BMW Z4 Roadster|BMWが新型Z4ロードスターを世界初公開 Gallery
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2015年3月18日

BMW Z4 Roadster|BMWが新型Z4ロードスターを世界初公開 Gallery

BMWが新型Z4ロードスターを世界初公開

BMWは、2009年1月11日に開幕するデトロイトショーにおいて、約7年ぶりのフルモデルチェンジを果たした新型Z4ロードスターを世界初公開すると発表した。

文=ジラフ

電動メタルルーフは20秒で開閉可能

注目されるのは、初代のソフトトップから全天候型の電動メタルルーフに進化したことだろう。この電動メタルルーフは、軽量なアルミニウムで製作され、オープン時には2分割されトランク内へ収納される。このトップの開閉は、電動油圧機構の採用により約20秒で完了するという。

ソフトトップからハードトップに変更されたことにより、そのルックスもまさにクーペといった仕上がり。ボタンひとつでオープンとクーペを楽しむことができるのは、大きな魅力だろう。
ボディサイズは全長4239×全幅1790×全高1291mm。先代よりも139mm長く、10mmワイドとなり6mm背が高い。ホイルベースは2496mmと1mmだけ長くなっている。

エクステリアは先代と同様に、ロングノーズの古典的スポーツカースタイルを採用している。これは前後重量配分を49対51と理想的なバランスにするため、直6エンジンを車体中央寄りに搭載するためのもの。また、リアフェンダーの膨らみが大きくなったことで、よりリアドライブであることが強調されているのも特徴だ。フロントのキドニーグリルはワイドになり、ヘッドライトまわりもすっきりとしたデザインでまとめられている。

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エンジンは2.5リッター、3リッター、3リッター・ターボの3種類

インテリアでは、先代の特徴であった左右一体のフラットなダッシュボードから、左右独立タイプに変更となった。またインパネ中央のダイヤルを4つ並べるなど、クラシカルなイメージも演出されている。

パワーユニットも一新された。新たに搭載されるのは、最高出力204ps/6400rpm、最大トルク25.5kgm/2750rpmの2.5リッター直6DOHCと、258ps/6600rpm、31.6kgm/2600rpmのバルブトロニック付き3.0リッター直6DOHC、そして、306ps/5800rpm、40.8kgm/1300~5000rpmをたたき出す3.0リッター直6DOHCツインターボの3種類のガソリンエンジン。

グレードは欧州向けのsDrive23i(204ps)のほか、sDrive30i(258ps)、sDrive35i(306ps)の2タイプが設定され、合計3タイプのラインナップ。トランスミッションはsDrive30iが6段MTと6段ATが、sDrive35iには6段MTと新設計のデュアルクラッチ式セミオートマ7段スポーツオートマチックが採用される。0-100km/h加速は、sDrive30iが5.8秒、sDrive35iが5.2秒。最高速度はどちらも250km/hを誇る。

デトロイトモーターショーで正式デビュー

このほか、最新のDSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロール)や、ノーマル、スポーツ、スポーツ+と3つのモード切り替えが可能なDDC(ダイナミック・ドライブ・コントロール)が標準装備となる新型Z4ロードスターは、2009年1月のデトロイトモーターショーで正式に公開され、欧米では2009年5月から販売がスタートする予定。

そのプライスはZ4sDrive23iが3万5900ユーロ(約440万円)、Z4sDrive30iは4万2900ユーロ(約525万円)、Z4sDrive35iは4万7450ユーロ(約580万円)と発表されている。

BRAND HISTORY
“キドニーグリル”と丸目四灯ヘッドライトにより、ひと目でそれとわかるフロンマスクが特徴のBMW。日本の輸入車市場においてもつねに高い人気を誇っているが、その名前がなにを意味するのか、即座に答えられるひとは意外に少ないのではないだろうか。

Bayerische Motoren Werke(バイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ)。直訳すれば「バイエルン地方のエンジン工場」という意味だ。前身だったラップ社は、カール・フリードリッヒ・ラップが1913年にドイツのバイエルンに設立した航空機用エンジンのメーカーで、おなじバイエルンの機体メーカー「オットー社」と組んで、ビジネスを成功に導く。1916年にはバイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ有限会社と改称。2年後には株式会社に組織変更するとともに、バイエルンの青い空と白い雲をイメージしたプロペラを模したロゴマークを登録している。

そのあとも革新的な技術により存在感を高めたBMWだったが、第一次世界大戦の敗戦により、航空機エンジンの製造中止を余儀なくされた。そこでBWMは、もてる技術をモーターサイクルに注ぎ、1923年にはシャフトドライブの「BMW R32」を発表して注目を浴びることに。しかし、それだけでは飽きたらず、オースチンセブンをライセンス生産するディクシー社を買収。これにより自動車ビジネスの足がかりをつかみ、1929年には「BMW3/15 PS」を発売、自動車メーカーとしての歴史をスタートさせている。

ちなみに、BMWと深い関係にあったオットー社は、ガソリンエンジンの理論を確立したニコラウス・アウグスト・オットーの実の息子であるグスタフ・オットーが創立した会社。BMWが内燃機関にこだわるのは、このあたりに理由がありそうだ。

           
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