マリー・アントワネットに捧ぐ(1)
Fashion
2015年3月9日

マリー・アントワネットに捧ぐ(1)

マリー・アントワネット生誕250周年を記念して

12人の新進デザイナーによるドレスを紹介(1)

映画『マリー・アントワネット』© 2005 I Want Candy LLC.

マリー・アントワネット生誕250周年を記念して、この歴史上最も有名な王妃にインスピレーションを受けた12名のフランス人デザイナーが、デザイン・制作したドレスを「オウプナーズ」で紹介します。これはフランス婦人プレタポルテ連盟と伊勢丹のコラボレーションによる作品で、スタイリストの島津由行さんが、伊勢丹創業120周年を記念した伊勢丹 新宿店「フランス展」の特別イベントの一環であるファッションショーのコーディネートを担当。アントワネットの世界をモードを通して表現したドレスを華やかに仕上げました。

映画衣装は、ミレーナ・カノネロ!

島津:2007年1月20日にロードショー公開されるソフィア・コッポラ監督の映画『マリー・アントワネット』(東宝東和/東北新社配給映画)とは直接関わりはないんですが、今回、「フランス展」の演出をされた方から直接依頼があって、モデルの選定からドレスの着せ付け、靴のコーディネートやヘアスタイルのアドバイスなどを担当しました。

──試写で映画を観ての感想は?

島津:主演のキルスティン・ダンストは、いわゆる女のコにモテる(笑)タイプ。女のコが「可愛い子」って思う女優さんですね。演出の小道具的に使われる「ラデュレ」のスウィーツが可愛かったり、靴がマノロ・ブラニクだったり、モード感もたっぷり楽しめます。

映画『マリー・アントワネット』© 2005 I Want Candy LLC.

──サウンド・トラックもいいんですよね、これ。

島津:そう、ソフィア・コッポラが選んだのは80年代のイカした音ばかりで、スージー&バンシーズの『香港庭園』とか、バウ・ワウ・ワウ、ニュー・オーダー、アダム・アント、ザ・キュアー、ギャング・オブ・フォーなど最高ですよ。

──島津さんはこの時代の衣装とか好きですよね。

島津由行×オウプナーズ

photo by Jamandfix

島津:影響は受けてますよね。特に今回の衣装担当はあのミレーナ・カノネロ。これまで『バリー・リンドン』や『炎のランナー』、『愛と哀しみの果て』などでアカデミー賞の衣裳デザイン賞を受賞している人で、古着の糸を一度ほどいてまた縫うというようなすごい人です。

いちばんのお気に入りは「ルッツ」です

──今回12体のドレスを撮影させてもらいましたが、どれも個性的ですね。

島津:マリー・アントワネットというとどうしてもゴージャスなドレスを連想しがちですが、12人のデザイナーがいろんな解釈をしていて面白いですね。

──島津さんのお気に入りはどれですか?

島津:好きなのは「Lutz(ルッツ)」ですね。アウターのコートを脱いでもきれいなんですよ。日本ではまだブレイクできてないんですよね、モダンで好きなんですけど。

──では、みなさんにゆっくり見てもらいましょう。

「Lutz(ルッツ)」
マリー・アントワネットは若くしてダイナミックで、特にモダンな女性の代表。今回、Lutzが提案する、ヴィジュアルな差異を作りながら、便利な洋服とアシンメトリーにプリーツを付けたドレスに合うハイブリッドなトレンチコートを、彼女は着るだろう。photo by Jamandfix

「Gaelle Barre(ガエル・バレ)」
ガエル・バレによる21世紀のマリー・アントワネットは、18世紀の決まりに則っている。シルバーやグレー、パール、パウダーピンクと、色はやわらか。ボリュームは尊重されながらも、すべてアレンジされている。まず、コルセットはシルバーレリュックスのビスチェに変更、チュールのペチコートは表に出て、よりグリッターなイメージになるようゼッキーノ金貨で飾られている。ボタン、グログランのリボン、ストラスなどのアクセサリーはアントワネットのエスプリを感じさせながら、2007年のガエル・バレを着る女性たちにも似合う。photo by Jamandfix

「Gilles Rosier(ジル・ロジエ)」
悲劇の運命に驚かされた、若すぎる女性の無頓着さと軽薄さが、彼女を伝説の人物へといたらしめた。白は純粋さ、水玉は無頓着さ、リボンは軽薄さ、そして赤は悲劇を表現している。photo by Jamandfix

「Lefranc Ferrant(ルフラン・フェラン)」
もし、トレンチコートが存在していたら、彼女はこれを着るだろう…。ビスチェドレスとしてでも。photo by Jamandfix

「Sandrine Philippe(サンドリーヌ・フィリップ)」
マリー・アントワネットの悲劇の運命を語りながら、我々はこのドレスを生と死の別れ目、つまり、この女王が“灰の花”となったことを象徴する植物のもろさと強さの、敵意の印とみなしている。photo by Jamandfix

「Hannoh(アノー)」
マリー・アントワネットは史上初のファッション・ヴィクテムである。ローズ・ベルタンへの執着心は深い失望を導く結果となったが、このクチュリエ(ローズ・ベルタン~ファッションの商人~)は、フランスファッション産業界の出身である。この女王の軽薄さは、捕虜生活中に奇妙な簡素さへと変わった。彼女は経済と政治の過渡期に生きた人物で、調べる度に興味深い。photo by Jamandfix

マリー・アントワネットに捧ぐ(2)に続く

映画『マリー・アントワネット』
最も愛され、最も憎まれた、世界一有名な王妃マリー・アントワネットに、新たな光をあてた物語。
2007年1月20日(土)、日劇3ほか全国ロードショー
原題:Marie Antoinette/アメリカ・フランス・日本合作/カラー作品/ビスタサイズ/上映時間:2時間3分/字幕翻訳:松浦美奈
提供:東北新社・東宝東和/配給:東宝東和・東北新社
公式サイト:MA-movie.jp

           
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