ZENITH|ゼニス|クリストファー・コロンブス
Watch & Jewelry
2015年3月30日

ZENITH|ゼニス|クリストファー・コロンブス

ZENITH|ゼニス

新機構で究極の精度に挑戦した、独創のトゥールビヨンモデル

伝統的なスタイルの復活を宣言したゼニス。バーゼルでは過去の伝統を継承し進化させた新作を披露、バーゼル後のいまも意欲的な開発の姿勢を見せてくれる。

文=渋谷康人

Christophe Colomb|クリストファー・コロンブス

航海用のマリンクロノメーターは、ゼニスの歴史的な名品のひとつ。ふたつのカルダン自在継手を使って時計全体を支持し、どんなに荒れた海の中でもメカニズムを大地に対して水平に保つ機構で、当時として究極の精度を維持してきた。この「クリストファー・コロンブス」はこのメカニズムにヒントを得て、“ジャイロスコープ型”と名付けられた球状のトゥールビヨン・キャリッジが大地に対して常に水平を保つ機能を持つ新開発ムーブメントを搭載する。
サファイア風防は、このジャイロスコープ型の「ゼロ-Gトゥールビヨン」を収めるために、表と裏それぞれに球状のふくらみを持つようにデザインされ、球状のサファイア結晶から削り出しで製作されたもの。ケースの表裏の両面からこの超絶メカニズムが作動する姿を心ゆくまで眺められる。しかも、このゼロ-Gトゥールビヨンのメカニズム自体はひじょうにコンパクトに設計されているので、腕に着けても違和感はない。

このモデルはバーゼルフェアでは発表されず、この6月に初公開されたばかり。時計愛好家、とくにトゥールビヨンなどの複雑機構が好きな人にとっては絶対に見逃せない超絶モデルだ。

手巻き、ローズゴールドケース、クロコダイルストラップ、ケース径45mm、世界25本限定、1774万5000円(予価)、9月発売予定。ホワイトゴールドケース仕様(世界25本限定)もある。

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BRAND HISTORY
ゼニスは完全自社一貫体制で、ムーブメントから時計の組み立てまでのすべての工程を担う、時計界でもきわめて稀有なブランドだ。

1865年に、ジョルジュ・ファーブル・ジャコによって設立されたマニュファクチュール・ド・モントレ社が前身。同社は高品位かつコストパフォーマンスに優れたムーブメントを製造し、1900年には画期的なリューズ巻きの懐中型ムーブメントを開発。

このムーブメントを積んだ時計は、エスペラント語で「天頂」を意味する「ゼニス」と命名され、パリ万国博覧会で金賞を受賞する。そして同名称が社名にも採用され、ファブリック・デ・モントル・ゼニス社と改称されたのである。

1940年代に入ると、ゼニスはスイス・ヌーシャテル天文台の精度コンテストに出品するため、今でも名機として名高いCal.135を開発。1945年に開催された同コンテストで見事に高精度の新記録を打ち立てると、続いて1948年には同社初の自動巻きムーブメントも発表。当時、ゼニスの技術力は、スイスでも屈指のレベルに達していた。

そして1969年には、ゼニスの名を一躍世界に轟かせた傑作ムーブメント「エル・プリメロ」を開発するのだ。毎時3万6000振動という世界最速を誇る自動巻クロノグラフ・ムーブメントであり、現在でも同社の旗艦ムーブメントとして製造されるロングセラーである。

1999年からはLVMHグループに参画するとともに、ラインナップ全般におけるクオリティアップが図られる。特に新しくCEOに就任したティエリー・ナタフの影響が大きく、彼の優れた采配が、ゼニスのその後の行方を大きく変えていった。

2003年にはメガヒット作「オープン」を発表。さらに2006年にはスポーツコレクション「デファイ」を市場に投入し、メカニズムだけでなくデザインでも魅せる、新しいゼニス像を打ち出すことに成功した。才色兼備なゼニスの作品は、今や飛ぶ鳥落とす勢いで、急速なる発展を遂げている。

【創業年】1865年
【創業地】スイス、ル・ロックル
【主なシリーズ名】クロノマスター、クラス、ポートロワイヤル、デファイ
【問い合わせ先】LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン ゼニス 03-3263-9620
公式サイト:http://www.zenith-watches.com/

           
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