【インタビュー】ミュージカル「刀剣乱舞」出演の人気俳優であり、現代アーティストの丘山晴己デザイン「POPCORN BE@R」ついに世界デビュー |  | MEDICOM TOY
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2023年11月28日

【インタビュー】ミュージカル「刀剣乱舞」出演の人気俳優であり、現代アーティストの丘山晴己デザイン「POPCORN BE@R」ついに世界デビュー | | MEDICOM TOY

MEDICOM TOY|メディコム・トイ

「BE@RBRICK POPCORN BE@R 400%」発売記念インタビュー

アメリカと日本を拠点に活動する俳優であり、アート分野でも活躍する総合芸術家の丘山晴己氏。ジャンルにとらわれない表現活動の理由や背景、アートに対する思い、さらにはメディコム・トイとのコラボレーション作品「BE@RBRICK POPCORN BE@R 400%」について話を聞きました。

Text by SHINNO Kunihiko|Edit by TOMIYAMA Eizaburo

丘山晴己の創作活動の原点とテディベアアート そしてBE@RBRICKに込めた思い

日本舞踊からヒップホップ、バレエやラテン、さまざまなジャンルのダンスをこなし、2018年のミュージカル『刀剣乱舞-結びの響、始まりの音-』では「巴形薙刀」役を演じ、同年NHK「第69回紅白歌合戦」にも出演。アメリカと日本を拠点に活動する俳優・丘山晴己。多才な彼は、油絵、デジタルアートの分野でも活躍し、2022年9月には代官山「DRELLA Art Gallery」にてテディベアをモチーフにした作品を集めた初個展を開催。大きな反響を呼んだ。
今回、テディベアアートを手がける丘山氏とメディコム・トイのBE@RBRICKとのコラボレーションが実現。「POPCORN BE@R」と名付けられたBE@RBRICKは、熱々のバターがかかった美味しそうなポップコーンを見事に再構築したモデルに仕上がった。世界中のBE@RBRICKコレクターも注目する本アイテムの発売を記念して、丘山氏に創作活動の原点や作品に込めた思いについてうかがった。
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丘山晴己(キヤマ ハルキ)
1985年1月10日 東京都出身。DRELLA 所属。日本舞踊家の父・花柳伊三郎とバレリーナの母・小山加代呼との間に生まれ、両親ともに舞台表現者である芸術に親しむ家庭環境より、幼少期から日本舞踊・バレエ・油絵などの英才教育を受ける。14歳でアメリカに単身留学、ウェストタウンスクールにて高校卒業。グラフィックデザインでフィラデルフィア芸術大学に入学、パフォーミングアーツで美術学士(BFA)を取得し卒業。全世界で人気のイリュージョン「The Illusionist」では初の日本人出演者としてブロードウェイデビュー。現在は、油絵、デジタルアートの創作発表によるアーティスト活動、刀剣乱舞を始めとする人気ミュージカルの舞台俳優など、総合芸術家として幅広く活躍中。2022年9月に代官山「DRELLA Art Gallery」で開催された初個展では、テディベアの油絵、デジタルアートなど初公開の作品を多数発表、全作品が完売となった。
丘山晴己 公式 Instagram
DRELLA 公式 Instagram
DRELLA Art Gallery https://www.drella.art
DRELLA Artists Agency https://www.drella.agency/
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作品の根底にある「心を解放し、自由に生きよう」というメッセージ

