Daniel&Bob|「PIPPO」の新作、そしてニューモデル「CAMELIA」「STIFFELIO」誕生
Daniel&Bob|ダニエル&ボブ
爆発的ヒットを記録した「PIPPO」のニューアイテム、そして
ニューモデル「CAMELIA」「STIFFELIO」誕生(1)
ショルダーバッグの概念を覆すスマートなシルエットとラグジュアリー感が話題を呼び、各メンズ誌でも何度となく取り上げられてきたDaniel&Bob(ダニエル&ボブ)の人気モデル「PIPPO(ピッポ)」。巷に溢れるカジュアルなものとは一線を画すそのデザインは、30代を中心に40、50代と上質を知る大人たちからの支持を集める。そんな「PIPPO」によりエレガンスを演出するベロア素材「PIPPO VELOUR(PIPPO ベロア)」が登場。洗練された大人のカジュアルスタイルを提案する。 さらに今季、そんな「PIPPO」の面影を残しつつ、あらたなアプローチとして誕生したニューモデル「CAMELIA(カメリア)」「STIFFELIO(スティフェリオ)」が登場した。発売当初より「PIPPO」をしのぐほどの人気ぶりでいまでは完売続出! もしこの「CAMELIA」「STIFFELIO」、さらには「PIPPO」をご存知ないという方がいたら、それはちょっとまずいかも……。そこで今回、そんなダニエル&ボブを展開するSELLTS LIMITED(セルツ リミテッド)のドレスセクション担当 小西宏樹さんに、その魅力について聞いた。
文=オウプナーズ写真=高田みづほ
大人の方が休日に上品に持てるバッグ「PIPPO」
──ヒットをつづける「PIPPO」ですが、なかでも人気のものとは?
やはり主力はベーシックカラーになりますが、「PIPPO」にかんしてはカラーはまんべくなく出ています。トートバッグとはまたちがい、コンパクトで“背負う”というスタイルのものなので、たとえばナイロン素材のものでしたらオレンジ、水色、また、「ローディ」という定番のレザー素材であればワインなど、わりと明るい色も人気があります。ビジネスではなくスタイルとして持つものなので、コーディネイトのアクセントになるような使い方をされる方が多いのではないでしょうか。
お客様は30代の方が中心ですね。もちろん20代の方もいますけど、大抵はお若い方ですとアウトドアブランドなどのカジュアルなもの、1万円前後のものの方が人気のようですね。逆に「PIPPO」は価格もそうですが、30~50代のちょっと大人のほうが休日に上品に持てるバッグというイメージで支持されているようです。
当時横長の小さいショルダーが主流だったなかで、こうした縦型のものというのは珍しかったんですね。それは大人が持てる品のあるショルダーバッグという意味でもそうでした。じつはもともとはスリーウェイというコンセプトが売りだったんです。たとえばセンターにかけて肩がけに、正面のハンドル部分で手持ちにも、そして右と左どちらもにベルトをつなげることができますので、左利きでも右利きでも無理なく斜めに背負うことができるという3とおりに楽しめるものとしてデビューしたんです。
──今シーズン「PIPPO」にスエード素材の「PIPPO VELOUR」が登場しましたね。
今回のものとは毛足のタッチが異なる別の素材になりますが、じつはスエードは昨年にもあったんですよ。これは裏話になりますが、この「PIPPO」のモデルが人気になったきっかけが某雑誌にスタイルカットで掲載されてからなんです。
ツイードのような素材感のあるダウンベストに合わせるぬくもり感のあるボディバッグという切り口で「PIPPO ベロア」が選ばれ、掲載されたところ「PIPPO」への問い合わせが殺到し、いまや定番として一般的なモデルになったんです。季節感があり、より品のよさや落ち着きを感じさせるスエード素材特有の個性が「PIPPO」というモデルが躍進するきっかけになったのかなと思います。そういった背景もあり、今シーズンもスエードをやってみようと思ったんです。というのも、たまたま2シーズンつづけて作っていますが、スエードは定番アイテムではないので、来年も作るかどうかは未定なんです。
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ニューモデル「CAMELIA」「STIFFELIO」誕生(2)
バッグトレンドの発信源は「ダニエル&ボブ」なのでは
──そんな「PIPPO」の人気に迫る勢いをみせるニューアイテムが登場しましたね。
“「PIPPO」の派生モデル”ということではありませんが、縦形のシルエットが確立され、またナスカンをほどこしたあの“顔”も定着しましたので、その顔を活かしたひとつの流れができればとの思いから、「CAMELIA」「STIFFELIO」が生まれました。曲線を描いたおもしろいシルエットが特徴です。どちらかというと横型のほうがベーシックなので、縦型に対して抵抗のある方にもなじみやすいのではと思います。
サイズは2サイズ。大きい「CAMELIA」は私服で仕事をされる方にもお薦めですし、小さい「STIFFELIO」は普段スーツを着て働かれる方が休みの日にカジュアルなスタイルで出かけられるときに使ってもらえるようなサイズ感を意識しています。じつはこうしてショルダーアイテムを作るようになった経緯には自転車に乗られる方が増えたこともありまして、そこでカジュアルなメッセンジャーバッグとはひと味ちがう、スタイリッシュな街用として普段自転車に乗られる方にもコーディネイトしてもらえたらうれしいですね。
──売り切れ続出のようですが?
今後も継続するモデルなので2011年春夏シーズンにも購入することは可能ですが、10年秋冬シーズンの商品にかんしては数は少なくなってきています。僕らとしてもデビューシーズンだったのでなかなか反響が予想できず、それで出してみたら大変なことに……(笑)。ここまで継続的に反響があるとは思ってもみませんでした。
値段の関係もあるのかもしれませんが、「STIFFELIO」のほうが展示会でも人気でしたし、お客様からの反響も大きかったです。ショルダータイプのバッグに大きさや容量は求められていないのかなと。財布、携帯、プラスα、その程度の収納力があれば十分。休みの日に手ぶらで出かけたいから必要最低限のものを入れる、という感覚でサイズ感は考えています。
──今後の展開は?
こうした横型のボディバッグやショルダーバッグのミニというタイプは今回のリリースである程度展開に幅ができたのではないかと感じています。なのでつぎはちがうことをやっていこうかなと思っています。「CAMELIA」「STIFFELIO」の展開としては素材だったりカラーであったりのバリエーション、春夏にはコットンやリネンを使ったもの、レザーでももう少しやわらかく色味のあるものや、カジュアルな型押しのクロコであったり、そうしたかたちでのアレンジをみせていければと思います。
ファッション業界はこの不況のあおりを受け、厳しい時期であると言われています。しかし逆にこの不況のおかげで、これまでブランドネームを信じ、商品を選んできたという方々があらためてものの本質や背景に目を向けられるようになってきたことを感じます。そんな方々がいま、「ダニエル&ボブ」を注目してくださっている。それは素材選びから加工、そしてデザインにいたるまで、こだわり抜いた製品づくりをつづけてきたブランドにとって本当にうれしいことです。来シーズンもそんな期待の声に応えられるよう、丁寧なものづくりと新鮮なアイディアを提案していきたいと思います。
──ありがとうございました。