『AKASHIC RECORDS 2.5』IN アートフェア東京2022 レポート | MEDICOM TOY
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2022年4月22日

『AKASHIC RECORDS 2.5』IN アートフェア東京2022 レポート | MEDICOM TOY

『アートフェア東京2022』に初出展

2022年3月11日(金)~13日(日)、東京国際フォーラム ホールE /ロビーギャラリーにて開催された『アートフェア東京2022』。今年のテーマは「Art, art, ART」。多様化が進む世界を作家たちはどのように切り取り、どのように表現しているのか。国内外から150のギャラリー (企業出展・団体を除く)が参加した日本最大級のアートの見本市は3日間とも大盛況のうちに幕を閉じた。コロナ禍における開催ながら来場者数は延べ4万3390人を記録。国内アート市場の成熟を如実に示す結果となった。

Text by SHINNO Kunihiko|Edit by TOMIYAMA Eizaburo

新参者であると同時にパイオニアでもあるメディコム・トイ

メディコム・トイは2020年秋より代表取締役社長 赤司竜彦氏が世界中からセレクトしたアーティスト、ブランド、コンテンツの作品を展示・販売するポップアップイベント『AKASHIC RECORDS (アカシック レコーズ)』を年に一度のペースで開催。アート、トイ、ファッションの垣根を超えた文化の交流地点として大きな反響を呼んできた。
その『AKASHIC RECORDS』が今年は『アートフェア東京』に初出展。『AKASHIC RECORDS 2.5』と銘打ったブースに集ったアートピースの数々は、これまでトイ/フィギュア、ストリートカルチャーに触れてこなかったアートコレクターにも強烈なインパクトを与えたことだろう。同時に現代アートの文脈におけるメディコム・トイの立ち位置も、さらに明確になったのではないだろうか。
赤司竜彦氏は、トイとアートの世界線が近くなっている中、一部の人達からパイオニアと呼ばれる状況について「不思議な立ち位置にいるような気がしていた」と語る。
例えば、2006年にスタートしたグラフィックアーティストKAWSとの共同プロジェクト「OriginalFake」から生まれたプロダクトの数々は、現在のコンテンポラリーアートにおいて、ひとつの主流となっている。また、2018年にオフィシャルパートナーとして参加したアメリカ・カリフォルニア州アナハイムでのカルチャーイベント「DesignerCon」も、トイとアートの垣根を壊すきっかけだった。
「アートの領域においては新参者」として今回の『アートフェア東京』に初出展したメディコム・トイだが、同社が長年蒔いてきた種子が次々と芽吹いていくさまを体感してきた方なら、“ついに本腰を入れてアートのフィールドに進出していくのかな”と感じたのではないだろうか。
これについて赤司氏は「メディコム・トイ全体がコンテンポラリーに軸足を向けるわけではない」と明確に否定している。「メディコム・トイの主軸はあくまでトイ・カンパニーであり、コンテンポラリーアートとの接点として『AKASHIC RECORDS』とは領域を分けておこうかぐらいの感じでしょうか」とのことで、アーティストの意向を尊重したエッジの効いたアイテムは今後もプライベートレーベルである『AKASHIC RECORDS』で展開していく予定だそうだ。
昨年に引き続きアートフェア東京に登場したNAGNAGNAGは、現代のArt Toyの始祖とも言える暴力原人をさらにブラッシュアップした「6FT NAGNAGNAG 暴力原人」、作家自らの手により5体とも異なるペイントが施された「ゴジラ(2001)口開け」、異形の鋳造物として存在感を示した「NAGNAGNAG TWINS BRONZE STATUE」という異なる3つの切り口で今年もアート界に衝撃を与え続けている。
 
アン・ヴァレリー・デュポンは今回も自身の手によるワンオフ・アートピース「Anne Valérie Dupond ONE OF KIND BE@RBRICK 1000% (ONE OFF)(EDITION 6)」を展開。回を重ねるごとに表情を増してくるBE@RBRICKたち。ハンドメイドならではの希少性と偶然性ゆえ、手に入れられた方にとっては宝物のような輝きを放つ芸術品だ。
©︎ Anne Valérie Dupond
BE@RBRICK TM & ©︎ 2001-2022 MEDICOM TOY CORPORATION. All rights reserved.
「懐かしさと新しさの調和」をテーマに、レトロなアメコミテイストの作品で話題のイラストレーター、まつむらあさみ氏。おなじみのキャラクターMARIAを中心とした原画の新作3点を出展。
©︎ ASAMI MATSUMURA
東京藝術大学大学院にて先端芸術表現を専攻し、視覚や認識にかかわる光学的作品を手がけている井村一登氏。「自分が映らない鏡、自分が写らないポートレート。」 というコンセプトによる井村一登の「self teleportrait (2 Variation)」は、コンテンポラリーアート界から高い評価を得ている。
人気キャラクター「MORRIS」の生みの親にしてフィギュア作家、モンチッチブランド「SMAK!」ディレクターとして活躍するアーティスト、ひなたかほり氏。マンガ家のカメントツ氏によるコミカライズ作品『MORRIS~つのがはえた猫の冒険~』も好評を博する中、全高約600mmのワンオフ「KAORI HINATA ONE-OFF JAM MORRIS (ROSE) / (PISTACHIO) / (ASH) 」を発表。
©︎ KAORI HINATA
ネイティブ・アメリカンを祖先に持つカリフォルニア生まれのアーティスト、リーバイ・パタ氏。今回も力強いメッセージをこめたペインティング3点( I LIVE NOW / MY CAT / POETRY)を発表。
いまや『AKASHIC RECORDS』には欠かせない存在となった白河剣太狼とchamiからなるアーティストユニット「MAMES(マメズ)」。今回は新作ドローイングと「MAMES ARTRASH "RiBahhS" BUTTON (カスタム籠入) A / B / C 」を発表。唯一無二の世界観で注目を集めていた。
©︎ MAMES
 
特撮ファンには馴染深いヤマダ・マサミ氏。UMA(未確認動物)として知られるワイルドクリークビッグフットを全高約350mmサイズで立体化したヤマダ・マサミワークス1 ワイルドクリークビッグフット (EDITION 3/10)」を出展。今後のヤマダ・マサミワークスの展開に期待がかかる。
 
会場では赤司自らが世界中からセレクトしたアーティスト、ブランド、コンテンツの作品を一堂に展示し、全世界に向けてWEB上で抽選販売したことも話題に。また、来場者へのスニークプレビューとして、4月23日(土)に名古屋パルコ 西館1F(愛知県名古屋市中区栄3-29-1)にオープンするコンセプトストア「MEDICOM TOY PLUS NAGOYA」で発売されるオープン記念商品も展示された。
次回『AKASHIC RECORDS 3』は今秋開催予定。詳細は決定次第お伝えしていくので、ぜひとも楽しみにしていただきたい。
問い合わせ先

メディコム・トイ ユーザーサポート
Tel.03-3460-7555

                      
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