──舞台俳優のみならず、ご自身のアパレルブランド「ASCENDED」デザイナーなど、総合芸術家として幅広く活躍されている丘山さんですが、まずはその創作活動の原点について教えてください。
丘山 両親ともに舞台表現者の家庭環境だったこともあり、幼い頃からとにかく表現することが好きでした。自分の思いや考えを絵画や身体表現を通してアウトプットしていくことが喜びで、やがて、それを喜んでもらえることが、自分にとっての生き甲斐だと感じるようになりました。子どもの頃は、ゴッホやダリの世界観が好きで模写していました。モネの色彩感覚にも惹かれていました。現代アートでは、草間彌生さんのデザイン性に影響を受けました。そして、もっとアートについて学びたいと考え、フィラデルフィア芸大にグラフィックデザインで入学し、そこで、バレエ、ダンス、歌芝居なども学び、BachelorofFineArts(学士)を取得しました。
卒業後は、アメリカでブロードウェイ作品などに出演しながら、グラフィックの仕事を並行して行いました。帰国後、ミュージカルや舞台、映像に出演しながら、自分のテディベアブランドを立ち上げました。
──テディベアアートを始めたきっかけはなんだったのでしょうか?
丘山 僕が青春時代を過ごしたアメリカでは、テディベアは小さい子から大人まで誰にでも愛されている存在でした。海外での単身留学生活の中、いつも、僕に元気や勇気を与えてくれた、背中を押してくれて笑顔にしてくれたテディベアが、デザインする上で自然と主役になっていました。
僕の作品の根底には、「心を解放し、自由に生きよう」というメッセージがあります。子どもの心は、真っすぐで自由で、想像する力と創造する力を持っています。そして、全ての大人は昔、子どもでした。僕の作品が、見ていただける方の内側に在る「子ども心」と共鳴してくれて、忘れていた大切な何かを思い出していただけるような存在になれれば嬉しいです。
──作品制作に用いている画材、デジタルツールについて教えてください。
丘山 作品制作は、油絵、アクリル、エアーブラシが中心で、デジタルツールはプロクリエイトを使用しています。
──昨年、東京・代官山の「DRELLA Art Gallery」で開催された初個展「KIYAMA HARUKI Solo Exhibition - HELLO my name is」(2022年9月23日~10月2日)、今年開催された「505 I Found」(2023年9月29日~10月9日)ではそれぞれどのようなコンセプトのもとに作品を制作していったのでしょうか?
丘山 初個展「HELLO my name is」は、アーティスト・丘山晴己としては「はじめまして」だったので、アメリカで入社式やパーティでつけるネームステッカーを胸に貼ったテディベア「DDY」がメインビジュアルでした。舞台ではステージと客席に物理的な距離があるので、ギャラリーで一人一人のお客様と直接、目を見て作品についてお話できるのが幸せでした。来場された皆さまにも喜んでいただき、ここに来ると自然と笑顔になるし癒されるのでスパに来たみたいと嬉しいお言葉をいただき、会期中、何度も足を運んでくださる方もいました。
「505 I Found」は、初個展から一年振りでした。前回の個展が終わり、アーティストとしての成長に向き合い、自分自身の可能性を見つけていく作業を続けてきたので、今回は「見つける」がテーマでした。404 not foundは、WEBページが見つからない時に表示されるエラーメッセージですが、混沌とした世界におけるエラーの向こうにある光を見つけたいという思いから、言葉遊びと縁起の良いエンジェルナンバーも合わせて、505 I foundと名づけました。
個展「505 I Found」にて
作品はほぼ手描きとなり、水を用いずに岩や砂などで山や水を表現する日本の伝統的な庭園様式「枯山水」にインスパイアされた抽象画が新たに見つけたスタイルとして加わりました。自分自身の内面を、より曝け出すことができるようになり、アートコレクターのお客様も増えてきました。来場された皆さまには、今度は、ここに来ると心が整うので神社に来たみたいといってもらえました(笑)

