英国車「アルヴィス」を日本に再導入|Alvis
CAR / NEWS
2019年3月19日

英国車「アルヴィス」を日本に再導入|Alvis

ALVIS|アルヴィス

総代理店も変わらず明治産業で

英国車「アルヴィス」を日本に再導入

明治産業株式会社(本社:東京都港区)は英国高級自動車メーカーのThe Alvis Car Company Limited(以下、アルヴィス)と日本での総代理店契約を結び、日本市場にアルヴィスを再導入する。

Text by HARA Akira

4.3リッターシリーズと3リッターシリーズを導入

英アルヴィスは、1919年に創業した高級自動車メーカーだ。1925年には初めて前輪駆動車を開発し、その量産車を販売開始。レースにも参戦しており、28年にはル・マン24時間レースで1,500ccモデルが1-2フィニッシュを果たしている。33年には世界初のオールシンクロメッシュ ギアボックスを設計。独立懸架式フロントサスペンションを英国車で初採用。36年には「4.3リッター ヴァンデン プラス」を発表し、『Auto Car』誌から「世界初のスーパーカー」の称号を受けている。

日本では、53年に発足した明治産業の関連会社である明治モータースがアルヴィスを販売していたが、63年に業務を終了。アルヴィス自体も67年には量産車製造を停止していた。

アルヴィス

Bertelli sports coupe

アルヴィス

Lancefield concealed hood

その後アルヴィスは2010年に英国車両・運転サービス庁に適合した過去モデルの開発に着手し、17年には「コンティニュエーション シリーズ」6モデルの限定生産を発表。明治産業創立85周年となる今年、同社が再び代理店契約を結んだことで、日本での再導入が決定したという経緯になる。

明治産業の竹内眞哉社長は「これまでの社史を見直していくうちに、過去アルヴィスを扱っていたことが判明し、もう一度アルヴィスを扱うべく英国に渡り、日本における総代理店契約を結びました。自動運転など自動車が高度化していくなかで、新しい自動車の楽しみ方を提供できると考えています」とコメント。またアルヴィスのアラン・ストート会長は「以前に取引のあった明治産業と再び仕事ができることは、古い友人に再開したようで、非常によろこばしく思います」と語っている。

総代理店も変わらず明治産業で

英国車「アルヴィス」を日本に再導入(2)

今後はレストア車両の販売も

日本に導入されるのは、「コンティニュエーション シリーズ」の4.3リッター シリーズ3モデルと3リッター シリーズ3モデル。前者は第2次世界大戦中の1940年に爆撃によって製造が中止された77台分のカーナンバーとシャシーナンバーをそのまま継承(=コンティニュエーション)し、搭載する直列6気筒エンジンも36年当時の設計に準じて再現される。だたし素材や燃料噴射装置、エンジンマネージメントなどが最新のものとなるため、出力は当時のものより増大しているという。

4.3リッターシリーズは、4,387ccの直列6気筒エンジンを搭載し、6段オールシンクロメッシュ トランスミッションと四輪独立懸架式サスペンション、4輪ディスクブレーキを装備。全長約4.6メートル、トレッド約1.46メートル、ホイールベース約3.26メートル。価格は「ヴァンデンプラス ツアラー」が41万ポンド(5,945万円)、「ベルトーリ スポーツ ツアラー」が46万ポンド(6,670万円)、「ランスフィールド コンシールド フード」が48万ポンド(6,960万円)となっている。

アルヴィス

Graber super cabrioret

アルヴィス

Park Ward drop head coupe

また2,933ccの直列6気筒エンジンを搭載する3リッターシリーズは、「グラバー スーパークーペ」が37万ポンド(5,365万円)、「グラバー スーパーカブリオレ」が39万ポンド(5,655万円)、「パークウォード ドロップヘッド クーペ」が28万ポンド(4,060万円)で販売される。

明治産業によると、メインテナンスは英国のファクトリーで過去モデルを含む全モデルに対する研修を受けたスタッフが所属する、同社のグループ企業Seiken e-Garageが担当。部品の供給体制も整っており、今後は英国でレストアされた車両の輸入販売も行う予定という。

           
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