Prologue│高橋理子さんへの一本の電話から
DESIGN / FEATURES
2015年5月25日

Prologue│高橋理子さんへの一本の電話から

Prologue 高橋理子さんへの一本の電話から

HIROCOLEDGEにとって、リビングアイテムへの本格的な参入は、今回の伊勢丹との取り組みとなる「ISETAN LIVING×HIROCOLEDGE」が初めて。
彼女の今までの創作活動で培ってきたノウハウと、伊勢丹新宿店リビングのこれまでの経験を融合させて、単一アイテムにとどまらない幅広いカテゴリーの開発を進めました。

写真=川本史織文=伊勢丹 リビング営業部 特選和洋食器 八田浩志

和のアイテムに限らないリビングのさまざまなアイテムをデザインしてほしい

HIROCOLEDGEの高橋理子さんとお仕事を一緒にさせていただくきっかけは、思い切って彼女のオフィスにかけた一本の電話からでした。
「ぜひ、伊勢丹リビングでなにか一緒にお仕事をさせてください」

年に二回ある、伊勢丹のキャンペーン、オンリー・アイ。
全フロアそれぞれが、伊勢丹オリジナル商品のご提案させていただくキャンペーンです。
伊勢丹新宿店リビングでも、2009年の春のオンリーアイをつくるべく、全バイヤーで商品企画会議を重ねていた去年のある日。リビングの幅広いアイテムを横串でどなたかデザイナーさんとコラボレーションできないだろうかと、みなで頭をひねらせていました。
雑誌や、資料を見ながら、「HIROCOLEDGEさんはどうだろう?」とバイヤーのひとりが言った瞬間、全バイヤーが迷いなく賛同。時間もあまりない状況で、受けてもらえるかどうか心配しながらも、勢いに後押しされて受話器を取りました。

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高橋理子さん

そしてすぐに駆けつけてくれた理子さん。はじめて会った印象は、穏やかで目のきれいな女性。話すしぐさや言葉から、彼女のアイデンティティ、ゆるぎないポリシーが伝わってきて、こちらも背筋がしゃんとしてしまう感覚が忘れられません。

理子さんにお願いしたことは、ひとつ。和のアイテムに限らないリビングのさまざまなアイテムをデザインしてほしいということ。
彼女のデザインには、丸と直線というシンプルなモチーフだけを使いながら、ときには北欧のモダンさ、ときには西洋のレースのような繊細さ、ときには、日本の伝統を感じさせる雅さといろんな世界観と新しい可能性を強く感じます。

彼女の着物のデザインをみても、和のテイストにこだわっているのではなく、いま彼女が表現したい世界観を具現するためのひとつのモチーフが「着物」だと思っていました。ですから、ぜひ、日本のアイテムにとどまらないリビングのさまざまなアイテムを理子さんの感性でデザインしてほしいと思ったのです。

ひとつひとつものと丁寧に向き合う姿勢

快く引き受けてくれたその日からのめまぐるしさは、正直尋常ではありませんでした。
それぞれの担当バイヤーがアイテムの選定からはじまり、メーカー、職人さんとの打ち合わせ、デザインの絞り込み、サンプル依頼。時間のないなかで作業をみなで進めながら、もうひとつ大事なことに気がつきました。それは理子さんが大切にしていること。その産地、工場に入り、ものができあがる工程を熟知し、そこでできること、技術を最大限に使い、あるときにはその先の可能性も提案しながら、無駄のないデザインを心がけることです。
この技術だからこのデザイン。
ひとつひとつものと丁寧に向き合う姿勢は、忙しさのなかでふとこの大切さを忘れがちになってしまう私たちに喝を入れてくれているような気がしました。

理子さんの頑張りとガッツ、そしてご協力いただいたメーカー、職人さんのお陰で、本当に幅の広い品揃えでのHIROCOLEDGEの世界ができあがりました。アイテムは、漆のお重から食器、寝具、タオル、インテリア・キッチンファブリック、照明、ステーショナリー。
2009年3月4日(水)。伊勢丹新宿店本館5階=リビングにてお披露目です。

そして今日から、6週に渡って、新作のアイテムを掘り下げて担当バイヤーがご紹介したいと思います。ご協力いただいたメーカーさん、職人さんとのやりとり、実際にできあがる工程でのお話など。
ぜひ、お楽しみに!

特集│伊勢丹と高橋理子が取り組む、2009年春の「オンリー・アイ」は、毎週金曜日公開更新!

ISETAN LIVING×HIROCOLEGDE
           
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