特集|インド洋に浮かぶ理想郷|第4章「自然との距離が近くなるファミリーリゾート」
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2015年6月23日

特集|インド洋に浮かぶ理想郷|第4章「自然との距離が近くなるファミリーリゾート」

特集|もう一度リゾートを楽しみませんか?

あらゆる望みを叶えてくれる洋上の理想郷

第4章「自然との距離が近くなるファミリーリゾート」(1)

モルディブのほぼ南端に位置する「ジュメイラ・デヴァナフシ」を後にした私たちが向かったのは、おなじジュメイラグループでも、まったく趣の異なる「ジュメイラ・ヴィッタベリ」。首都マーレからスピードボートで20分の場所に建つヴィッタベリは、キッズクラブやサイクリングなどのアクティビティが充実。子どものいる家族連れにも優しい、理想的なファミリーリゾートであった。

Photographs by JAMANDFIXText by TANAKA Junko (OPENERS)

大人の希望も子どもの希望も叶えるリゾート

これまでハード面とソフト面の両方から魅力をお伝えしてきたジュメイラ・デヴァナフシ日本からおよそ24時間。休みが数日しか取れないという人にとっては、それだけでひるんでしまいそうな所要時間だ。ましてや、子連れのファミリーにとっては夢のまた夢……。

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そもそも、モルディブのことを「大人向けのリゾート」と思ってはいないだろうか? 実際、一部には年齢制限を設けているホテルもあるというから、そう考える人がいるのも無理はない。家族旅行の候補地としてより、ハネムーンの候補地として名前をあげる人のほうが多いだろう。

だが、ジュメイラのふたつのホテル、デヴァナフシとヴィッタベリでは、新婚カップルよりも一家でのびのびと過ごす姿を見かけることのほうが多かった。あとから話を聞くと、時期によってはハネムーナーで予約がいっぱいになることもあるそうだが、特に子連れに優しい設備が整ったヴィッタベリに限っていえば、ファミリーゲストの数は年々増えてきているそうだ。

子連れの家族にとって、行き先にかかわらず海外旅行というのは一大イベントである。飛行機にはじまり、その後の移動、ホテル、そして現地での過ごし方……。普段とちがう環境に身を置くだけでも、子どもにとっては相当なストレスだと聞く。大人は大人で、見知らぬ他人と隣り合わせという状況で、子どもがおとなしくしていられるかという心配につねにさいなまれることになる。

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各部屋には大人用2台と子ども用1台、計3台の自転車が備え付けられている

さらに大人と子どもでは、現地でやってみたいことがちがう。子どもは広い海で思い切り泳いだり、鳥の声を聞きながら森を散策したり。もっといえば、普段忙しくてなかなか会えない親と一緒に過ごせるだけで十分かもしれない。ときには自宅に置いてきたおもちゃや絵本、ゲームが恋しくなることもあるかもしれないが、豊かな自然に囲まれた環境は子どもにとって最高の遊び場なのだ。

だが、大人の場合はそう一筋縄ではいかない。「日常から離れた場所でリフレッシュしたい」という目的を掲げてやってくるゆったり派もいれば、マリンスポーツもスパも体験したいし、評判のレストランにもショッピングにも行きたいというアクティブ派もいる。

みんなの意見に相違があったときは、家族のだれかが我慢を強いられることになる。そんな旅に終わりを告げたいと思っている人は、ジュメイラ・ヴィッタベリを今後の選択肢にくわえてほしい。ここでは、自然のなかで遊びまわりたい子どもも、静かな環境に身を置きたい大人も、そしていろいろ体験したい大人も、みんなの希望を叶えることができる。だれも我慢をする必要がないのだ。

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部屋のタイプは地上に建つビーチヴィラと水上に建つラグーンヴィラの2種類

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デヴァナフシ同様、全室にプライベートプールがついている

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あらゆる望みを叶えてくれる洋上の理想郷

第4章「自然との距離が近くなるファミリーリゾート」(2)

