2ドアクーペコンセプト、マセラティ アルフィエーリを披露|Maserati
CAR / NEWS
2015年8月24日

2ドアクーペコンセプト、マセラティ アルフィエーリを披露|Maserati

Maserati Alfieri|マセラティ アルフィエーリ

マセラティ創立100周年の記念モデル

2ドアクーペのコンセプトモデル「アルフィエーリ」を初披露

今年で創業100周年を迎えるマセラティは、開催中のジュネーブ モータショーで2ドアクーペのコンセプトカー「アルフィエーリ」を発表した。アルフィエーリは、今後のマセラティ デザインの方向性を示唆するデザイン スタディになるという。

Text by TAKAGI Noboru

マセラティの未来をつなぐ架け橋

マセラティはジュネーブショーでコンセプトカー「アルフィエーリ」を発表した。

これは2ドアクーペのスポーツカーで、シートは2+2のレイアウト。マラネロ製のV8 4.7リッター自然吸気エンジンをフロントに搭載し、トランクスアクスル レイアウトにより後輪を駆動するという。

ここまでを聞いたマセラティ ファンであれば、「だったら、『グラントゥーリズモ』とどこがちがうの?」という突っ込みを入れたくなるところだが、実はホイールベースを240mmも短縮することで、グラントゥーリズモよりも機敏なスポーツカーに仕立てたというのがマセラティ側の説明である。

もっとも、アルフィエーリで大切なのは、そのメカニズムよりもデザインだ。フィアット グループ全体のデザインを統括するロレンツォ・ラマチョッティは「アルフィエーリは、マセラティの100年間におよぶ輝かしい歴史と、今後切り開かれていくことになる未来をつなぐ架け橋の役割を果たすモデルです。

正直なところ、今後2年間でこのクルマが製品化されると明言するわけにはいきませんが、これと非常によく似たモデルが登場することはまちがいありません」と語り、アルフィエーリが今後のマセラティ・デザインの方向性を示唆するスタディモデルであることを認めた。

Maserati Alfieri|マセラティ アルフィエーリ

マセラティ創立100周年の記念モデル

2ドアクーペのコンセプトモデル「アルフィエーリ」を初披露 (2)

まるで肉食獣の筋肉のよう

エクステリアデザインでもっとも目を引くのは、おそらくそのフロントセクションだろう。「クアトロポルテ」や「ギブリ」でキリリと引き締まったボディ側面のデザインを提示したマセラティだが、フロントマスクは流線型の先端をグリル部分で裁ち落としたかのような、立体的で丸みを帯びた造形とされてきた。

それがアルフィエーリでは、薄い層状のボンネット前端部とチンスポイラー部のふたつを重ね合わせたような、よりシャープな造形に生まれ変わっている。これに伴い、ヘッドライトにも薄目勝ちで切れ長なデザインが採用された。

いっぽう、ボディサイドではまるで肉食獣の筋肉のように力強く盛り上がったリアフェンダーと、リアセクションではこちらも薄く細長いテールライトのデザインが目を引く。

Maserati Quattroporte Ermenegildo Zegna Limited Edition

マセラティの創立100周年を記念するモデルでもあるアルフィエーリは、たとえば1954年製の「A6 GCS-53」のような往年のマセラティに範をとったデザインとされる。ちなみに、A6 GCS-53の「A」は創業者であるマセラティ兄弟の三男“アルフィエーリ(Alfieri)”の頭文字。

もっとも、三男アルフィエーリは生まれて数ヵ月後にて逝去したため、両親は四男にもおなじアルフィエーリの名をつけた。そして、後に早世した長男カルロの遺志を引き継ぎ、マセラティ兄弟をまとめて自動車メーカーを立ち上げる中心的役割を果たしたのが、三男とおなじ名を与えられた四男のアルフィエーリだったのである。100周年を迎えたマセラティの記念モデルとして、これほど相応しい名前もほかにないだろう。

マセラティはこのほか、ファッションブランドのエルメネジルド・ゼニアとコラボレーションした限定モデルの「クアトロポルテ エルメネジルド ゼニア リミテッド エディション」をジュネーブで発表した。これはボディカラー、トリム、素材などを特別に誂えたモデルで、世界で100台のみが販売されるという。

           
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