MAYBACH |マイバッハ 初の美術館とのパートナーシップ
MAYBACH |マイバッハ
マイバッハがルーブル美術館のオフィシャルパートナーに
ドイツ・ダイムラーは、同社の最高級ブランド、マイバッハがパリ・ルーブル美術館のオフィシャルパートナーとなったことを発表した。
文=松尾 大
自動車ブランドとして初の美術館との提携
毎年約850万人もの来訪者を招き、世界で3番目に大きな博物館にして、ヨーロッパの歴史ある美術館のひとつである、ルーブル美術館。古代エジプト、ギリシャ、ローマの美術品から16、17世紀のイタリア・ルネッサンス、オランダの絵画、15~19世紀にかけてのフランスの絵画などをはじめ、約38万点にもおよぶ所蔵品のなかから、3万6,000点が展示されている。
そんな世界随一の美術館と2013年までの3年間にわたる長期のオフィシャルパートナー契約を結んだのがドイツ・ダイムラーのフラッグシップブランド、マイバッハだ。ダイムラー社の主任技師としてゴットリープ・ダイムラーとともにエンジン研究をおこなっていたヴィルヘルム・マイバッハが息子のカールとともに設立した超高級乗用車メーカーがマイバッハ社。そのあと、ダイムラー社に吸収されることとなるが、高性能なエンジンと超高級車というイメージは、ダイムラー社にとっても特別なもので、2002年には同社の最高級ブランドの名前で復活した。それは、ロールス・ロイスやベントレーなどとならぶ世界最高クラスの超高級車といえるものだ。
もはやたんなる自動車という存在を超えて、エンジンにしてもインテリアにしても、ひとつのアート、工芸作品ともいえるマイバッハだけに、美術館とオフィシャルパートナーとなることは不思議ではない。事実、過去5年間においてマイバッハは、カメラマン、デイビッド・ラシャペルやデザイナーのティム・バーシェイムなど、多くのアーティストを支援してきた。そして、画家で彫刻家、映画監督でもあるジュリアン・シュナーベルとともに作品を制作している。そのほか、芸術機関との提携、サンモリッツ・アート・マスターズへの協力など、ヴィルヘルム&カール・マイバッハ財団は芸術と深いかかわりをもっている。そして今年1月、マイバッハは世界最高の美術館といえるルーブルとパートナーシップを結ぶ、世界ではじめての自動車ブランドとなった。
ニュー・スカルプチュア界の雄、トニー・クラッグの作品を展示
イバッハがルーブル美術館で展開するのは、世界的に著名な現代芸術家の作品の展示だ。作品が展示されるのは1989年にイオ・ミン・ペイの設計で建設されたガラスピラミッドの真下にあるスペース。じつは、この場所で作品が展示されるのは、これがはじめてなのだという。
今後、多くの現代芸術家が作品を展示することとなる、そのスペースで最初に紹介されるのがトニー・クラッグだ。1949年、イギリス・リヴァプールに生まれ、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートを卒業し、1970年代終わりごろに出現したニュー・スカルプチュアの代表的な作家。77年からは、ドイツ・ヴッパタールで活動。88年にはテート・ブリテンのターナー賞を受賞し、2009年にはヴッパタールの街に彫刻公園を開いたという人物だ。
今回、マイバッハがルーブルのオフィシャルパートナーとなるにあたり、新作“Versus”を発表した。この記念碑的彫刻は、マルリーの中庭(Cour Marly)とピュジェの中庭(Cour Puget)で展示するために8つが特別に作られたのだという。
マイバッハがパートナーとなって初の展示、トニー・クラッグによる新作彫刻“Versus”は2011年10月まで公開される予定となっている。