BMW X5 M & X6 M|SUVの「M」
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2015年4月17日

BMW X5 M & X6 M|SUVの「M」

BMW X5 M & X6 M|ビー・エム・ダブリュー X5 M & X6 M
SUVの「M」

BMWはX5とX6に「Mモデル」を設定することを発表した。SUVにMモデルが設定されるのは今回が初となる。

文=ジラフ

エンジンは4.4リッターV8+ツインスクロールターボチャージャー

今回発表された概要によると、両モデルに搭載されるエンジンは、新設計の4.4リッターV8エンジンに、ツインスクロールターボチャージャーを採用したもの。最高出力は555psを発揮し、最大トルクは69.7kg-mを記録するという。

組み合わされるトランスミッションは、6速AT。このATは通常使用するDレンジにくわえ、スポーティな走りに対応する「S」モード、手動変速に対応する「M」モードが採用されるというから、従来のMモデル同様、軽快な走りが楽しめることは間違いなさそうだ。

シンプルながらも存在感のあるエクステリア

ベースモデルとの外観上のちがいは、今までのMモデルと等しく、過剰な演出のないシンプルながらも存在感をしめすエアロパーツに見ることができる。またダブルスポークデザインのホイールは20インチにインチアップされ、フロント275/40、リア315/35というタイヤを組み合わせることで、迫力ある雰囲気を醸し出している。専用パーツなども奢られることで、さらに特別感は増していく。

BMWがはなつSUVのMモデル、その走りに注目するひとは少なくないはず。日本へのデリバリーが待ち遠しい。

BRAND HISTORY
“キドニーグリル”と丸目四灯ヘッドライトにより、ひと目でそれとわかるフロンマスクが特徴のBMW。日本の輸入車市場においても常に高い人気を誇っているが、その名前が何を意味するのか、即座に答えられるひとは意外に少ないのではないだろうか。

Bayerische Motoren Werke(バイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ)。直訳すれば「バイエルン地方のエンジン工場」という意味だ。前身だったラップ社は、カール・フリードリッヒ・ラップが1913年にドイツのバイエルンに設立した航空機用エンジンのメーカーで、おなじバイエルンの機体メーカーのオットー社と組んで、ビジネスを成功に導く。1916年にはバイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ有限会社と改称。2年後には株式会社に組織変更するとともに、バイエルンの青い空と白い雲をイメージしたプロペラのロゴマークを登録している。

その後も革新的な技術により存在感を高めたBMWだったが、第一次世界大戦の敗戦により、航空機エンジンの製造中止を余儀なくされた。そこでBWMは、もてる技術をモーターサイクルに注ぎ、1923年にはシャフトドライブの「BMW R32」を発表して注目を浴びることに。しかし、それだけでは飽きたらず、オースチンセブンをライセンス生産するディクシー社を買収。これにより自動車ビジネスの足がかりをつかみ、1929年には「BMW3/15 PS」を発売、自動車メーカーとしての歴史をスタートさせている。

ちなみに、BMWと深い関係にあったオットー社は、ガソリンエンジンの理論を確立したニコラウス・アウグスト・オットーの実の息子であるグスタフ・オットーが創立した会社。BMWが内燃機関にこだわるのは、このあたりに理由がありそうだ。

           
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