プレビューナイトにはマリア・シャラポワも登場

すでにレポートされているように、カイエンの弟分にあたるポルシェ初のコンパクトSUV「マカン」は、11月20日に開幕した東京モーターショーとほぼ同時にワールドされたが、こちらでは、現地時間11月19日の夜に開催されたLAモーターショーのプレビューナイトで初披露。時差もあり、その差わずか数十分というものであったが、ポルシェは、LAでの“世界初公開”にこだわったようだ。

その証拠に、会場にはポルシェのブランドアンバサダー、テニスプレーヤーのマリア・シャラポワも登場し、マカンを紹介するなど、こちらは全世界初披露にふさわしいステージとなった。

Porsche Macan S

マカン ターボに搭載されるV6ツインターボ エンジン

ポルシェ初のコンパクトSUVセグメントにとなるマカンは、全車とも4輪駆動＋PDKを採用し、最高出力250kW（340ps）の3リッターV型6気筒ツインターボエンジンを搭載する「マカン S」、最高出力294kW（400ps）の3.6リッターV型6気筒ツインターボエンジンを搭載した「マカン ターボ」、そして最高出力190kW（258ps）の3.0リッターV6ターボディーゼルエンジンを搭載した「マカン Sディーゼル」の3バージョンを用意した。

マカンは、北米市場でクラスや価格帯において、アウディ「Q5」やBMW「X5」、「X3」、キャデラック「SRX クロスオーバー」、リンカーン「MKX」、そしてレクサス「RX」がライバルとなる。人気のセグメントでもあり、多くのプレミアムブランドがしのぎを削るホットなセグメントでもある。

また、「911 ターボ カブリオレ」と「911 ターボ S カブリオレ」は、「911ターボ」の40周年を記念するモデルでもある。ポルシェ ブース入り口には、初代「911ターボ カブリオレ」が展示され、歴史と伝統をさりげなく来場者に伝えるというにくい演出もあった。こうした過去のモデルへの敬意を決して忘れないのも、ポルシェの素晴らしいところだろう。

初代Porsche 911 Turbo Cabriolet（930型）

搭載される3.8リッター水平対向6気筒ターボエンジンは、「911 ターボ カブリオレ」で383kW（520ps）の最高出力を、「911 ターボ S カブリオレ」は412kW（560ps）の最高出力を発生。前車は0-100km/h加速が3.5秒、後車は3.2秒の俊足振りを披露する。最高速度はともに318km/hに達する。

見どころ満載のポルシェの展示

「パナメーラ ターボ S」は、「パナメーラ ターボ」比で＋50psアップとなる最高出力419 kW （570ps）のV8ツインターボエンジンを搭載。0-100 km/h 加速は3.8 秒で、最高速度310 km/hとなる。ノーマルホイールベースのほか、新たに150mmホイールベースを延長し、後席の居住性をアップさせたロングホイールバージョンの「パナメーラ ターボS エグゼクティブ」も初披露した。

さらに市販モデルとなる887psを発生するプラグインハイブリッドモデル、「918 スパイダー」や、「パナメーラ S E-ハイブリッド」も北米プレミアを果たしている。

Porsche 911 Turbo Cabriolet

Porsche Panamera S E-hybrid

会場は毎年恒例となった大きなペトリーホールを独占使用。エクスクルーシブな雰囲気の中、サスティナブルモビリティを具現化した先進的なプラグインハイブリッドから、ハイパフォーマンスラグジュアリーリムジン、そして911の高性能オープンモデルや新型コンパクトSUVまで、LAモーターショーのポルシェブースは見どころが満載で、実にニュースにあふれていた。

規模や、北米プレミアの数、そして一般公開日に顧客にくつろいでもらうスペースの確保やその演出など、どれも最大市場である北米、しかも環境問題に厳しいカリフォルニアで、ポルシェのパフォーマンスや先進性を存分にアピールするための強力なプロモーションであることは明白だ。この特別感あふれる会場ひとつ見ても、ポルシェがいかにLAモーターショーを大切にし、北米市場を重要視しているのかがわかるのである。