フォード フュージョン エナジーを初公開|Ford
CAR / MOTOR SHOW
2015年4月3日

フォード フュージョン エナジーを初公開|Ford

Ford Fusion Energi|フォード フュージョン エナジー

内装材の原料はコカコーラの再生ペットボトル

フォードはコカコーラと共同で、ペットボトルの原料を素材にクルマの内装材を作る「プラントボトル テクノロジー」を開発中だ。この技術をもちいた研究車両フォード「フュージョン エナジー」が、LAオートショーで初公開された。

Text by SAKURAI KenichiPhotographs by WATANABE Shinsuke

環境負荷低減技術でも一歩先に

フォードとコカコーラというアメリカを代表する2大企業は、現在ペットボトル原料からクルマの内装をつくる「プラントボトル テクノロジー」と命名した共同研究をおこなっている。

これまでのクルマの内装は、石油系素材で作られるのが一般的で、それに本革など別素材を貼り合わせるという手法が主流だった。フォードは、シートやドアの内張などに世界で初めてコカコーラのペットボトルの原料となる素材を使用。クルマのシートや内装を制作するという試みをおこなった。

そのペットボトル原料で内装を作った第1号車が、LA オートショーでお披露目されたプラグインハイブリッドの研究車両フォード「フュージョン エナジー」だ。

Ford Fusion Energi|フォード フュージョン エナジー

Ford Fusion Energi|フォード フュージョン エナジー

コカコーラのペットボトルは、石油系素材が70パーセント、残りの30パーセントはサトウキビを原料とした天然由来の素材を使用しているので、100パーセント石油由来の原料をもちいた従来の内装材よりもエコ貢献度が高い。コカコーラから、フォードに内装材のマテリアルとしてこの粒状のペットボトルの原料が提供され、フォードはそれをいったん細い繊維状にしたあとで布状に加工。フォード フュージョン エナジーの内装材として使用した。

主に、シートクッション、シートバック、ヘッドレスト、ドアパネルインサートとヘッドライナーでプラントボトル テクノロジーで開発した素材を使用し、環境負荷を抑えながら、持続可能な製品の供給に貢献することを最終目標としている。

実際、LA オートショーで公開されたコンセプトカーの内装に使用されている生地やカーペットなどは質感も高く、デザインの自由度においても、ペットボトル原料を素材に作られたとわかるものではなかった。

Ford Fusion Energi|フォード フュージョン エナジー

Ford Fusion Energi|フォード フュージョン エナジー

フォードによれば、プラントボトル テクノロジーがもたらすインテリアファブリックは、米国フォードの生産モデルの大半で利用された場合、石油由来材料を約400万ポンド削減させるだけでなく、ガソリン29万5,000ガロンと6,000バレル(953.92377㎡)の原油が節約できると試算している。

またこれとは別に、フォード「フュージョン」では、すでに市販車のシートクッションに大豆由来の原料を使用。1台あたりでは、約3万1,250個の大豆を使用しているという。2007年に大豆素材で製造したシートクッションの導入をおこなっていらい、大豆の使用は毎年500万ポンドにもおよび、これまでで2000万ポンド以上の二酸化炭素の排出量を削減してきた計算になる。食用に適さない大豆の有効利用にもなるため、環境負荷の観点からも、有意義な取り組みといえるだろう。

           
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