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ART
2015年6月10日
銀座メゾンエルメス フォーラムで『線を聴く』展|HERMÈS
HERMÈS|エルメス
身近な存在の線が導く先にある世界とは
銀座メゾンエルメス フォーラムで『線を聴く』展
シンプルな“線”を考察するためのグループ展『線を聴く』展が4月24日(金)、銀座メゾンエルメス フォーラムで開幕した。私たちの想像力の源であり、自然のなかに見出すことのできる線、さらに線の生まれる場所に焦点を当てた作品が展示される。7月5日(日)まで。
Text by YANAKA Tomomi
森美術館の『シンプルなかたち展:美はどこからくるのか』に呼応して開催
美術のなかでもフォルムなどと同様に、重要なテーマとして取り上げられてきた線。古くからドローイングやカリグラフィー、抽象絵画など、造形美術のなかで線についても多くの考察がおこなわれ、作品が生み出されてきた。
六本木ヒルズの森美術館で開かれている『シンプルなかたち展:美はどこからくるのか』(7月5日まで)に呼応して開催される本展。会場には、1978年に亡くなった批評家で社会学者でもあったロジェ・カイヨワがコレクションしていた石を展示。切断面にあらわれる不思議な線描写を観察することができる。
またベルリン在住のアーティスト鯨津朝子は、独自の生命をもった有機体のように無限に広がる線を描いたドローイングを発表。双子姉妹によるアートユニット高田安規子・政子は日常のスケール感を操作することで思いがけない風景を生み出していく。
このほかにもミュージシャン“アルヴァ・ノト”としても活躍するドイツ出身のカールステン・ニコライの作品や、塚本由晴と貝島桃代による建築家ユニット「アトリエ・ワン」による閉ざされながらも自由なかたちのライブラリー「マンガ・ポッド」なども紹介される。
地図や楽譜、文字など、美術を超えた領域でも広く普及している線。身近な存在の線が導く先にある世界とは。密やかな線に耳を澄ましてみたい。