Truefitt and Hill|トゥルフィット&ヒル|モニターレポート|干場義雅(ILM『オーシャンズ』副編集長兼クリエイティブディレクター)_Vol.1
Beauty
2015年4月24日

Truefitt and Hill|トゥルフィット&ヒル|モニターレポート|干場義雅(ILM『オーシャンズ』副編集長兼クリエイティブディレクター)_Vol.1

トゥルフィット&ヒル モニターレポート

干場義雅(ILM『オーシャンズ』副編集長兼クリエイティブディレクター)_Vol.1

干場流、香りの纏い方

はじめに。日本初上陸、メンズファッションの歴史に欠かせない紳士たちに愛用され続ける世界最古の理髪店「トゥルフィット&ヒル」のモニターレポートの機会を与えてくださったこと、とてもうれしく思っております。山野エミールさん、そして関係者の方々ありがとうございました。この場を借りて御礼申しあげます。

写真・スタイリング・文=干場義雅

紳士の香りに身をつつむということ

ジェントルマンに愛用され続けている輝かしい歴史やウェットシェービングの体験談については、すでにMEN’S EXの編集長の松尾健太郎さん、そして服飾史家の中野香織さんが詳しくふれていらっしゃるので、僕は、自分なりの香りの纏い方について書いてみたいと思います。

僕は、香りを纏う前にすることがあります。それはにおいを消すこと。つまりシャワー。もともと、僕自身ほとんど体臭がないのですが、香りをつける前に、かならずシャワーを浴びて、全身を無臭の状態にするんです。まず、髪から。二回洗います。一回目は、ヘルシンキのフォーミュラBシャンプーでシャンプーブラシを使って頭皮の汚れが落ちるようにマッサージしながら洗います。頭皮の皮脂は、においの原因ですからね。定期的に行く美容室で、ヘッドスパをして毛穴の汚れをとっているのですが、しっかり洗っているようでも、意外と皮脂は手強
いんです。そこで二回洗う癖がつきました。二回目のシャンプーは、このトゥルフィット&ヒルのシャンプーを使用。においを落とし、香りを纏う。これが、香りを纏う、僕の基本姿勢なんです。

シャンプー後は、軽くタオルドライしてから、おなじく、トゥルフィット&ヒルのコンディショナーを数分間つけます。タオルドライすることによって、コンディショナーが髪に浸透しやすくなるので……。きちんと手入れをすると、自然に髪も輝くんですよね。ヨーロッパに行くと、たいてい上品なジェントルマンやマダムたちは、髪に自然な輝き・艶がある。天使の輪ではないですが、やっぱりあの自然な艶には、育ちの良さや上品さを感じるんです。

身体は、全体をシャワーで流し、その後、ボディタオルにヘルシンキの「フォーミュラBソープ」というソープをつけて身体を洗い流します。この石鹸もすごい! 体臭、ワキのにおい、足の裏のにおい、加齢臭など、身体から発するにおいの原因のひとつである「酸化した皮脂」を溶かしてしまう成分が入ってるんです。だから、使用後は、
スッキリ、サッパリ。とっても気持ちがいいのです。

そして、すべてが終わり身体を拭いてから、ようやく香りを纏います。つけるところは、パルスポイントと言われる身体の内側の部分。下半身の内側につけることによって、香りは上に上ってくるので、僕は、だいたい足首の内側につけます。たまに香水をつけすぎてしまったときは、もう一度熱いシャワーを浴びて、軽く香りを飛ばします。
こうすると、香りがたちすぎず、マイルドに香ってくるのです。香水をつけすぎてしまったときや、適正の量がわからずつけすぎてしまう方が、もしいらっしゃったら、もう一度熱いシャワーをさっと浴びて軽く香りを飛ばすことをおすすめします。

と、だいたい、ここまでが毎朝の僕の行動なのですが、この一連の行動が、すべておなじ銘柄でそろってしまうのがトゥルフィット&ヒルのすごさ。シャンプー、コンディショナー、フレグランス、アフターシェーブローション、アフターシェーブバーム、シェービングクリーム、そして石鹸、ヘアトニックにいたるまで……。すべてトゥルフィット&ヒルでそろうから、香りが、ばらけない。

