Eクラス唯一の四輪駆動クリーンディーゼルモデル

先日のメルセデス・マイバッハの発表会でもチラ見せされたメルセデス・ベンツ「Eクラス オールテレイン」は、SUV譲りの高いアイポイントとロードクリアランス、ステーションワゴンの実用性を兼ね備えたクロスオーバーモデルで、「Eクラス」としては4番目のボディタイプとなる。

ボディサイズを全長4,950×全幅1,860×全高1,495mm、最低地上高140mmと、ステーションワゴンに比べて10mm短く、10mm広く、30mm高く、最低地上高を25mmアップすることで、高い地上高とアイポイント、乗降のしやすさというSUVらしさを持ちながら、一般的な駐車場に入るボディサイズに収めた点が特徴だ。

エクステリアは、同社のSUVモデルに共通する2本のフィンをあしらったラジエーターグリル、前後バンパー下部のシルバークロームアンダーライドガード、ブラックのホイールアーチカバー、専用19インチ10スポークアルミホイールなどでSUVらしさを強調。

インテリアは、「ブラック」「ナッツブラウン」「マキアートベージュ」の3色から選べる本革シートや、ブラッシュドアルミの専用トリムを採用して上質な室内空間を演出している。2つの12.3インチワイドディスプレーを1枚のガラスカバーで融合し、空中に浮かんでいるように見えるコックピットディスプレイは、ドライバーの視野に直接入るべきさまざまな情報を表示することができるほか、ステアリングにはタッチコントロール機能を装備。ボタンを縦、横方向にスワイプすることで、ドライバーはアクセルとブレーキ以外のほとんどの操作を、ステアリングから手を離すことなく正確に行うことができるという。

クリーンディーゼルエンジンにトルク改変型4WDの組合せ

導入されるEクラス オールテレインは、「メルセデス・ベンツ E 220 d 4MATIC オールテレイン」のみのモノグレード構成。

エンジンは、2.0リッター直列4気筒BlueTECターボディーゼルを採用し、最高出力143kW（195ps）、最大トルク400Nmを発生。排出ガス浄化システムを、粒子状物質除去フィルター（DPF）とSCR触媒コンバーターを統合したsDPFを直接エンジン本体に取り付けた方式に改良したほか、シリンダー壁面の表面コーティングにNANOSLIDEを導入してピストンとの摩擦を低減し、高出力、高効率を実現。将来導入されるRDE（実路走行試験）規制にも対応するクリーンディーゼルエンジンとなっている。

サスペンションは、車速や走行条件に応じてダンピング特性や車高を自動調整する電子制御式エアサスペンション「AIR BODY CONTROL」で、スイッチ操作で0-35mmまで3段階の車高を選択することができる。

また、エンジンやトランスミッションの特性を切り替える「ダイナミックセレクト」に、新たに「オールテレインモード」を追加。トランスミッションがオフロードモードになり、35km/h以下で車高が20mm高くなり、雪道や悪路での走破性がアップする。

トランスミッションは9段オートマチックの「9Gトロニック」、四輪駆動システムは可変トルク配分型の全天候フルタイム4WD「4MATIC」で、これらを統合することで、オールラウンドな走行性能を備えたクルマに仕上がった。

コネクティビティ面では、メルセデス・ベンツの先進テレマティクサービス「メルセデス ミー コネクト」を標準で搭載。また、高速道路や渋滞時など、状況を判断してアクセル、ブレーキ、ステアリングを自動でアシストする運転支援システム「レーダー セーフティ パッケージ」を始めとする「インテリジェント ドライブ」を標準装備することで、全方位の安全性を高い次元で実現したという。価格は861万円。