BAND OF OUTSIDERS|デザイナー スコット・スタンバーグ インタビュー
BAND OF OUTSIDERS|バンド オブ アウトサイダーズ
デザイナー スコット・スタンバーグ インタビュー
「THIS IS NOT A POLO SHIRT.」 という名のポロシャツ
ブランド『BAND OF OUTSIDERS(バンド オブ アウトサイダーズ)』は、2004年にScott Sternberg(スコット・スタンバーグ)が立ち上げたニューヨークのブランドで、古き良き時代のアメリカントラッドをベースに、サイジングやシルエットなどにあたらしい解釈とアレンジをくわえ、一躍注目のブランドとなった。伝統的な素材が好きで、テーラードの技術にこだわるスコットが、2010春夏シーズン、ついにポロシャツを解禁。待ち望まれたバンド オブ アウトサイダーズのポロシャツとは?
文=オウプナーズ人物撮影=中村雅彦
これは、いまのポロシャツなんだ
タイトなシルエットと短めの着丈のシャツに細めのネクタイというのが、バンド的な定番の着こなし。そこにジャケットやコートがくわえられてワードローブが徐々に完成し、スーツに発展していったが、なぜかポロシャツはラインナップされていなかった。
──なぜ今シーズンからポロシャツをはじめたのですか?
“バンドといえばシャツとタイ”というイメージだと思うけど、実際、生地からつくっているし、この決まっているカタチをどう変えられるかは、バンドにとって変わらぬテーマだし、メインのアイテムであるのは間違いない。最近、ブランドとしてやっと認知されてきたと思うけど、ポロシャツをつくるなら、コレクションの一部じゃなくて、ひとつのカテゴリーのように考えたほうがいろんなことができるんじゃないかと思って、「THIS IS NOT A POLO SHIRT.」をつくったんだ。
──「THIS IS NOT A POLO SHIRT.」とした理由は?
まずひとつめは、ブランドとしてユーモア感覚を伝えたかった。それから、画家のマグリットの作品に、パイプを描いた絵があるんだけど、それはパイプの絵であってパイプではない。僕の父親もよくポロシャツを着ていたけど、そのころのポロシャツではなくて、これは、いまのポロシャツなんだ。
──ポロシャツのバリエーションも多いですね。
ポロシャツでひとつのコレクションなので、ストーリーをつくりあげるようにたくさんつくってみた。色も好きだし、柄も、そしてなにより生地が大好き。この生地は和歌山のテキスタイルメーカーのもので、縫製まで日本の正真正銘のメイド・イン・ジャパンなんだよ。
──なぜ生地にこだわったんですか?
和歌山のメーカーとは前から仲良しで、ポロシャツをつくりたいと話したら、生地からオリジナルでつくることになった。このニットジャージーの素材は、日本以外では考えられない出来映えだよ。
2010春夏コレクションのテーマは「潜水艦の乗組員スタイル」がベース
──2010春夏コレクションのテーマを教えてください。
今シーズンは、『沈黙の海』で知られる海洋学者のジャック=イヴ・クストーが開発した潜水艦の乗組員のスタイルをベースに、カラーリングや柄は、エド・ルシェ(アメリカの現代美術アーティスト)によるエアブラシを使用した作品や、70年代のマリブのトレーラーパークなどからインスピレーションを受けた。それらの要素を全部つなぎあわせたコレクションもぜひ注目してほしい。
ポロシャツのボタンは、全部留めること!
──スコットはポロシャツをどう着ますか?
ポロシャツはよく着るよ。これ一枚でドレッシーにもカジュアルに着こなせるし、難しいことはなにひとつないアイテム。ピッタリ着たときはSを選ぶし、ゆったり着たときはLを着るよ。
──どう着るとカッコイイ?
生地が薄手だからブレザーとの相性はいいね。それからボタンは全部留めること! あと、シャツの上に着てもクールだね。
──日本人の着こなしの印象は?
みんなベストだよ。おしゃれを楽しんでいるしね。バンドの服はなんの変哲もない“ツール”のように思ってくれていて、みんな自分のオリジナルのスタイルをつくっている。アメリカだと定番の格好か、すごくリラックスした感じの両極端だからね。
──バンドとも縁があるバーニーズ ニューヨークの神戸店が3月にオープンしました
バンドにとってスーツはとても大事なアイテムで、バーニーズではトランクショーを開催して接客もしたことがあるんだけど、スタッフもそれぞれキャラクターがあって、僕がいちばん大切にしているスーツをしっかり売ってくれる店だから、神戸店も歓迎だね。
──2010秋冬コレクションも期待しています。