『AKASHIC RECORDS 3.5』inアートフェア東京2023 レポート | MEDICOM TOY
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2023年3月24日

『AKASHIC RECORDS 3.5』inアートフェア東京2023 レポート | MEDICOM TOY

MEDICOM TOY|メディコム・トイ

国内外の来場者5万6000人がアートと触れ合った『アートフェア東京2023』

日本最大級の国際的なアート見本市『アートフェア東京』。2023年は3月10日(金)~12日(日)、東京国際フォーラムにて開催された。17回目の開催となる今回のテーマは「変動」。水や空のように流れ変化する世の中で、フェアの参加ギャラリーがそれぞれの打ち出す方向性に一本の筋を通しながら、変化するべきところは変化させ、新しい価値を求めて〈変動〉をし続けるという想いが込められた。
3つのセクションに分かれた会場では、国内外で活躍するギャラリー・美術商が出展するセクション「Galleries」に124軒。アートの分野が交差するセクション「Crossing」では13軒。アートシーンで注目すべき作家を個展形式で発表するセクション「Projects」では7軒のギャラリーが出展。
さらに、数年ぶりに参加する有名ギャラリーも注目を集め、日本橋の「西村画廊」、村上隆率いる「カイカイキキ」、中川一政や野田弘志の作品を取り扱う「一番星画廊」が賑わいを見せた。
コロナ禍を経て海外から久々に来日したアーティスト、ギャラリスト、来場者の顔も多く見られ、4日間の総来場者数は昨年を上回る5万6000人を達成。アートへの興味がますます広がりを見せていることを裏付けた。

