エットーレ・ソットサスによる1950~1970年代の仕事に着目したフェアを開催|METROCS
METROCS|メトロクス
陶器シリーズを中心に、タイプライターや家具など、ヴィンテージアイテムも展示・販売予定
日本やヨーロッパの歴史あるデザインプロダクトを取り扱うインテリアブランド「METROCS」。1993年の設立以来、10年、20年と長く愛用できる普遍的なモノを提供する確かな審美眼で、数々な取り組みを行ってきた。そしてこの度、東京・新橋にある実店舗「メトロクス」では5月23日(木)よりデザイン・建築界の巨匠、エットーレ・ソットサスの1950~1970年代の仕事に着目したフェアを開催する。80年代にはデザイングループ「メンフィス」を創設し、現代のデザインを語る上で最も影響力のある人物の一人でもあるソットサスの、メンフィス以前の仕事とはいったいどのようなものだったのだろうか?
Text by WAKABAYASHI Satsuki
巨匠と呼ばれた男のメンフィス以前の仕事にフォーカス
イタリアの建築家、インダストリアルデザイナーであるエットーレ・ソットサス(1917-2007)は、現代のデザインを語る上で最も重要な人物の一人とされている。彼が創設したデザイングループ「メンフィス」は80年代以降、熱狂的に注目を集め、その溢れる創造力で晩年まで活動し続けた。そんなソットサスの、初期からメンフィスに至るまでの変遷、また、そこにある一貫したデザイン哲学を感じられる貴重な展示・販売が東京・新橋のメトロクスにて開催される。ソットサスといえば、「メンフィス」を思い浮かべる人も多いだろう。今回の展示はメンフィス以前の、1950~1970年代の彼の仕事にフォーカスを当てた貴重な機会となっている。
本イベントでは、イタリアの老舗陶器メーカー・Bitossi(ビトッシ)で手掛けた陶器シリーズを中心に、Olivetti(オリベッティ)のオフィス家具シリーズ「Synthesis 45(シンテシス45)」シリーズや、Poltronova(ポルトロノーヴァ)で手掛けた家具「Tecnika(テクニカ)」など、これまであまり知られて来なかったソットサスの仕事を見られる貴重な展示となっている。ヴィンテージアイテムもあわせて展示・販売予定で、更にメトロクスが保有するコレクションの一部も見ることができる。
1981年に結成された「メンフィス」での活動が良く知られているソットサスは、鮮やかな色彩や個性的な造形を備えたデザインで、ポストモダニズムの潮流の中、多くの支持を集めた。その独自の世界観を形成するものの一つに、1950年代半ば、ビトッシでの作陶経験がある。当時、若き建築家ソットサスは、ビトッシのアートディレクターを務めていたAldo Londi(アルド・ロンディ)を陶芸の師として仰ぎ、以降約20年間、ビトッシの製造現場に通うことに。新たなモダニズムの実現を目指すアルド・ロンディの世界は、彼のその後の陶器作品に多大な影響を与えたと言われる。
また、1950年代後半からデザイン・コンサルタントを務めたOlivetti(オリベッティ)をはじめ、企業における堅実なデザインの仕事も忘れてはならない。バウハウス以降に確立されたモダニズムを見据えながら、独自の感性が反映された製品を精力的に世に送り出した。どれもが時代を超えて後世に受け継がれるものばかりだ。世界中の注目を集めた若き建築家・インダストリアルデザイナーの、メンフィス以前のデザイン哲学とエネルギーに触れられる貴重なこの機会、価値ある出会いがあなたを待っている。
エットーレ・ソットサス 1950-70’s Works
会期|2019年5月23日(木)~6月15日(土) ※水曜・日曜・祝日は定休日
会場|メトロクス 東京店
住所|東京都港区新橋6丁目18-2
定休日 | 水曜日・日・祝日
営業時間|
12:00~18:00(平日)
12:00~19:00(土曜)