。
──「今シーズンの気分」をひと言で表現してください。
そろそろ何かが大きく動き出しそうな気がしてます。
──ブランド(デザイナー)のクリエイティビティを刺激するモノは何ですか?
ひととの出会い、プロダクトとの出合い、アートとの出合い。
<主な取り扱い店>
http://itty-bitty.jp/dealers.htmlを参照
STRIPES DESIGN INC.
Tel. 03-5768-2401
http://itty-bitty.jp/