Text by SHINNO Kunihiko|Edit by TOMIYAMA Eizaburo

アートフェア出展2年目のメディコム・トイが『AKASHIC RECORDS 3.5』のために用意したアート作品の数々

メディコム・トイは2020年秋より代表取締役社長 赤司竜彦氏が世界中からセレクトしたアーティスト、ブランド、コンテンツの作品を展示・販売するポップアップイベント『AKASHIC RECORDS (アカシック レコーズ)』を年に一度のペースで開催。アート、トイ、ファッションの垣根を超えた文化の交流地点として大きな反響を呼んできた。
昨年『アートフェア東京』に初出展し、その存在を数多くのアートコレクターに知らしめた「AKASHIC RECORDS」が、今年も入場無料のロビーギャラリー内ブースに出展し『AKASHIC RECORDS 3.5』と題して数々のアートピースを展示。会場で購入できる「開催記念商品」と、全世界からウェブにて応募可能な「WEB抽選販売商品」を用意して当日に臨んだ。ここではその模様をレポートしていこう。
©️Anne Valérie Dupond
BE@RBRICK TM & ©️ 2001-2023 MEDICOM TOY CORPORATION. All rights reserved.
フランスのテキスタイル彫刻家アン・ヴァレリー・デュポンの手によるワンオフ・アートピース「BE@RBRICK Anne Valérie Dupond ONE OF KIND 1000%」。AKASHIC RECORDSに欠かせないアーティストの一人だが、12体が製作された今回のシリーズも実在する動物や想像上の生き物をモチーフに、アンのイマジネーションを駆使したカラフルで生命力あふれる素晴らしい作品が揃った。
©️MILKBOYTOYS
©️YOIKOOMOCHA
©️MAI NAGAMOTO
アートトイにおけるソフビフィギュアの注目度はますます上がる一方。昨年秋の「AKASHIC RECORDS 3」でも注目を集めた気鋭のアーティストたちが今回のためにニューカラーを発表。(写真左より)「よいこおもちゃ エックスX (置き去りにされたおもちゃ) GREEN」、MAI NAGAMOTO「フテネコ/FUTENEKO 桜 Sakura Ver.」、MILKBOYTOYS「IT BEAR “JUMBO” COPPER」。
©️楳図かずお / 小学館
©️楳図かずお / 小学館
マンガと芸術の大転換点。27年ぶりの新作「ZOKU-SHINGO」の原画103点を含む「楳図かずお大美術展」が東京、大阪に続いて今年は名古屋で開催予定の天才漫画家・楳図かずお。アート界からも熱い注目を集めており、「AKASHIC RECORDS 3.5」では(写真左より)「ヤマダ・マサミワークス2 わたしは真悟 (2期)」「漂流教室 関谷三輪車(茶スリッパ)」が登場。世界的にファンを持つNAGNAGNAGによるマスターペイント(真悟)、プロデュース(関谷)による作品とあって、広く注目を集めていた。
©️ MAMES
白河剣太狼とchamiからなるアーティストユニット「MAMES(マメズ)」。待望の新作は(写真左より)陶器で作られた手紙「MAMES 愛の手紙」(A)(B)、遠い日の記憶を想像力で立体化した「MAMES ミチノキオク」「MAMES ミチノカケラ」、代表作「CLASSIC BUTTON」をカスタムペイントした「MAMES CLASSIC BUTTON RUINS PLAYGROUND Ver. 廃墟の遊具」が展示された。
©️YOSHI SUGAHARA
1998年よりメディコム・トイRAHシリーズのPKビジュアルを約20年間担当。30年間に渡るイラストレーターキャリアを経て、昨年、初の美術展<菅原芳人POP ART展-DEBUT>にて現代アーティスト・デビューを飾ったYOSHI SUGAHARA。(写真左より)630mm×630mmのアートワーク「C◎MMUNICATI◎N BREAKD◎WN (EDITION 5)」、「C◎MPLICATI◎N SHAKED◎WN (EDITION 5)」、UMAがEXITする誘導灯「非日常口(EDITION 10)」という攻めた内容で「AKASHIC RECORDS」に初参戦となった。
©️ ASAMI MATSUMURA
「懐かしさと新しさの調和」をテーマに、レトロなアメコミテイストで人気のまつむらあさみ氏は新作原画(写真左から)「MARIA」「CONSTANCE」「EYES ON YOU」3点を出展。フィギュア化された「MARIA」に続いて、新キャラクター「CONSTANCE」と「EYES ON YOU」の次なる展開も楽しみなところだ。
©️Nao
2002年生まれのNaOは今回発表する「明晰夢(Lucid Dream)」(写真左)にて本格的なアーティストデビュー。
©️ KAORI HINATA
コミカライズも話題となった人気キャラクター「MORRIS」の生みの親であり、幅広い分野で活躍するアーティスト、ひなたかほり氏。今回は(写真左より)真夜中のサーカスとのコラボによる「KAORI HINATA×真夜中のサーカス ONE-OFF PROP MORRIS」、自身の手でカスタムした「BLUE ROYAL JAM MORRIS」を発表。
©️IKEUCHI
©️ANREALAGE
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造形作家・IKEUCHI氏によるBE@RBRICK 1000%第2弾「BE@RBRICK Memento Mori クリアスモーク Ver. 1000%」(写真左)は、頭部と腹部のクリアスモークパーツ越しに見えるメカニカルユニット、非対称カラーでメッキを施した手足パーツの相乗効果でクールな文明批評のようにも見えてくる。
対してANREALAGE 20周年を記念した「ANREALAGE PATCHWORK BE@RBRICK 1000%」は、20色のメモリアルカラーパッチワークでカスタムしたBE@RBRICK 1000%。BE@RBRICKのなだらかなボディラインに沿ったパッチワークの繊細さに魅入られる来場者も多かった。
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既存の概念にとらわれない発想とアプローチで日本文化の新しい継承スタイルを提案するmidland Creation。今回は会場販売商品の「九谷BE@RBRICK ARLECCHINO 400%」(写真左)と、抽選販売品の「九谷BE@RBRICK 【青華紅彩花唐草紋】 400% (EDITION 1)」を発表。
イタリアの即興喜劇に登場するトリックスター、アルレッキーノをモチーフにした「九谷BE@RBRICK ARLECCHINO 400%」は従来の九谷BE@RBRICKになかった表情が描かれたカラフルなモデル(九谷焼絵付/高聡文)。藍染付細描に九谷五彩を融合させた「九谷BE@RBRICK 【青華紅彩花唐草紋】 400% (EDITION 1)」の精密な紋様は、生で見ると感嘆の声を漏らすほど(九谷焼絵付/三浦晃禎)。
©️円谷プロ
©️T9G/MUSEUM
©️Aruta Soup
会場販売商品として高い人気を集めたフィギュアたち。(写真左から)ぬいぐるみ作品をソフビで再現したCLICK CRACK「CLICK CRACK ガラモン RED」、迫力ある巨大サイズのT9G「JAM ランジアス ver.3」、ARUTA SOUPの立体をソフビ化した「VCD『ZERO』by ARUTA SOUP × MEDICOM TOY」。
©️Fujio Akatsuka 
©️Rieko Akatsuka 
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天才漫画家・赤塚不二夫と鬼才現代アーティスト・赤塚りえ子、父娘奇跡のコラボレーションとして話題を集めたネオンアート作品『ニュー アカツカ』より、ボディにプリントされたニャロメやべしがブラックライトで鮮やかに浮かび上がる「BE@RBRICK ニューアカツカ ニャロメ & べし 100% & 400% / 1000%」が会場販売商品として登場。会場にはその原画も飾られた。
©️Alan Smithee Film
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会場販売商品として人気を博した、ボディ内部の未確認飛行物体がカラフルに点灯するALAN SMITHEE FILMの「BE@RBRICK U.F.O. 3rd Ver.400% / 1000%」(写真左)。シリーズ初の、ボディ内ボールが胸のロゴと一緒に発光する「MY FIRST BE@RBRICK B@BY COLOR SPLASH Ver. 400% / 1000%」。Designed by CHIAKI (CIROL & Co.)
©️SHINSUKE IKEUCHI
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彫金作家として活動する傍ら、現代アート作家としても注目を集めるSHINSUKE IKEUCHI(池内信介)が手がけた1000% BE@RBRICK第3弾「BE@RBRICK SPIKE #3 1000%」。ゴールドのボディを覆うように無数のスパイクが生えたBE@RBRICKの存在感は、安易に触ることを拒否する意志のように来場者を圧倒していた。
会場中央に展示され、来場者を畏怖させた異形のアートピース「1/1 悪魔の書」。永井豪の「デビルマン」より主人公・不動明が悪魔の力を得るカギとなった「悪魔の書」を原作通り人間がかぶることができるサイズで再現。 オリジナルモールドは 渡辺一志、 SOVAT THEATER が 製作 。 メディコム・トイは以前1/4 サイズで商品化したことがあるが、今回は H935㎜ × W873㎜ × D620㎜のサイズで立体化したもの。悪魔に精神をのっとられないようにそっと口の中を覗くと、内部にライセンシーのプレートタグが見えた。
次回の『AKASHIC RECORDS』は今秋開催予定。赤司竜彦代表率いるメディコム・トイの次なる一手を今から楽しみに待ちたい。
問い合わせ先

メディコム・トイ ユーザーサポート
Tel.03-3460-7555

                      
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