モルディブらしさを随所に取り入れた環境

デヴァナフシより近くなるとはいえ、日本から約13時間という所要時間は見逃せない。だが、その“第一関門”さえ突破できれば、子どもがどれだけはしゃぎまわっても、周りの人に気兼ねする必要のない(もちろん最低限の配慮は必要だが)大人にとって夢のようなストレスフリーな環境が待っているのだ。

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水上に建つラグーンヴィラは、テラスから直接シュノーケリングに行ける便利さ

直径750キロという巨大な島に設けられた部屋数はわずか89室。まだ訪れたことのない人でも、そのゆったり具合を容易に想像していただけるだろう。全室184平米以上のスイートルーム仕様で、プライベートプールつき。部屋のすぐ裏手にはエメラルドグリーンのビーチが広がっている。地上に建つビーチヴィラの庭には楽園気分を盛り上げる、木製のブランコとバスタブが備えつけられているのもうれしい。

1階建ての平屋タイプからメゾネットタイプまで、建物のデザインはさまざまだが、共通しているのはモルディブの伝統様式に則った建て方をしていること。藁(わら)をふいた角度の鋭い三角屋根を特徴とするこの様式。モルディブのホテルのなかで、いまでもこのような建て方をしているのはジュメイラ・ヴィッタベリだけだそうだ。

建物のデザインだけに留まらず、オールデイダイニングの「サムサラ」や地中海料理の「フィネス」、グリル料理の「ムウ レストラン&バー」といったホテル内のレストランでも、モルディブらしさを感じられるのがヴィッタベリの特徴だ。地元の漁師が獲ってきた魚介類のグリル、敷地内で育てているココナッツの実を使ったデザートなど、モルディブならではの食材を使ったメニューが充実している。

そして特筆すべきはキッズクラブの存在。専任のスタッフが在籍するこの施設では、朝食からディナータイムまで、1時間おきにさまざまなプログラムが用意されていて、なんとそのほとんどが無料。シュノーケリングや水泳教室、フェイスペインティング体験、映画の上映会、料理教室といった豊富なアクティビティにくわえ、モルディブ特有の生態系について学べる座学の時間も設けられている。

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なかでも「宝探し」は、総支配人のグラハム・クライさんイチ押しのプログラム。子どもたちは渡された地図を頼りに、島のいたるところに隠された宝箱を探す。私たちも試しにひとつ探しに出かけてみると、宝箱のなかから出てきたのは動物の絵が描かれたプラカード。モルディブだけに生息するという珍しい木や鳥について解説したものだという。ユニークな“宝”に驚く私たちに向かって、優しい笑みを浮かべながら「ご褒美は知識というわけです。楽しみながら島のことを学べるようにと数年前にはじめました」とクライさんは解説する。

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島の環境保全にも積極的に取り組んでいる総支配人のグラハム・クライさん

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モルディブに生息する野生の木「スクリューパイン」。根が上に向かって伸びるのが特徴で、パインのような実をつけるそうだ

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1年ほど前から、あらたに有機ハーブガーデンもはじめた。近い将来、ホテルのレストランで提供するのが夢だという

ちなみに、ヴィッタベリとは「空間の広さ」を意味する言葉。とても理にかなったネーミングで、このホテルの特徴をひと言であらわすなら、すべてにおいて圧倒的な広さを誇るということ。ピザを1枚ずつ焼き窯で焼いてくれるピザショップがあったり、小さなお土産屋があったり、手作りアイスクリームの店があったりと、島全体がひとつの村のようになっていて、一日中散策しても飽きることがない。

先に訪れたデヴァナフシが、モダンでハイエンドなスタイルを好む人向けだとするなら、ヴィッタベリは地に足のついたスタイルを好む人におすすめのホテルだといえる。バトラーをはじめとするジュメイラ印の一流のサービスはそのままに、さらに自然との距離が近くなり、モルディブの伝統文化や歴史にも触れることができる。なにより、大人にとっても子どもにとってもストレスなくすごせる環境は、家族の絆をより一層強くしてくれるはずだ。

Jumeirah Vittaveli|ジュメイラ・ヴィッタベリ
Bolifushi Island, South Male Atoll, Republic of Maldives
Tel. +960-664-2020
https://www.jumeirah.com/en/hotels-resorts/maldives/jumeirah-vittaveli/

           
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