White Mountaineering|2012-13秋冬コレクション デザイナー相澤陽介インタビュー
White Mountaineering|ホワイトマウンテニアリング
2012-13秋冬コレクション デザイナー相澤陽介インタビュー(1)
アウトドアウェアをインドアで着る、その場所とは?
ホワイトマウンテニアリングから送られてきたインビテーションを開くと、ボーディングパスを模したチケットが入っていて、チケットには“AWARDTOUR AIRLINE”と記されていた。「今回の2012-13秋冬コレクションは、架空の航空会社アワードツアー エアラインを設定して、国籍も人種も交わる空港のイメージとショウのリンクを考えました」とデザイナーの相澤陽介氏。ショウの直後にデザイナー本人から直接話が聞けるというのも、ホワイトマウンテニアリングと相澤氏のショウとものづくりに対する姿勢をあらわしているようだ。
Text by KAJII Makoto (OPENERS)Photographs by White Mountaineering
空港は、つぎの希望に繋がる場所
相澤氏が「この建物が好きで、ここは良い“気”が流れている感じがします」と言う、代々木競技場第二体育館。今回もここを舞台に、ホワイトマウンテニアリング2012-13秋冬コレクションは開催された。
さまざまな人種が行き交う空港と、旅に出るひとをウェアで表現。出発する空港内や機内、さらに到着した街でのリラックスした着こなしを打ち出した。
――ランウェイを歩くモデルはとても多彩でしたね
今回は“アワードツアー”をテーマに、旅行者や空港で働くひとを想定したので、国籍も広く、モデルも一人1体としました。日本人モデルの登場もはじめてですね。
――全部で何ルックになりますか?
警官と清掃員とパイロットを除くと31体ですね。
――どうして空港が舞台なのでしょう?
アウトドアウェアを一番インドアで着る場所を考えたときに、自分は空港だったんですね。出発前の空港にいるときのワクワク感や楽しさをショウとリンクして表現できればとおもいました。空港はつぎの希望に繋がる場所ですね。
――具体的な着こなしでは?
たとえばダウンベストなどは簡単に羽織れて、脱げる実用的なモノだし、トローリーやバックパックなどは旅に欠かせないアイテムなので、それらをスタイリッシュに見せようと。
――一見ルーズな着こなしも、旅行者をイメージして?
そうですね。飛行機に乗るときは、みんなおもいおもいにレイヤードしていますが、そのスタイルのバランスを一番イメージした重ね着を考えました。
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2012-13秋冬コレクション デザイナー相澤陽介インタビュー(2)
ショウを観て、楽しかったなとおもってほしい
今までに比べてリアルクローズに近づけています
――ショウの構成もとても凝っていましたね
観ていただいてわかってもらえたとおもいますが、はじめのアナウンスがアフリカ語で、最後のアナウンスはシャルル・ド・ゴール空港をイメージしたフランス語でした。途中でアメリカのヒップホップやアフリカの動物の鳴き声などもあって、曲も世界一周をイメージして作ったオリジナルです。
――明確なテーマがあったコレクションですが、相澤さんのなかでなにか変化はありましたか?
ショウはおなじチームで6回やっているのでシリアスにならず、ポップにならず、僕たちらしいショウになったとおもいます。作っている服も、作り方もこの数シーズン変わらないですが、見せ方やイメージ、ショウに対する考え方を少し変えてみました。
――変えた部分は?
ショウを観て、楽しかったなとおもってほしいということですね。フィナーレにモデル全員がシャツの胸ポケットにパスポートを入れていたのがわかりました? じつは僕もパスポートを忍ばせて登場しました(笑)。
――今回のキーアイテムやキーカラーは?
今回は、架空の航空会社アワードツアー エアラインのコーポレートカラーとしてバーガンディレッドを設定。ボルドーやバーガンディレッドに色を絞って見せることにトライアルしました。ほかはとくにあたらしいことはしていませんが、いままでに比べてリアルクローズに近づけています。
――パッチワークのニットなど、ニットのバリエーションがすばらしかったです
ニットを作るのが好きなのと、自分がインナーに着て楽なのがニットなので、今回は、素材と柄のバリエーションを増やしています。
――ニューヨークでの展示会の反応は?
1月に今回の秋冬の展示会をおこなって、今回でニューヨークは3回目になりますが、徐々に認知度も上がっていると感じています。
――アメリカでの期待を感じますか?
そうですね。パリとはちがって、ニューヨークはリアルクローズという視点で見てくれます。アメリカのデザイナーはバンドオブアウトサイダーズのように、オーソドックスなトラッドをちょっと崩したものが多いですが、僕たちはちがうテイストを入れていくことを期待されているように感じます。ニューヨークはアジアのデザイナーも多いので、アピールしやすいというのもありますね。
――ありがとうございました。
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