ジャガー初のコンパクトSUV「E-Pace」試乗|Jaguar
CAR / IMPRESSION
2018年2月7日

ジャガー初のコンパクトSUV「E-Pace」試乗|Jaguar

Jaguar E-Pace|ジャガー Eペイス

ジャガー初のコンパクトSUV「E-Pace」試乗

2017年秋、ジャガーが発表したコンパクトSUV「E-Pace」は、同ブランドのSUV「F-Pace」と共通のデザイン言語をもちながら、強くスラントしたリアエンドなどクーペのようなスポーティなスタイルを特徴とするニューモデルだ。日本への導入も予定されているが、その正式発表を前にイタリアはコルシカ島で小川フミオ氏が試乗した。

Text by OGAWA Fumio

躍動的なスタイルが目を惹くブランニューモデル

コンパクトサイズのSUV、ジャガー「E-PACE」の試乗会が2017年1月にコルシカ島で開かれた。このクルマの特徴は全長4.4メートルというボディながら作りも走りも質感が高いところにある。

ジャガーに期待されるスタイリングやファントゥドライブを備えつつ、「新しいファンの獲得を目的としている」とジャガー カーズが謳うのがE-PACEだ。

大型のグリルに変型ヘッドランプを備えたフロントマスクは「F-PACE」と近いものを感じる。リアフェンダーは存在感を強調されたうえ、リアコンビネーションランプには(控えめだけれど)半円形のモチーフが採用されている。

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Jaguar E-Pace S D240

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一言でいうと、一目でジャガーと分かるが、今までにないほど若々しい。躍動的なスタイルが目を惹くモデルなのだ。

おおざっぱだが成り立ちを説明すると、「レンジローバー イヴォーク」とシャシーの多くの部分を共用。エンジンは2リッター4気筒で、ガソリンとディーゼル。駆動方式は前輪駆動とフルタイム4輪駆動である。

日本に入ってくるモデルは早くも設定されている(正式なお目見えは2018年2月後半)。ガソリンエンジンは250psと300ps。ディーゼルエンジンは180psとなる。変速機は9段オートマチックで、すべてのモデルがAWD(4WD)となる。

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日本仕様は加えて、大きく「E-PACE」と「R-DYNAMIC」に分かれる。足回りの設定などややキャラクターが異なる。ジャガーカーズ独自のマーケティングだ。

その下に装備の違いで標準モデルをはじめ「S」「SE」、そしてトップモデルとして「HSE」というグレードが展開される。運転支援システムや快適装備、さらにタイヤサイズなどが異なる。

順列組み合わせではかなりの数にのぼる。選ぶ楽しみがあるという意味ではユーザーには嬉しいだろう。

Jaguar E-Pace|ジャガー Eペイス

ジャガー初のコンパクトSUV「E-Pace」試乗 (2)

スポーティなハンドリング

パリからチャーター便で向かったコルシカ島の北端、ポルトベッキオ近くの試乗会場に用意されていたのは、300psのガソリン仕様「P300」と、240psのディーゼル仕様「D240」だった。

コルシカ島は大部分が山で平野が一部にはあるけれど、ほとんど海に面した陸の縁だけ。その点は日本に似ているといえば似ている。選ばれたコースは山を縫っている屈曲路だ。

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Jaguar E-Pace R-Dynamic S P300

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E-PACEのライバルと目されているのは、メルセデスベンツなら「GLA」、BMWは「X1」。さらにデザインという面からはアウディ「Q2」やボルボがまもなく日本発売する「XC40」も。

コンパクトなサイズのSUVは、都市部での使い勝手もよく、日本でも成長著しいマーケットだ。つまりE-PACEには熾烈な競争が待ち受けている。

そこにあって、今回乗った2つのモデルは、かなり傑出した出来だと感じさせてくれた。ひとつにはパワフルであること。もうひとつはハンドリングのスポーティさだ。

P300の1,995cc「インジェニアム」ユニットは、221kW(300ps)の最高出力と400Nmの最大トルクを発生する。

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最大トルクは1,500rpmから発生しはじめるので出足の瞬発力に優れるが、その後エンジンがスムーズに上の回転域まで吹け上がり、リニアにパワーが湧き上がる感覚は素晴らしい。