本当のポップコーンのように、直感に訴えかけてくるような魅力、存在感を出したい

──これまでBE@RBRICKについてはどのような印象がありましたか? お気に入りのモデルも教えてください。
丘山 ニューヨークに住んでいる頃、お洒落なお店に飾られたBE@RBRICKをよく見かけていました。BE@RBRICKは、人をハッピーにさせる天才だと思います。コラボレーションさせていただくことは、僕にとって長年の夢でした。お気に入りのモデルは絵画コレクションです。ゴッホの作品を集めたいと思っています。ロンドン大英博物館とのプロジェクト「ロゼッタ・ストーン」も大好きです。
──今回、思い入れの深いBE@RBRICKとのコラボレーションはどういうきっかけで実現したのでしょうか?
丘山 僕の所属する現代アートギャラリーの「DRELLA」という名前は、ドラキュラとシンデレラという両極端の陰陽の存在を組み合わせた造語で、アンディ・ウォーホルの仲間内でのジョークのようなニックネームでもあったのですが、今回の始まりはDRELLAで「陰陽をテーマにしたBE@RBRICK、DRELLAコレクションを作ってみたい」という話を聞いたことがきっかけでした。そして、デザインを描き込むための紙をいただいたのですが、まだ何も決まっている訳でもないのに嬉しくてテンション上がり、一瞬でデザインが降りてきて、その日の内に送り返しました。
そして、不思議なことに、メディコム・トイの赤司社長からは、その最初の提出でデザインのOKとやりましょうという言葉をいただきました。その後は、半年以上かけてミーティングを重ねて、実物を見るまで、ずーーーーっとドキドキさせられてました(笑)
──「POPCORN BE@R」はポップコーンをモチーフにしたデザインです。どのような思いから生まれたものでしょうか?
丘山 まず、僕自身がポップコーンが大好きです。ポップコーンって、映画館、遊園地、コンサート、イベントなど、いつも、ハッピーな場所に存在します。そして、シンプルな製法ですが、その存在自体が変化の象徴とも言えます。暗闇の中、陰陽のエネルギーを内包した小さな種子は、外部から熱を加えられることにより、膨張し、爆発します。そのプロセスは、小さなビッグバンのようでもあり、種子と熱の関係性は、人と環境の関係性にも似ています。陰陽をテーマにした、DRELLAコレクションのモチーフに相応しいと感じました。
作品の制作過程では、心を解放し、自由に遊ばせてもらいました。テディベアが大好きなのでポップコーンがベアの顔に見える時があり、そこで、「Popcorn Prince」というベアの顔をしたポップコーンを描いた油絵作品が生まれました。その絵画を、BE@RBRICKに落とし込むイメージで、足の部分で箱を表現し、体内にベアの顔をしたポップコーンを詰め込み、仕上げには「バターを浴びるぐらいかけてみたい!」という、僕の中の自由奔放な子ども心をそのまま表現し、デザインに落とし込みました。
油絵作品「Popcorn Prince」を背景に撮影された「BE@RBRICK POPCORN BE@R 400%」
──制作時、丘山さんが特にこだわった点について教えてください。
丘山 映画館やコンサートでポップコーンを見たら、なぜか、自然と欲しくなるように、自分自身が店頭で目にしたら、自然と欲しいと思ってしまうようなBE@RBRICKにしたいと思いました。本当のポップコーンのように、直感に訴えかけてくるような魅力、存在感を出したいと思いました。溶けたバターの香りがしそうな色、体全体にバターを浴びて足にまで垂れている様子、体の中に詰め込まれたベアの顔したポップコーン。それらを具現化するために、赤司社長とメディコム・トイのスタッフの皆さまには、たくさんのサポートをいただきました。
──完成した「POPCORN BE@R」をご覧になった感想はいかがですか?
丘山 もう感無量です、泣きました! 僕が最初にデザインしたデッサンそのままを再現し、形にしていただきました。今回のプロジェクトに関わっていただいた全ての皆さまに心から感謝しています。
人の内には無限の可能性があり、その種子は様々な出会いにより変化し、やがて、花開きます。今回、僕もメディコム・トイの皆さまとの出会いにより、夢を一つ叶えることができました。「POPCORNBE@R」を目にする皆さまが、自分の内にある子ども心、無限の可能性を感じ、信じてくれたら嬉しく思います。
──「BE@RBRICK POPCORN BE@R 400%」は今年7月に開催された「MEDICOM TOY EXHIBITION 23'」や個展「505 I Found」で展示され、既に反響もたくさん届いていると思います。印象に残るものはございましたか?
丘山 「見てるだけで楽しくなる」「元気をもらえる」「側に置いておきたい」など、たくさんのポジティブな言葉をいただき、僕がアメリカ留学時代、テディベアから感じていたような思いを、今度は自分の作品に触れた方々に感じてもらえていることを知り、とても嬉しく思いました。
──今後またBE@RBRICKを作ることになれば、どんなものが作ってみたいですか?
丘山 偶然ではあったのですが、「POPCORN BE@R」のパンツの色が日本の国旗の配色だったので、世界各国の国旗の配色のパンツを履かせてあげたいなと思いました。あとはストロベリーバター、チョコレートバター、いろんなソースを存分に浴びさせてあげたいです(笑)。
──最後に、今後予定されている舞台や個展などの活動について教えてください。
丘山 新たな個展が2024年1月に開催予定です。会場など詳細が決まり次第、お伝えできると思います。舞台は、2023年12月28日(木)~31日(日)『シンる・ひまオリジナ・るミュージカ・る「ながされ・る君へ~足利尊氏太変記~」』(明治座)、 2024年1月19日(金)~1月29日(月)『HIGHCARDtheSTAGE–CRACKAHAND』 (シアター1010)、同じく2024年に『魔法使いの約束-エチュードシリーズ』上演、『魔法使いの約束 オーケストラ音楽祭』開催が決定しています。どうぞ楽しみにしていてください。
BE@RBRICK POPCORN BE@R 400%
Designed by 丘山晴己
サイズ|全高約280mm
発売日|12月17日DRELLA Art Galleryにて先行販売、MEDICOM TOY PLUSにて12月23日発売予定(詳細はブログにてご確認下さい)
価格|2万2000円(税込)
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Tel.03-3460-7555

                      
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