ブルガリ｜BVLGARI

BVLGARI｜ブルガリ

理想の腕時計作りを目指すブルガリ
新作に見る「真のウォッチメーカー宣言」

完全自社製の自動巻きムーブメント「BVL 168」を搭載した機械式モデル「ソティリオ・ブルガリ」が製品として登場。2010年ブルガリは、ウォッチメイキングのあらたなるステージを告げる。

文＝渋谷康人

ブランドの美学を外観でも中身でも具現した「理想の腕時計」をつくるべく、この10年あまりの間に、現代複雑時計のパイオニアである「ダニエル・ロート」と「ジェラルド・ジェンタ」の両ブランド、さらに文字盤、ケース、ブレスレットを製造する会社をグループ傘下におさめ、自社内で機械式ムーブメントを開発・製造する体制を着々と整えてきたブルガリ。今年、その「グループ・マニュファクチュール」計画はひとつの到達点を迎えた。

今後のブルガリウォッチの“ベースエンジン”ともいうべき完全自社製の自動巻きムーブメント「BVL 168」をはじめて搭載した機械式モデル「ソティリオ・ブルガリ」が、ついに製品として登場したのである。またダニエル・ロート、ジェラルド・ジェンタの両ブランドの新作も今年のバーゼルフェアから初めて、ブルガリのコレクションのひとつと位置付けられた。これはブルガリによる「真のウォッチメーカー」宣言にほかならない。

今後はこの体制のもと、複雑時計からスタンダードウォッチまで、メカニズム＆デザインの両面で他社にはない魅力を備えたブルガリならではの腕時計が続々と登場するはずだ。BVL 168を搭載したソティリオ・ブルガリは、そのあらたなステージの到来を告げる、記念すべき第1号モデルなのである。

また、蛇をモチーフにしたレディスウォッチの代表的名作「セルペンティ」のリニューアルも今年の大きなトピックであろう。

Sotilio Bulgari BVL 168｜ソティリオ・ブルガリ BVL168

歯車輪列を取り付ける地板や脱進機を支持するブリッジ、ゼンマイを巻き上げる回転錘の素材に一般的な真ちゅうではなく頑丈なニッケルシルバーを採用して機械的な剛性を確保、また双方向自動巻きシステムに歯車の摩耗を抑え手巻きによるゼンマイ巻き上げも安心して行える分離ギア装置を組み込むなど、機械としての基本を磨き上げた完全自社製ムーブメント「BVL 168」。

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Serpenti｜セルペンティ

蛇は古代ギリシアの時代から生命力の象徴として、また世界各地で母なる大地の象徴として、そして神の化身として讃えられてきた存在だ。この蛇をモチーフとした、スプリングの力で手首にしなやかに巻き付くデザインが特徴の「トゥボガス」は、1940年代からジュエリー＆ウォッチコレクションとして長く愛されてきたブルガリを代表する名作である。

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