画家・金子國義の“猫が好き”がBE@RBRICKになって登場 | MEDICOM TOY
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2023年9月24日

画家・金子國義の“猫が好き”がBE@RBRICKになって登場 | MEDICOM TOY

MEDICOM TOY|メディコム・トイ

「BE@RBRICK 金子國義 “猫が好き” 100% & 400%」発売記念。STUDIO KANEKO 代表 金子修さんインタビュー

2015年に他界した画家の金子國義による「猫が好き」がBE@RBRICKになって登場!その経緯や生前の画伯について、STUDIO KANEKOの金子修代表に聞きました。

Text by SHINNO Kunihiko|Edit by TOMIYAMA Eizaburo

絵を立体化するという考えではなく、BE@RBRICK化するという意識です

「不思議の国のアリス」「花咲く乙女たち」シリーズを筆頭に、大胆な構図と魅惑的な表情、唯一無二の個性で知られる画家・金子國義。2015年に逝去後も遺された作品の数々はますます輝きを増し、人々を魅了し続けている。
生前、金子画伯は猫を愛し、自宅では猫たちが代わる代わる絵のモデルを務めていたという。その中の一作「猫が好き」が、BE@RBRICKの初コラボレーション。発売決定を記念して、画伯の作品管理の他、展覧会、イベント、出版など運営されているSTUDIO KANEKOの金子修代表にお話を伺った。
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金子國義 Kuniyoshi Kaneko
1936年7月23日埼玉県生まれ。日大芸術学部在学中に舞台美術家の長坂元弘氏に師事。
1964年より独学で油絵を描き始め、翌年、澁澤龍彦と出会い「O嬢の物語」の装幀と挿絵を担当。
1967年、個展「花咲く乙女たち」(青木画廊)で画壇にデビュー。
澁澤、三島由紀夫、唐十郎、四谷シモンといった日本の前衛芸術を開拓した時代の寵児らとともに独自の美学を形成し成熟させた。
著書に絵本「不思議の国のアリス」、画集「金子國義の世界」など。
絵画のみならず、着物デザイン、写真など多岐にわたる活動は晩年も衰えることなく、十八代目中村勘三郎襲名に続き、六代目中村勘九郎襲名披露の口上の美術を手がけた。
2015年3月16日虚血性心不全により自宅寝室にて逝去。
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15匹の猫と暮らしていた時期がありました

