USM|丸の内ショールームに秋の色をまとった新作ディスプレイ登場
DESIGN / FEATURES
2015年1月23日

USM|丸の内ショールームに秋の色をまとった新作ディスプレイ登場

USM|四季を演出するプログラム「USMカラールネッサンス」

丸の内のUSMショールームに秋の色をまとった新作ディスプレイ登場

スイスを代表する家具メーカー「USM」の直営店「USMモジュラーファニチャーショールーム」が、東京・丸の内のオープン5周年を記念して開催しているのがアニバーサリープログラム「USMカラールネッサンス」だ。9月より、第3回となる秋のディスプレイがスタート。「葉の移ろいと心静まる緊張感」をテーマにした、情緒あふれるたたずまいに注目したい。

Text by TAN Miho(OPENERS)

普遍的な世界的デザインと日本の美が生み出す“色の再生”

1960年代にスイスで開発・発売された「USMモジュラーファニチャー」は、オーダーメイドのシステム家具。コネクトチューブ、ボール、パネルの3つの基本部品から成るモジュラー部品で構成されているため、サイズや色の違う部品を組み合わせることで唯一無二の家具を作ることができるのが特徴だ。
その機能性と美しさは、国際バスケットボール連盟やオルセー美術館をはじめ世界中で採用され、ニューヨーク近代美術館の永久コレクションにもくわえられている。


その国内唯一の直営店が、東京・丸の内の「USMモジュラーファニチャーショールーム」だ。同店のオープンから5周年を迎えた本年、アニバーサリープログラム「USMカラールネッサンス」が開催されている。
ディレクションを務めるのは、日本の伝統文化の美しさを現代のプロダクトに落とし込み、さまざまな作品の監修で高い評価を受けている「丸若屋」。春・夏に引き続き「染司よしおか」とタッグを組む。



イメージビジュアルを特別に制作するとともに店頭のディスプレイも手掛け、季節の“色”を通してあらたなデザインを模索する。

2014年秋のテーマは「葉の移ろいと、心静まる緊張感」。イメージビジュアルの撮影の舞台には北関東に現存する日本家屋を指名した。


丁寧な修繕と回収を重ね再構築されてきた空気の中にこそ普遍的な美しさがあると考え、家屋が重ねてきた時間と呼吸を合わせるようにして、「USMモジュラーファニチャー」、そして実りを讃えるかのような赤と黄に染められた「染司よしおか」の布を額に配した。ちなみに箪笥の上にさりげなく置かれているのは、江戸時代から現代までの竹籠研究者として名高い斎藤正光氏のコレクションのひとつだ。


心に安らぎをもたらすと同時に心地よい緊張感が張りつめる空気感をまとった古民家で、あらたな美の境地をめざす。

8月30日より東京・丸の内のUSMモジュラーファニチャーショールームにも、同じ色合いの家具と「染司よしおか」のストールをディスプレイ。スイス生まれの普遍的で機能的な美学と日本に根付く秋の機微が共鳴する「カラールネッサンス」を実際に見ることができる。

「“色”は私たちの周りに、無限に存在する。日々意識する事は少ないが、その存在は間違いなく私たちに多くの事を伝え、人生を豊かにしてくれる」とは「丸若屋」代表の丸若裕俊氏。静かに、されどたしかに訪れつつある秋の気配。その美しさに導かれるようにして生まれた“色の再生”は、私たちの日常に潜んでいる美しいたたずまいをも引き出してくれるかもしれない。



USMカラールネッサンス

開催時期|9月~(秋季)、12月~(冬季)予定

場所|USMモジュラーファニチャーショールーム

東京都千代田区丸の内2-1-1 丸の内 MY PLAZA 1・2F

営業時間|10:00~19:00(土・日曜11:00~19:00)

祝日定休 月曜日のみ予約制

Tel. 03-5220-2221

http://www.usm.com

丸若屋

日本とフランスを拠点に、伝統ある物の内に潜む、本質的かつ絶対的な美しさを的確に捉え、伝統工芸から最先端工業に至る、幅広い分野における最高峰の技術に無限の可能性を見出した革新的な取り組みを通して、21世紀を生きる人々の生活に、驚きと喜びの提供を行う。パリ・サンジェルマンにて、美しき日本の品々の展示販売を行う"NAKANIWA"をオープン。2016年に創業400年を迎える有田焼の海外プロジェクトも始動。


www.maru-waka.com

染司よしおか

1200年程前の日本では「季(とき)にあいたる」という言葉が褒め言葉だった。
自然が生み出した四季を、身に纏う色のかさなりで表現できる人が教養とセンスのある人だったのである。
秋に色づく紅葉も「青紅葉」「初紅葉」「紅紅葉」「黄紅葉」「散紅葉」と移り変わるさまを繊細にとらえ、使い分けてきた。その紅葉が散り、山々の稜線には低く雲がかかり、雪が舞う色なき季節がくる。
私共の植物から色を生み出す仕事は古きを温ねるものだが、新しいものと出会った瞬間にそれが更新された美意識として現代に生きる人々に伝わり、季節を感じて頂きながら生活に彩りが加わることを非常に喜ばしく思っている。


www.sachio-yoshioka.com


斎藤正光

世界有数の竹籠コレクターかつ研究者。1989年の栃木県立美術館「飯塚琅かん斎展」のプロモーションや、2003~2004年「竹の造形 ロイド・コッツェン・コレクション展」の展覧会コーディネートなどを手掛け、今日、活動の幅をさらに広げている。

           
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