PLAY MOUNTAIN|プレイマウンテン
PLAY MOUNTAIN|プレイマウンテン
人間の手仕事をいまに伝える、あたたかみのある家具
千駄ヶ谷にショップを構えるPLAY MOUNTAIN(プレイマウンテン)は、家具レーベルである「ランドスケーププロダクツ」が手がけるインテリアショップ。アダム・シルヴァーマンの器も扱う高感度なセレクトには定評がある。
文=加藤孝司写真=JAMANDFIX
「MAN-MADE OBJECT/ マン・メイド・オブジェクツ」の真髄
ひとの手がつくりだすものには、ひとにしか残すことのできないかすかな痕跡が残る。それはひとの手のぬくもりとも、それをつくりだした人間の仕事の確かさにもつながり、せわしないこの世の中で唯一の確かなものになる。
2000年、裏原宿にあるショップの一角にオープンしたインテリアショップ・プレイマウンテン。そこにはオリジナルの家具のほか、彼らのネットワークのなかから集められた日常使いの道具たち、そして名作とよばれる世界中から集められたマスターピースが並べられていた。
プレイマウンテンは、家具レーベルである「ランドスケーププロダクツ」のアイテムを見ることのできるショールームとしての機能ももっている。木の質感とディテールの美しいオリジナル家具は、日本の家屋にもすんなりと馴染む、この国の風土に適ったものだ。サイズや配色はオーダーが可能。そんな世界でただひとつの家具をオーダーできるのもこの店の特色のひとつだ。
2002年に現在の千駄ヶ谷にショップを移転。ひと回り広くなった店内にはランドスケーププロダクツのオリジナルの家具と、コンセプトがより明確に際立った世界中からのアイテムが集められた。質感のさえた真鍮製のオブジェや、北欧のマスターピース。つくり手の感性が感じられる機能的なうつわ。そして日本各地から集められた新しい民藝と呼びうる日用品の数々。ショップはいつもレイアウトに気が配られていて、インテリアコーディネイトの参考にもなる。
ものが生まれた土地柄や風土を大切にしながら、それを生み出す人間の手仕事に敬意を表すること。その活動のなかから生まれてきたものは、ものづくりにおいて人間の思考をつかさどる。人間の手仕事、いい換えれば「MAN-MADE OBJECT/ マン・メイド・オブジェクツ」と彼らがよぶところの、ひとの手が介在した飾らない美しさに満ちた普遍的なものだ。
かつて民藝の創始者・柳宗悦は無作為に生み出される日常の道具のなかに備わる健康的な美しさを「用の美」とよんだ。それは人知を越えた、だれも想像をしなかったような美を生み出すこともあるし、美そのものを生み出す人間の仕事ぶりに喜びを与える、ひととしてのなりわいを生み出すものになったりする。
2007年夏にはギャラリー&コミュニケーションスペースとして、ショップの2階に「プレイマウンテン・メゾネット」がオープン。オープニング展示となった彫刻家・古賀充の個展「STON/ man made stone objects」も話題に。長野のガラス工房「プレパ」と手がける、伝統的な吹きガラスの技法を生かしたオリジナルのグラスウェア「PPブロワー」の展開もはじまった。今年で設立10周年を迎えるランドスケーププロダクツ。その活動から目を離すことはできない。
PLAY MOUNTAIN プレイマウンテン
東京都渋谷区千駄ヶ谷3-52-5 原宿ニュースカイハイツアネックス105
Tel. 03-5775-6747
営業時間|12:00~20:00
定休日|無休
http://www.landscape-products.net/