BMW 5 Series GT|まったく新しいカテゴリーのGT
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2015年4月9日

BMW 5 Series GT|まったく新しいカテゴリーのGT

BMW 5 Series GT|BMW 5シリーズ GT

まったく新しいカテゴリーのGT

ビー・エム・ダブリューは、新型モデル「BMW 5 シリーズ GT(グランツーリスモ)」の注文受付を全国のBMW正規ディーラーで開始した。

文=ジラフ

7シリーズに迫るサイズのボディ

新たなカテゴリーとして生み出さされた「5シリーズGT」の最大の特徴は、セダン、SUV、ステーションワゴン、それぞれの特徴的な機能を1台のモデルに凝縮させたこと。

クーペのようなルーフライン、「X6」を彷彿とさせるテールゲートの傾斜、全高はセダンとSUVの中間となり、なによりもその乗り心地は、飛行機のファーストクラスに匹敵する快適性を誇ると言われている。

ボディサイズは全長4,998mm、ホイルベース3,070mmと、現行の7シリーズに迫る大きさを実現。これにより前後に充分な空間を確保することに成功し、全幅1,901mm、全高1,559mmという数値は、ヘッドクリアランス、居住空間の横方向にも余裕をもたらしている。

インテリアも選び抜かれた素材を採用しながら、形状やデザイン、配色にもこだわることによって、ラグジュアリーな空間が創り上げられている。

ステーションワゴン的な要素としてラゲッジスペースの容量は570~1650リットルを確保。ハッチゲートは荷物の大きさにより、フルオープン、もしくは小型ゲートを開ける、同社初の2ピース構造のツイン・テールゲートが採用される。

エンジンはすべて直噴ユニット

エンジンはすべて直噴となる。まずガソリンについては「535i」の3.0リッター直6ツインターボ(最高出力306ps、最大トルク40.8kgm、0-100km/h加速6.3秒)、「550i」の4.4リッターV8ツインターボ(最高出力407ps、最大トルク61.2kgm、0-100km/h加速5.5秒)の2種を採用。

ちなみに日本には導入されないディーゼルの「530d」には3.0リッター直6ツインターボ(最高出力245ps、最大トルク55.1kgm、0-100km/h加速6.9秒)が搭載される。

もちろん、どのエンジンもユーロ5の排出ガス基準を満たし、トランスミッションは「760i」に導入された8速ATがすべての車種に用意されるという。

このほか装備には、トップビュー・リヤビューのカメラやアダプティブ・ヘッドライト、クルーズコントロール、地デジ対応TVチューナー付きHDDナビゲーションシステム、Bluetooth対応ハンズフリー・テレフォンシステム、ETC車載器システムなどの最新アイテムが数多く採用されている。

デリバリーは、2010年1月末頃からが予定されている。

BRAND HISTORY
“キドニーグリル”と丸目四灯ヘッドライトにより、ひと目でそれとわかるフロンマスクが特徴のBMW。日本の輸入車市場においても常に高い人気を誇っているが、その名前が何を意味するのか、即座に答えられるひとは意外に少ないのではないだろうか。

Bayerische Motoren Werke(バイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ)。直訳すれば「バイエルン地方のエンジン工場」という意味だ。前身だったラップ社は、カール・フリードリッヒ・ラップが1913年にドイツのバイエルンに設立した航空機用エンジンのメーカーで、おなじバイエルンの機体メーカーのオットー社と組んで、ビジネスを成功に導く。1916年にはバイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ有限会社と改称。2年後には株式会社に組織変更するとともに、バイエルンの青い空と白い雲をイメージしたプロペラのロゴマークを登録している。

その後も革新的な技術により存在感を高めたBMWだったが、第一次世界大戦の敗戦により、航空機エンジンの製造中止を余儀なくされた。そこでBWMは、もてる技術をモーターサイクルに注ぎ、1923年にはシャフトドライブの「BMW R32」を発表して注目を浴びることに。しかし、それだけでは飽きたらず、オースチンセブンをライセンス生産するディクシー社を買収。これにより自動車ビジネスの足がかりをつかみ、1929年には「BMW3/15 PS」を発売、自動車メーカーとしての歴史をスタートさせている。

ちなみに、BMWと深い関係にあったオットー社は、ガソリンエンジンの理論を確立したニコラウス・アウグスト・オットーの実の息子であるグスタフ・オットーが創立した会社。BMWが内燃機関にこだわるのは、このあたりに理由がありそうだ。

           
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