──金子修さんは金子國義画伯とは血縁関係になく、アシスタントを経て、養子縁組をして「金子修」となられたそうですね。マネジメント業の傍ら展覧会の運営、装丁や浴衣などのデザインの一端を担い、画伯逝去後は作品管理の他、展覧会、イベント、出版など運営されています。
金子修 1994年にアシスタントとして入ったのですが、掃除、洗濯、料理など身の回りのことや絵のポーズ、絵を描く以外のこと全てを担当していました。
2002年に養子縁組をするのですが、役所などでの事務手続きが簡単になるぐらいで、仕事に変わりなく、2015年に亡くなるまでは同じ内容の仕事でした。
──画伯は生前とても猫が好きだったとうかがっております。印象に残っているエピソードがあれば教えてください。
金子修 2匹が同時に出産したことがあって、15匹と暮らしていた時期がありました。
台所のドアに出入り口を作っていて、庭でトイレをしていたのですが、その出入り口から他所の猫も遊びに来るようになり、猫まみれのリビングを面白がっていました。
掃除機かけが僕の1日の始まりでした。
──画伯は「猫が好き」というタイトルの作品を数多く残しています。一連の作品はどういった意図で描かれたものなのでしょうか。
金子修 一緒に暮らしている猫は絵のモデルだと言って、その姿を作品として残そうとしていました。描いているときに大人しくしている猫はおらず、ぬいぐるみを抱いて手のポーズを決めて、後から猫を描いています。
──今回のBE@RBRICKのモチーフとなった作品について教えてください。
金子修 実際に飼っていた真っ白な猫リリーをモデルにしています。 谷崎潤一郎の小説「猫と庄造と二人のおんな」に登場する猫から名前をとりました。
2004年にサムホール(227×158mm)サイズに描いています。
──メディコム・トイとはBE@RBRICK化について、どのような話し合いをされましたか。作品選定やデザインへのリクエストなど、修様が特にこだわられた部分などございましたら、そちらも教えてください。
金子修 いくつかの作品から今回の「猫が好き」を選んでいただきました。
平面を立体に落とし込むのに目、鼻、口の大きさと位置決めが難しく、プリントアウトしたフォーマットに1%単位で拡大したパーツ類をピンセットで摘んで置く作業をしましたが、行き詰まりました。
そんな時、百貨店での展覧会場を横切って行ったマダムが絵を見て「研ナオコ」と言い放った事を思い出し、研ナオコさんをイメージしたら上手く配置が決まりました。
──監修の際はどのようなところにこだわられましたか。また、出来上がったBE@RBRICKの感想についても教えてください。
金子修 絵を立体化するという考えではなく、BE@RBRICK化するという意識です。
出来上がりは、斜め上から見たり、ちょっと下から眺めたりと角度によって表情が変わり、可愛くって仕方ないです。
──今後もBE@RBRICKをはじめ、メディコム・トイと一緒にやってみたいことがございましたら教えてください。
金子修 「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」に登場する個性的なキャラクターにもチャレンジしたいと考えています。
──これまで画伯の作品を書籍やレコードジャケットなどで目にされた方は多いと思います。近年では画伯の大ファンでいらっしゃるHYDEさん(ロックバンドL'Arc-en-Cielのボーカルhydeのソロ名義)の依頼で、ソロ3作目のアルバム『FAITH』(06年)のジャケットを描き下ろされたことは大きな反響を集めました。
金子修 一周忌の追悼企画として「FAITH」のジグレーを販売したのですが、限定数の666枚にHYDEさんがサインを入れて下さったのが心に染みています。
最近では、スマホ向けゲーム「HYDE RUN」で金子國義デザイン蝙蝠柄の甚平が着せ替えアイテムとして登場しています(9月28日まで)。それに伴い蝙蝠柄の甚平を着た「HYDE RUN」キャラクターぬいぐるみが、楽天ブックスで販売されています。
──これからどのようなかたちで金子國義作品を後世の人々に広めていきたいですか。
金子修 柔軟な意識で様々なコラボレーションをしたいと思っています。
現在はスキンケアブランド「ALICE BELLE」と商品開発もおこなっています。
──修さんが考える金子國義作品の魅力について教えてください。
金子修 微笑ましい表現から性的な匂いのする作品まで、描き出す振り幅が大きくありますが、共通して言えるのは洗練されていることです。
──STUDIO KANEKO代表として膨大な作品の管理など大変なことも多いと思います。そうした中でもやりがいを感じることはどういうことでしょうか。
金子修 2019年に今の場所に引っ越したのですが、48トンの物量で、これから先もカビが発生しないように環境を整えるのを最優先にしています。
新作が生まれない中でも、展覧会へ足を運んでくださるお客様に喜びを感じています。
──これから画伯の作品に触れる方へ、おすすめの美術館を教えてください。
金子修 広島にある下瀬美術館は、まだ画家になる前の油彩から、近年の代表作まで様々な表現の油彩作品をコレクションされています。
BE@RBRICK 金子國義 “猫が好き” 100% & 400%
サイズ|各全高約70mm/280mm    
購入方法|2023年9月24日(日)0:00~10月10日(火)23:59の期間、MCT TOKYO(http://mct.tokyo)にて先行受注。メディコム・トイ直営各店舗及びオンラインストア各店、他一部店舗にて発売予定
発売日|2024年1月発売・発送予定
価格|1万6500円(税込)
©️ KUNIYOSHI KANEKO
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問い合わせ先

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Tel.03-3460-7555

                      
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