ポルシェ 911 GT3 R|PORSCHE 911 GT3 R
CAR / NEWS
2015年4月9日

ポルシェ 911 GT3 R|PORSCHE 911 GT3 R

PORSCHE 911 GT3 R|ポルシェ 911 GT3 R

究極のレース仕様車が日本上陸

2010年シーズンからのレースデビューに向けて開発された新型レーシングカー「ポルシェ 911 GT3 R」。20台が生産され、すべて完売、日本には1台が導入された。販売代理店はコックス(神奈川県足柄上郡)である。

文=小川フミオ

エンジンは4リッター、車体重量は1,200kgに進化

ポルシェのレーシングカー、911 GT3 Rが先ごろ、日本に持ちこまれ、お披露目された。公道を走れるGT3 RSをベースに開発されたモデルで、4リッター水平方向6気筒エンジンを搭載、480psを発生する。

バイザッハの研究開発センターにて生産される911 GT3 Rは、レースに出ることを好むポルシェ・ファンのために開発されたモデルだ。エンジンは4リッターに排気量拡大され、車体は1,200kgに軽量化、そしてシークエンシャル6段ギアボックスが搭載される。くわえて、電子制御スロットル、トラクションコントロールシステム、ABSなどが見直された。

「上記のテクノロジーを採用することで先代の911 GT3 Cup Sより操縦性を向上させ、かつハンドリングも扱いやすくした」とポルシェ本国の広報資料では謳われている。

エンジンはボアが80.4mm、対してストロークが102.7mm。ベースになったGT3 Rの3.8リッターユニットのボア76.4mmを拡大した。ボッシュ製の電子制御式スロットルコントロールが組み合わされて、シフトダウン時にはコンピューターが回転合わせをしてくれる、いわゆるブリップコントロールも備わった。

車体の軽量化をはかりながら、レースのためにカーボンファイバー製の空力付加物で「武装」したのがGT3 Rの特徴だ。リアウィングの調整角度の範囲が広がるなど、レーシングカーとしての機能性が向上している。

サスペンション形式は前がダブルウィッシュボーン、後ろがマルチリンク。組み合わされるコイル/ダンパーユニットは、前後ともに正副からなる2本式。セントラルロックのホイールと組み合わされたミシュラン製レーシングタイヤは前27/65、後31/71サイズで、径は18インチとなる。

スーパーGT第5戦で日本デビューの予定

911 GT3 Rは、ニュルブルクリンク・ロングディスタンスチャンピオンシップで3連勝を飾るなど、すでに好成績を収めている。生産予定台数はわずか20台。今回日本に持ちこまれるのは、欧州以外にデリバリーされる唯一の車両という。

欧州FIAのGT3の規則にのっとって開発されたGT3。ドライバー席しかない純レーシング仕様のGT3Rは、日本ではスーパーGTのGT300クラスに参戦することになる。きたる2010年7月24日(土)と25(日)にスポーツランドSUGOで開催されるスーパーGT第5戦にて国内デビューをする予定だそうだ。

コックス
Tel. 0465-81-3033

BRAND HISTORY
ドイツを代表するスポーツカーブランドとして世界中の腕利きから圧倒的な支持を得ているのがPORSCHE(ポルシェ)である。はじまりは1931年。20代の頃から自動車エンジニアとして頭角をあらわした奇才・フェルディナンド・ポルシェは、ダイムラー社の技術部長を経験したあと、ドイツのシュトゥットガルトに「ポルシェ設計事務所」を設立して独立。以後、自動車メーカーからさまざまなクルマの開発を託されることになる。なかでも有名なのが、ドイツの「国民車」としてモータリゼーションに大きく貢献した「フォルクスワーゲン・ビートル」だ。

自動車メーカーとして、自らの名を初めて冠したのは、1948年に登場した「356」であった。それからポルシェは「911」「924」「928」といったスポーツカーを世に送り出すとともに、モータースポーツに力を注ぐ。たとえば、世界でもっとも苛酷なレースといわれるルマン24時間で16回の優勝を手に入れたほか、F1でもエンジンサプライヤーとして3度のシリーズ優勝に貢献するなど、輝かしい戦績を収めたのだった。その技術力と走りへのこだわりがいまなお彼らの製品に息づいているのはいうまでもない。

現在は、デビューから45年が経ったいまでもスポーツカーのトップランナーとして高い評価を得る「911」をはじめ、オープンスポーツの「ボクスター」、ボクスターのクーペ版の「ケイマン」、そして、プレミアムスポーツSUVの「カイエン」と、ラインナップすべてが高い人気を誇る。

           
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