PEUGEOT 3008|プジョー 3008 Impression | すべてが新鮮なマルチパーパス車
CAR / IMPRESSION
2015年2月24日

PEUGEOT 3008|プジョー 3008 Impression | すべてが新鮮なマルチパーパス車

PEUGEOT 3008|プジョー 3008

すべてが新鮮なマルチパーパス車(1)

プジョー初というクロスオーバービークル、3008が2010年6月1日、プジョー・シトロエン・ジャポンの手で発売された。セダンのスポーティなドライビングフィールに、余裕ある室内空間と高いアイポイントといった機能を加味したマルチパーパス性が特徴だ。

文=小川フミオ写真=荒川正幸

セダン、MPV、SUVの魅力を融合

プジョー3008(339万円~)は、既発のプジョー308をベースに開発されたモデルで、エンジンは1.6リッター4気筒+ターボチャージャー。6段ATが組み合わされた前輪駆動となる。シートは2列の5人乗りで、後席にスライド機構はつかない。そのぶんカーゴスペースを広くとるなど、荷室の使い勝手が向上している。

4,365mmの車体が乗るホイールベースは2,615mm。308と比較するとSWの2,710mmには及ばないものの、セダンより5mm延長されている。トールボーイスタイルが採用されているため全高は1,635mmと、ハッチバックより120mm高くなる。エンジンはターボチャージャーを備えた1.6リッター4気筒で、156ps/6,000rpmの最高出力と、240Nm/1,400~3,500rpmの最大トルクを発生する。

反応鋭くスポーティな操縦性

操縦感覚は意外というか、308SWに増してスポーティに感じる。ユニバーサルジョイントの数を通常の2カ所から3カ所に増やすことで、ステアリングホイールが水平に近くなることを回避、ドライビングポジションは乗用車的になっている。

スポーティとまず感じたのは、カーブでハンドルを切ったときの反応速度が速いこと。重心高が高くなったせいでロール角が大きくなるのを防ぐため「ダイナミックロールコントロール」が採用されているからだ。トーションビーム式のリアサスペンションの左右のダンパーを機構的に連結し、油圧の調整をおこなう。ロール時は減衰力を高めロードホールディング性能を上げる。いっぽう直線走行時はしなやかな乗り心地を実現する。

ワインディングロードでの身のこなしは軽やかで、望むラインをとるのは容易。それが気持ちのよい走行感覚を生んでいる。プジョーが意図しているように、全高1,635mmものクルマを運転していると思えないほど、地面に張り付くような操縦感覚はミニバンとは異質のものだ。

PEUGEOT 3008|プジョー 3008

すべてが新鮮なマルチパーパス車(2)

しなやかな足まわりで乗り心地も向上

意外なほど乗り心地がいいのも3008の特筆すべき点だ。このところプジョーは足まわりのセッティングが路面の凹凸を拾いやすく、多少なりともごつごつ感があったが、3008はかなりしなやか。段差もショックなしに越えていく。それにもダイナミックコントロールが寄与しているはずだが、今回同時に6AT搭載でマイナーチェンジを受けた308SWも乗り心地が快適になっているため、全体的にサスペンション設定が見直されたのかもしれない。

156psの燃料直噴式4気筒エンジンはパワフルな感覚だ。ターボチャージャーを装着しており、1,400rpmで最大トルクを発生しはじめる設定なので、使い勝手にすぐれる。プジョーによると「自然吸気の2リッターエンジンをしのぐ動力性能と高い経済性」が売りという。実際にトルクの太い領域に入るのは3,000rpmから上。ここではアクセルペダルに載せた足のわずかな動きに反応して、1.5トンの重量にもかかわらず、力強い加速を見せてくれる。基本設計がおなじ1.6リッターユニットを搭載しているMINIとちがい、プジョーではバルブトロニックシステムを組み込んでいないが、性能的な不満はない。

快適性も向上、顔つきもあたらしい

快適性も大きなセリングポイントだ。3008の“あたらしさ”は、静粛性の高さにもあらわれている。エンジンやギアボックスなどからのメカニカルノイズが従来の308シリーズに比べると劇的に低くなっている。Aピラーやミラーまわりの風切り音も低く抑えられている。それだけでも高級感が一段階上がっているように感じられる。

ラインナップは装備のちがいにより2グレードで構成される。3008 Premiumu(339万円)はファブリックシートに17インチホイール装着。いっぽう3008 Griffe(385万円)はレザーシートと18インチホイールが標準装備となっている。くわえてGriffeには進行方向を照らす機能をもったバイキセノンヘッドランプとバックソナーが与えられている。最大幅1,202mm、前後長1,382mmのガラス製パノラミックガラスルーフは標準装備となっている。

フロントマスクもプジョーの通常のラインナップとだいぶ異なるデザインテーマが与えられた3008。マルチパーパス車に与えられる4ケタの車名は、あたらしいライフスタイルを創造してくれそうだ。

PEUGEOT 3008|プジョー 3008
ボディ|全長4,365×全幅1,835×全高1,635mm
エンジン|1.6ℓ 直列4気筒+ターボチャージャー
最高出力|115kW[156ps]/6,000rpm
最大トルク|240Nm[24.5kgm]/1,400~3,500rpm
駆動方式|FWD
トランスミッション|6段AT
価格|339万円 ~

プジョーコール
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