MINI Beachcomber Concept|21世紀のMiniモーク
MINI Beachcomber Concept|MINI ビーチコマー コンセプト
21世紀のMiniモーク
BMWグループのMINIが、コンセプトカー「MINI ビーチコマー コンセプト」を発表した。
文=ジラフ
2010年のデトロイトショーでお披露目
このモデルは、2008年のパリモーターショーで発表された『MINIクロスオーバーコンセプト』をさらに市販化バージョンに近いかたちにしたもので、2010年1月11日に開幕されるデトロイトモーターショーにおいて、お披露目されるという。
このモデルのテーマは、「21世紀のMiniモーク」。
Miniモークとは1964年に発表されたMiniをベースとした、アウトドアテイストたっぷりのモデル。なんとルーフやサイドウインドウはなく、一切の装飾を取り外したシンプルな設計は、アメリカやオーストラリアを中心に人気となったクルマだ。
市販バージョンは今年秋に正式デビュー
そのコンセプトを現代的に解釈したのが、この「MINI ビーチコマー コンセプト」だという。当然のことながら、サイドドアやルーフは装備されていないが、雨が降れば、幌や簡易ドアを取り付けることは可能。レジャービークルとして割り切れば、こんなに楽しいクルマはないだろう。しかし、安全面にも力は入れられ、強固なフレームやピラーなどによって高い安全性はキープされている。
また車内は、独立4シーターのレイアウト。シートには防水加工がほどこされるというから、まさにレジャービークルとして特化したモデルに仕上げた遊び心はさすがMINIといったところだろう。
このニューモデルの市販バージョンは、2010年秋に正式デビューの予定。全長は約4メートルで、駆動方式は4WD。気になる正式名称は「モーク」ではなく「MINIクロスマン」が有力と噂されている。
BRAND HISTORY
“キドニーグリル”と丸目四灯ヘッドライトにより、ひと目でそれとわかるフロンマスクが特徴のBMW。日本の輸入車市場においても常に高い人気を誇っているが、その名前が何を意味するのか、即座に答えられるひとは意外に少ないのではないだろうか。
Bayerische Motoren Werke(バイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ)。直訳すれば「バイエルン地方のエンジン工場」という意味だ。前身だったラップ社は、カール・フリードリッヒ・ラップが1913年にドイツのバイエルンに設立した航空機用エンジンのメーカーで、おなじバイエルンの機体メーカーのオットー社と組んで、ビジネスを成功に導く。1916年にはバイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ有限会社と改称。2年後には株式会社に組織変更するとともに、バイエルンの青い空と白い雲をイメージしたプロペラのロゴマークを登録している。
その後も革新的な技術により存在感を高めたBMWだったが、第一次世界大戦の敗戦により、航空機エンジンの製造中止を余儀なくされた。そこでBWMは、もてる技術をモーターサイクルに注ぎ、1923年にはシャフトドライブの「BMW R32」を発表して注目を浴びることに。しかし、それだけでは飽きたらず、オースチンセブンをライセンス生産するディクシー社を買収。これにより自動車ビジネスの足がかりをつかみ、1929年には「BMW3/15 PS」を発売、自動車メーカーとしての歴史をスタートさせている。
ちなみに、BMWと深い関係にあったオットー社は、ガソリンエンジンの理論を確立したニコラウス・アウグスト・オットーの実の息子であるグスタフ・オットーが創立した会社。BMWが内燃機関にこだわるのは、このあたりに理由がありそうだ。