フラッグシップ復活、ホンダ レジェンドが5代目に進化|Honda
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2014年12月16日

フラッグシップ復活、ホンダ レジェンドが5代目に進化|Honda

Honda Legend|ホンダ レジェンド

フラッグシップ復活

ホンダ レジェンドが5代目に進化

ホンダは5世代目となったフラッグシップサルーン「レジェンド」を発表した。発売は2015年1月22日より開始される。価格は680万円で、月販販売計画台数は300台と発表された。

Text & Event Photographs by UCHIDA Shunichi

走る歓びを徹底追及したフラッグシップサルーン

「ホンダは創業当初から世界を見据え、世界に先駆ける技術の開発にチャレンジし続けてきた会社だ。常にホンダらしさを発揮したアイディアと、時代に先駆けた先進性、最高の技術を惜しみなく投入し、世界に挑み続けてきた企業そのものがまさにレジェンドに表れている」。これは発表会冒頭、同社取締役社長執行役員である伊東孝紳氏が述べたことばだ。

つづけて氏は、「ホンダは創業以来66年に渡ってひたすら走る歓びを追求してきた。その持てるテクノロジーのすべてを投入した新型レジェンドは、日本のユーザーにかつてない走る歓びを提供できるクルマであると確信している」と、ホンダの走りをあらたな次元に引き上げたサルーンであることを強調する。

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本田技研工業代表取締役社長執行役員の伊東孝紳 氏

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その走りを可能にした最大の立役者は、スポーツハイブリッドSH-AWDの採用だろう。

「ドライバーの、“こう走りたい"という意思を読み取り、それに応える走りを実現させたシステムで、まるで自分の手足のように意のままにクルマを操る。それが走りを単なる楽しさから、感動の次元にまで昇華させる。それこそがホンダらしい選択であると考えた」と、伊藤社長がコメントするように、このスポーツハイブリッドSH-AWDは、3つのモーターとエンジンを使うことで、最適な駆動方式ともっともエネルギー効率の良い走行モードを連続的に自動で切り替え、環境に配慮しつつも、走る歓びをも堪能できるシステムに仕上げているのだ。

Honda Legend|ホンダ レジェンド

フラッグシップ復活

ホンダ レジェンドが5代目に進化

ツインモーターによるオンザレール感覚

新型レジェンドは、“Smart Exhilarating Luxury"という開発コンセプトのもと、“誇り"“先進"“昂ぶり"という3つの価値を追求した。そのうちもっとも重要したのは、昂ぶりという価値だった。

その要が、先に伊藤氏が述べたスポーツハイブリッドSH-AWD。エンジンはV6 3.5リッター直噴i-VTECエンジンを搭載し、可変シリンダーシステムによって、燃費も向上させた。このエンジンと3つのモーターを組み合わせることで、最高出力280kwと、V8を超える力強さを達成しながら、燃費は直列4気筒並みの16.8km/ℓを実現している。

また、トランスミッションは高出力モーター内蔵の、7段DCTとし、湿式クラッチを採用し高トルクにも対応させた。このDCTの走りについて、本田技術研究所四輪R&Dセンター新型レジェンド開発責任者の青木仁氏は、「DCTならではのダイレクト感と、ワイドレシオレンジ、クロスレシオによって、リズム感と伸びのある加速を実現している」という。

そして、最大の特徴がリアに搭載したツインモーターユニットだ。左右に配置した2つのモーターが、それぞれ独立に制御し駆動力は従来のSH-AWDを上回るトルクベクタリング(左右駆動輪に伝達する駆動力の配分をコントロールすること)を実現することで、革新的なオンザレール感覚を実現していると青木氏は述べている。そのほか、さまざまな先進技術を採用することで、優れた操縦安定性と、アクティブセーフティ性能の両立が図られた。

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凛とした美しさのエクステリア

エクステリアデザインのコンセプトは“Firmed Elegant Form”で、風格と気品を兼ねそなえた凛とした美しさを表現している。青木氏によると、「一番の特徴は堂々としながらも、流れるような躍動感を両立させている点だ。安定感のある力強い下半身と、ボディの特徴的なキャラクターラインが風格と躍動感を巧みに融合させている」と語る。

そして、レジェンドのエクステリアでもっとも目を惹くのはジュエルアイLEDヘッドライトだろう。この先進ヘッドライトは、宝石のような輝きを表現していることから、ジュエルアイと名付けられた。レンズの中を2回反射させる独自の構造で、奥行きの短さと、魅力的なデザインの両立を図っている。また、美しいデザインだけではなく、優れた配光性能を実現し、夜間走行の快適性と安心感を高めたものだ。

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ホンダ レジェンドが5代目に進化

感性に響く上質なインテリア空間

インテリアは、感性に響く豊かで心地よい上質な空間を目指しデザインされた。特に重視したのは革のやわらかな上質感だと青木氏。具体的には、インパネからドアライニングに至るまで、室内全体に革の風合いを生かし、丁寧な縫製で仕立て上げられている。

インテリアのこだわりはそれだけではない。その心地よい空間に最高の時間をもたらすため、ホームオーディオのトップエンドとして知られるKRELL社と共同開発した14個のスピーカーシステムを採用。生演奏に包み込まれ、まるでボーカルが自分のためだけに歌ってくれているような、抜群の臨場感と躍動感のあるリアルサウンドを実現している。

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その結果、感性に訴える室内空間が完成した。さらに、この空間を活かすためにインテリアそのものが、あまり主張しないデザインを採用している点もこのクルマの特徴だ。インテリアデザインを担当した本田技術研究所四輪R&Dセンターデザイン室1スタジオの伊藤圭子さんは、「いわゆるノイズがあるデザインを極力排除した」という。つまり、感性に訴える室内だとしても、そのノイズによって邪魔をされてはいけないというわけだ。

そこで青木氏は質感に着目。例えば、ドアトリムの革部分の下などにあえて木目や金属をアクセントに入れることで、革の柔らかさや風合いを醸し出した。「触っても気持ちよく、目で見ても柔らかさを感じてもらえるデザインにすることで、感性に訴えるデザインを仕上げていった」(伊藤氏)と述べる。

ホンダが持つあらゆる技術を投入して開発された新型レジェンド。意のままに操る楽しみを実現させたフラッグシップサルーンは、同時に快適な室内空間をも両立させたドライバーズカーなのである。

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Honda Legend|ホンダ レジェンド

ボディサイズ|全長 4.995 × 全幅 1,890 × 全高 1,480 mm

ホイールベース|2,850 mm

トレッド 前/後|1,630 / 1,630 mm

重量|1,980 kg

エンジン|3,471 cc 水冷V型6気筒横置

エンジン最高出力| 231 kW(314 ps)/ 6,500 rpm

エンジン最大トルク|371 Nm(37.8 kgm)/ 4,700 rpm

モーター最高出力|(前)35 kW(48 ps)/ 3,000 rpm

         (後)27 kW(37 ps)/ 4,000 rpm(1基当り)

モーター最大トルク|(前)148 Nm(15.1 kgm)/ 500-2,000 rpm

          (後)73 Nm(7.4 kgm)/ 0-2,000 rpm(1基当り)

トランスミッション|7段DCT

駆動方式|4WD

サスペンション 前|ダブルウィッシュボーン

サスペンション 後|マルチリンク

タイヤ|245/40R19

ブレーキ|ディスク

燃費(JC08モード)|16.8 km / ℓ

価格|680 万円

           
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