米国では84万5,000ドルから

ポルシェが2013年の販売開始を予定する918スパイダーは、プラグインハイブリッドを採用した、あたらしいスーパースポーツだ。搭載するエンジンは詳細こそあきらかにされてはいないものの、RSスパイダーに搭載されたエンジンをベースとする高回転型の4リッターオーバーのV8ユニットで、リアミッドシップにマウント。500hp（＝373kW／507ps）以上を得る。組み合わされるトランスミッションは、7段PDKで後輪に動力を伝達する。

モーターは前後のアクスルに１機ずつ搭載され、合計218hp（＝163kW／221ps）を発揮。

"Porsche 918 Spyder Concept"

バッテリーは液冷式リチウムイオンバッテリーで家庭用の電源でも充電が可能だ。充電時間にかんしては、それぞれの国や地域の事情によってことなるが、米国の110V／10A電源では7時間でフル充電が可能だが、オプションの急速充電ユニットを使えば、より短縮できるとしている。

動力性能は、0-60マイル加速が3.1秒、最高速度は320km/h。ニュルブルクリンク・オールドコースでの走破タイムは7分30秒以下というから、カレラGTよりさらに2秒以上短縮したことになる。

CO2排出量70g/km！

しかし、こういった高い動力性能はポルシェのフラッグシップとしては当然のことだろう。むしろ、注目すべきは環境性能だ。欧州NEDC複合サイクルモードによる燃費は3ℓ/100km（33.3km/ℓ）、CO2排出量は70g/km とスーパースポーツカーとしてはもちろん、乗用車として驚異的な数値を達成している。ゼロエミッション走行も可能で、航続距離は25.7km、最高速度は151km/hとなるから、ごく近距離での移動なら、エンジンを使う必要がないかもしれない。

デザインは、2010年のショーモデルを忠実に再現しているが、この2シーターのプロダクションモデルがショーモデルとことなるのは、手動で取りはずし可能なルーフをフロントのラゲッジルームに格納できる点だ。生産は、シュトゥットガルトのツェッフェンハウゼン工場で2013年9月18日から開始される。注目の価格は84万5,000ドル（約6,850万円）からである。

限定モデルの購入特典つき

Porsche 911 Turbo S Edition 918 Spyder

Porsche 911 Turbo S Edition 918 Spyder

なお、この918スパイダーを予約した顧客にのみ、911ターボS エディション918スパイダーの購入特典があたえられる。この限定モデルもおなじく918台の生産で、内外装の一部にカーボンファイバーを使用し、918スパイダーに使われる外装色や特徴的なライムグリーンの刺繍、ロゴ、ブレーキキャリパー塗装などがあたえられ、グローブボックスにはそれぞれの顧客が購入した918スパイダーとおなじナンバーが刻印される。クーペボディとカブリオレの2種類が用意され、米国での価格はそれぞれ16万700ドル（約1,302万円）と17万2,100ドル（約1,394万円）。デリバリーは、今年後半となる予定だ。