クラシックでエレガントといわれる装いもそうですが、やはり最終的には全体の統一感やハーモニーが大切です。せっかくオーダーしたクラシックなスーツを着ているのに、安っぽい香りだったり、整髪料がコンビにで買ったような香りだったら台無しだし、その逆も然り。紳士の香りを身につけているのに、装いが軽薄なトレンドもので
は全然釣り合わないのです。そんな意味において、この紳士の香りに身を包むということは、ハーモニーをすべてわかっているジェントルマンがたどり着くべき最終地点。フレッド・アステアにしても、ケーリー・グラントにしても、メンズファッションの歴史に欠かせない紳士たちは、みんなそのことに気づいていたのかもしれない。

「香りと装いのハーモニー」

そこで最後は、そんな夏の紳士たちをイメージして、「香りと装いのハーモニー」をお題にスタイリングしてみました。

一枚目の写真(最上段)は、トゥルフィット&ヒルのシャンプーとコンディショナー。シャワーでにおいを消したら、紳士たちは、きっと極上の肌触りのタオルで身を包んでいるはず。そして、いつも使い続けているシャンプーやコンディショナーは、リゾートへ行くときも持っていくのでは? という意味を込めて、カプリにあるパレスホテルのタオルと一緒に撮影しました。

西洋の歴史が封印された紋章学の世界

二枚目の写真は、盛夏の紳士の装いがイメージ。選んだのは、アイリッシュリネンの白い麻のオーダースーツ。ネクタイは、ミラノの名店、バルデッリのおなじく麻のネイビータイ。スーツの胸元には、ゴールドの馬蹄型のアンティークピンと白いリネンのチーフを。指には、ビクトリア女王時代のアンティークのゴールドの指輪で深みを出してみました。仕上げは、トゥルフィット&ヒルの「クラブマン」という香りを。紳士たちが出入りしたジェントルマンズクラブから、その名がきているものです。ボトルの上品な薄紫色のラベルからも想像できるように、華やかで、とても高貴な香り。トゥルフィット&ヒルのなかでも、いちばん気に入って、この数週間、ずっとこの香りを使い続けています。原稿を書いている、この一瞬も。いつかは、この香りが自然に
似合うジェントルマンになりたいものですね。

ということで、次回は、最終的にこんな香りが似合う男になりたい!という理想の男について書いてみたいと思います。

干場義雅(HOSHIBA Yoshimasa)

1973年東京生まれ。三代続くテーラーを営む父を持ち、早くからメンズファッションに傾倒。BEAMSで販売経験後、編集者になり『MA-1』、『モノマガジン』、『エスクァイア日本版』などの雑誌でファッション担当に。2001年、初代編集長、岸田一郎さんに声をかけられ、『LEON』創刊のファッションディレクターとして参画。「モテるオヤジ」「ちょい不良(ワル)」など、同誌のテイストを確立し、一大ブームを作り出す立て役者に。TBSの番組『ジャスト』の亭主改造計画にも岸田さんと出演。2005年より、男性誌『オーシャンズ』の副編集長 兼 クリエイティブディレクターに。『エスクァイア(台湾版)』、『ローリングストーン(スペイン版)』、『ムッシュ(フランス版)』などの海外誌から、自ら編集したページを買われることも。2007年の『ディパーチャー(アメリカ版)』では、人物取材を受ける。引き算をしたシンプルなスタイルが好きで、スタイルの師と尊敬するのは、セルジオ・ロロピアーナさん、フランコ・ミヌッチさん。この6月21日よりはじまるフジテレビの番組『にじいろジーン』のパパ改造計画にも出演。「世界で通用するスタイル」が信条で、海外取材のたびに各国のジャーナリストから写真を撮られたり、取材されることもしばしば。ページを作るのはもちろん、洋服を作ったり、リメイクするのも得意。一貫した哲学は、ライフスタイルや考え方、趣味趣向性を踏まえた上で、人を格好良くすること。

web OCEANS
公式サイト│http://www.oceans-ilm.com/

トゥルフィット&ヒル

           
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