FLEXFORM|フレックスフォルムCEO ピエトロ・ガリンベルディ インタビュー
DESIGN / FEATURES
2015年5月7日

FLEXFORM|フレックスフォルムCEO ピエトロ・ガリンベルディ インタビュー

FLEXFORM|フレックスフォルム
アントニオ・チッテリオとの信頼関係から生み出された名作の数々

「FLEXFORM」CEO ピエトロ・ガリンベルディ インタビュー(1)

祖父は家具工場を経営し、父はミラノ スカラ座に収める調度品を製作する職人──幼少期からモノづくりが身近な環境にあったというピエトロ・ガリンベルディ(Pietro Galimberti)氏。1967年に自身の家具工房をスタートさせ、1970年には「FLEXFORM」を創業。
イタリアを代表するプロダクトデザイナーであり建築家のアントニオ・チッテリオ氏をデザイン監修に迎え、二人三脚で質の高いインテリアプロダクトを世に送り出してきた。今回来日したピエトロ氏に、「FLEXFORM」のこと、チッテリオのこと、そして東京について話をうかがう機会を得た。たしかな技術力とデザイン性に裏打ちされた自信が、淡々とした言葉のなかにも滲み出ている。

文=OPENERS写真=原恵美子

チッテリオが手がけるプロダクトは、発表する時期が必然と決まる

──まずはじめに、アントニア・チッテリオについておうかがいしたいと思います。チッテリオは学生時代から「FLEXFORM」に出入りしていたというエピソードがあります。彼を総合監修に迎えた経緯を教えていただけますか?

チッテリオが「FLEXFORM」にかかわりはじめたのは1974年にさかのぼります。彼は私より少し年下で、一緒に食事をしたり、頻繁に電話しあったり、家族ぐるみの付き合いをしています。こうした信頼関係がそのまま仕事にまで反映されている感じですね。彼が弊社に来ることがあれば、私がチッテリオの事務所に行くこともありますが、バケーションまでは一緒ではないですよ(笑)。

FLEXFORM|CEOインタビュー 02

FLEXFORM|CEOインタビュー 03

ソファ「GRANDEMARE」

──アントニオ・チッテリオといえば、プロダクトの開発をする以前に、発売時期までふくめた徹底的なリサーチをするとうかがったことがあります。今回のコレクションでも数々のリサーチがあったのでしょうか?

それはどうでしょう……。とにかくチッテリオはひとつのプロジェクトが長いですからね。じっくりと時間をつかいます。タイミングを見計らっているというよりは、発表する時期が必然と決まるといった方がいいのかもしれませんね。

──では、今年のミラノサローネでのお話を聞きたいと思います。「FLEXFORM」のブースはブラックを基調にした外観で、一歩中に入るとアースカラーのプロダクトが際立ち、またその対比によって素材感が明解になっていたと思います。さらには空間に広がりをもたせることで、来場者は実際につかうシーンを想像しやすかったのではないかと。サローネでコレクションを発表するにあたり、何か印象に残るエピソードがあれば教えていただけますか?

まずはブースの案ですが、チッテリオが私に相談して決め、実際のデザインはチッテリオ事務所が担当しました。実際にブースができあがったのを見て私は“大好き”だと思いましたね。チッテリオと私は互いに“好きだ”と思えるものしかつくりませんからね。そしてサローネでのエピソードですが……とくにはないですね(笑)。とはいえこの時期を一番重要視していることはたしかですよ。

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「FEELGOOD ARMCHAIR&OTTOMAN」

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FLEXFORM|フレックスフォルム
一生もののクオリティと、飽くことのないデザイン

「FLEXFORM」CEO ピエトロ・ガリンベルディ インタビュー(2)

東京のショールームの立地も雰囲気もとても満足しています

──コレクションで発表されたプロダクトについてお伺いします。今回「ブルガリホテル&リゾートミラノ」で採用されることになったチェア「Morgan」ですが、こちらはもともと2002年の発表作です。今回、あらたにリデザインされることになったきっかけは?

ちょうど「ブルガリホテル&リゾートミラノ」の家具が入れ替えの時期だったんですね。そのタイミングにあわせて復活させたのが「Morgan」です。また「ブルガリホテル」ですが、来年のオリンピック開催にあわせて、ロンドンにも完成予定です。こちらはホテル、ロビー、レストランなどにたくさん「FLEXFORM」の家具が導入されます。

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テーブル「TRIS TABLE」

──それは楽しみですね。話は変わりますが、東京の印象をお聞かせください。

東京にはもう何度来たのかわからないくらいです(笑)。いつ来ても秩序だっていてきれいな街だと思います。日本人は親切で教育が行き届いているのも実感しますし、日本の食べものはおいしい。いつも好印象ですよ。東京のショールームの立地も雰囲気もとても満足しています。

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「DIDA」&「MORGAN」

FLEXFORM|CEOインタビュー 10

「ABBRACCI」

──それでは最後の質問になりますが、「FLEXFORM」の家具は、ユーザーにとってどんな存在であってほしいですか?

この答えは非常に難しいですが、簡単でもあります。まず家のなかで浮き足立った家具であってほしくはない。それは信頼性につながります。ときにユーザーをビックリさせることも大事だと思いますが、「FLEXFORM」の家具はまず飽きることはないでしょう。あと私たちが気をつけていることといえば、「変な音を出さない」。身体が触れるたびにイヤな音が出たら、やはりストレスになりますから。細かいところにも注力します。「FLEXFORM」の家具はひとつ購入していただいたらたしかに一生ものです。一生大切にしていただけるクオリティとデザインを楽しんでください。

──ありがとうございました。

FLEXFORM|CEOインタビュー 11

フレックスフォルム東京
東京都港区南青山6-11-1
Tel. 03-6418-5590
営業時間│11:00~19:00
定休日│水曜日
http://flexform.jp/

           
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