Special Edition-2 もっとマーガレット・ハウエルを知る
MARGARET HOWELL is MODERN BRITISH
Special Edition-2 もっとマーガレット・ハウエルを知る
「私のデザインに対する取り組み方は、常に専門的なメーカー(ジョン スメドレー、ゴム引きレインコートのマッキントッシュ、トリッカーズシューズ、仕立てのよいシャツ)とは切っても切れないつながりをもっています。物がどのようにつくられているかはデザインと固有の関わりをもっています。私はクラフツマンシップとクオリティに対し敬意とあこがれを抱いています」と語るMs.マーガレット・ハウエル。
上のビジュアルギャラリーで各アイテムを紹介しているように、彼女のデザイン哲学においては、信頼できるメーカーとのコラボレーションもコレクションに華を添える。
Photo by Jamandfix
MODERN BRITISHというピュアで美しい表現と活動
ときに学者然としたMs.マーガレット・ハウエルの興味とスタイルは、服づくりだけでなく、建築や芸術、プロダクトデザインにも向けられている。
たとえば、戦後のモダンデザインを好む彼女は、家具デザイナーのルシアン・アーコラーニにより1920年に設立されたERCOL(アールコール)が手がけた、“ニレ材”を用いた50年代から60年代のチェアを現代に復刻。
当時、画期的な技術であった“曲げ木”によるまったく無駄のないフォルムは、MARGARET HOWELL×ERCOLのコラボレーションにふさわしい気どらないシンプルさに満ちている。
ERCOL BUTTERFLY CHAIR(手前) 9万8700円
ERCOL STACKING CHAIR(奥) 6万7200円
また、1930年代からデザインに携わり、50年代(ミッドセンチュリー)に“量産良質”をモットーとして数々の名作チェアを生み出した、イギリス人建築家アーネスト・レースのデザインにも注目。第2次世界大戦後の復興中で製作材料に制限があることを念頭にデザインした結果、これらのフォルムに至ったという。
このアーネスト・レースのモダンデザインもマーガレットのお気に入りで、MARGARET HOWELL×ERNEST RACEとして復刻され、日本ではフラッグシップショップの神南店のみで取り扱われている。
ERNEST RACE REISSUE HERON CHAIR AND FOOTSTOOL 76万6500円
マーガレット自身が触発されて、現代の発信者になる
さらに、彼女の興味は建築分野にも及ぶ。日本では、渋谷区神南にある「MARGARET HOWELL LIFESTYLE SHOP JINNAN (マーガレット・ハウエル ライフスタイルショップ神南)」などを拠点に、エキシビジョンが開催されている。
たとえば、イートン校、ケンブリッジ大学のトリニティ・カレッジに通うという英国のエリートの道を歩み、そこに深く根ざした組織を体験した建築家、ジョン・ペン。
生まれつき芸術的才能に恵まれた彼は、ロンドンで建築を学び、第2次世界大戦を経て、ロサンジェルスへと渡り、そこでヨーロッパ・モダニズムの伝統と考え方を学ぶ。
その“開放的”な思想をもとに、9つの個人住宅の設計を手がけた。彼のこれらの作品を紹介するエキシビジョンを2007年に開催。
また、彼女が2006年に主催した「Span Housing」エキシビジョンは、イギリスで1950年代から80年代にかけてつくられたモダンな集合住宅を紹介するプロジェクト。こうした“彼女の好み”を見ていると、シンプルなフォルムのなかにある新しい探求が見て感じ取れる。
服、インテリア、エクステリア……。
流行りのコラボレーションという文脈ではなく、彼女自身が敬愛する英国的なモノ=メーカーとの取り組みや、彼女自身の日々の生活のなかでアンテナにひっかかったアイデアが、そのまま美しいカタチとなって世に送り出される。
私たちがマーガレット・ハウエルを着る理由。
それは、彼女自身が説明するように、「オーセンティック(真正な本物)、ジェヌイン(純粋の本物)」が私たちにストレートに伝わるからだろう。
アングローバル Tel. 03-5467-7874
http://www.margarethowell.jp/