試乗車は20インチリム径のホイールを装着。ステアリングホイールを切り込んだときの反応は期待以上に鋭く、しかしそれでいて過敏ではない。

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オフロード性能もセリングポイントのピュアスポーツでないわけだが、オンロードでの楽しさをうまくバランスさせていると感じられた。

乗り心地も予想以上によいという印象だった。最初からSUV用に設計されたシャシーのせいもあるだろうか。サスペンションシステムのアームも余裕をもって動く感じである。

ディーゼルのD240は177kw(240ps)と500Nm。ディーゼルとは思えないスムーズな回転マナーをもつエンジンだ。1,500rpmから2,000rpmの少し手前が常用域。軽くアクセルペダルを踏んでいるだけで十分だ。

Jaguar E-Pace|ジャガー Eペイス

ジャガー初のコンパクトSUV「E-Pace」試乗 (3)

美、ファン トゥ ドライブ、そしてコネクティビティ

E-PACEで感心するのは質感だ。室内騒音についてもうまくコントロールされている。D240はディーゼル音はみごとにカットされていて、どんなエンジンのクルマに乗っているか、ぱっと分からないほどだ。

日本でもディーゼルエンジン車が増えているけれど、このあたりのクオリティはE-PACEにはるか及ばないと感じられた。

個人的にはどちらが好きかと聞かれたら、コルシカ島のように信号のない道を走るなら回す楽しみがより強いガソリンエンジン車を選ぶ。日本では多少事情が変わるかもしれない。

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Jaguar E-Pace S D240

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Jaguar E-Pace R-Dynamic S P300

D250に対してパワーが132kW(180ps)、最大トルクが430Nmとやや控えめになるD180に乗る機会はなかった。同エンジンの「レンジローバー ヴェラール」で試したかぎり、十分以上に力強いので、おそらく失望することはないだろう。

E-PACEの特徴として、美とファン トゥ ドライブに加えて、メーカーでは「コネクテッド」というキーワードを挙げている。要するに外部との通信機能をはじめとするインフォテインメントシステムのことだ。

「インコントロール」と名づけられたシステムは、スマートデバイスを通じて外部からエアコン操作やクルマの状態チェックが可能。USBポートも数多く設けられている。

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標準モデル(D180のE-PACE)で価格は451万円から。実際に多くの人が選択するであろう「S」で519万円(P250 Sだと543万円、P300 Sだと605万円)となる。

メルセデス・ベンツ「GLA220 4MATIC」では458万円。BMW「X1 18d」で470万円、同「20i」で495万円。アウディ「Q2」は1.4で405万円といった具体だ。E-PACEはBMWならX1と「X3」(639万円~)のあいだに入る。考え抜かれたプライスだ。

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Jaguar E-Pace S D240|ジャガー Eペイス S D240
ボディサイズ|全長 4,395 × 全幅 1,984 × 全高 1,649 mm(全幅はミラー折り畳み)
ホイールベース|2,681 mm
重量(EU値)|1,926 kg
エンジン|1,999cc 直列4気筒ターボ ディーゼル
最高出力| 240 ps /4,000 rpm
最大トルク|500 Nm /1,500 rpm
0-100km/h加速|7.4 秒
最高速度|224 km/h
トランスミッション|9段AT
駆動方式|4WD
サスペンション前/後|マクファーソンストラット / マルチリンク
タイヤ|245/45R20
燃費(EU)|6.2 ℓ/100km(およそ16.1 km/ℓ)
CO2排出量|162 g/km
トランク容量|577 リッター

Jaguar E-Pace R-Dynamic S P300|ジャガー Eペイス Rダイナミック S P300
ボディサイズ|全長 4,395 × 全幅 1,984 × 全高 1,649 mm(全幅はミラー折り畳み)
ホイールベース|2,681 mm
重量(EU値)|1,894 kg
エンジン|1,998 cc 直列4気筒ターボ ガソリン
最高出力| 300 ps /5,500 rpm
最大トルク|400 Nm /1,500 - 4,500 rpm
0-100km/h加速|6.4 秒
最高速度|243 km/h
トランスミッション|9段AT
駆動方式|4WD
サスペンション前/後|マクファーソンストラット / マルチリンク
タイヤ|245/45R20
燃費(EU)|8.0 ℓ/100km(およそ12.5 km/ℓ)
CO2排出量|181 g/km
トランク容量|577 リッター

           
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