BENTLEY CONTINENTAL FLYING SPUR|サルーンであり、ドライバーズカーでもある
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2015年4月27日

BENTLEY CONTINENTAL FLYING SPUR|サルーンであり、ドライバーズカーでもある

BENTLEY CONTINENTAL FLYING SPUR

ベントレー コンチネンタル フライングスパー

サルーンであり、ドライバーズカーでもある

かつてベントレーには「フライングスパー」を名乗るサルーンが存在していた。当時、もっともスポーティなクーペをベースに1957年に生まれたフライングスパーは、グランツーリズモの資質を受け継ぎながら、高い居住性と優雅で上質な仕立てられたキャビンを備えることで、称賛の的となった。

それから半世紀を経た2005年、フライングスパーの名が復活する。「コンチネンタルGT」の登場から2年、かつてのごとく、最新のグランツーリズモをもとにつくり上げられた高性能サルーンこそが、この「コンチネンタル フライングスパー」なのだ。

精悍なフロントマスクや短いフロントオーバーハングがコンチネンタルGTとの強い絆を意識させる一方、320mm延長されたホイールベースのおかげで、ラグジュアリーサルーンにふさわしいスタイルと、後席のスペースを確保している。

かといって、コンチネンタル フライングスパーがショーファードリブンの色を強めたと見るのは早計。それはコンチネンタルGTに引けを取らない性能からも明らかで、ボンネットの収まるW12ツインターボはどんなときでもドライバーの期待に応えるパワーを絞り出し、ふだんは快適なエアサスペンションも、いざとなればボディサイズを感じさせないほどスポーティなハンドリングを示すのだ。

サルーンでありながらもドライバーズカーにこだわるクルマづくりは、まさにベントレーの伝統である。

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ベントレー コンチネンタル フライングスパー

ボディ|全長5310×全幅1930×全高1480mm
エンジン|6.0リッターW型12気筒ツインターボ
最高出力|411kW[560ps]/6100rpm
最大トルク|650Nm[66.3kgm]/1600rpm
駆動方式|4WD
トランスミッション|6段オートマチック
価格|2230万円
(2008年5月26日現在)

BRAND HISTORY
「クラス最高の速さと価値を持つクルマをつくりたい」。“W.O.”の呼び名で親しまれているBENTLEY MOTORS(ベントレー・モーターズ)の創業者、ウォルター・オーウェン・ベントレーの言葉である。

若い時分からエンジニアとして経験を積んできたW.O.だが、はじめはクルマではなく蒸気機関車を相手とする仕事だった。仕事の合間にモーターサイクルでレースに参加するうち、彼の興味はエンジンに向けられていき、退職後、レーシングエンジンの開発を本格化させたのが第一次大戦のあと。

1920年代になると、イギリス内外のレースに参加。なかでもルマン24時間レースでは、“ベントレー・ボーイズ”の活躍により、1924年から1930年の7年間に5度の優勝を手に入れ、その名を知らしめた。しかし、経営状況は厳しく、1931年にはロールス・ロイスに買収され、かろうじてその名を残すことになった。

その後67年のあいだロールスの支配が続くが、1998年に転機が訪れる。フォルクスワーゲンがベントレーの名前とイギリスのクルー工場を買収。これによりベントレーはロールスとは別の道を歩みはじめ、「コンチネンタルGT」を皮切りに、「コンチネンタル・フライングスパー」「コンチネンタルGTC」といったニューモデルの投入により、見事、高級車市場での復活をはかった。さらに、2003年のルマン24時間では73年ぶり、6度目の優勝を手中に収めている。

           
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