MOVIE|『メキシカン・スーツケース ロバート・キャパとスペイン内戦の真実』
MOVIE|数奇な運命をたどる「ネガ」が訴える
『メキシカン・スーツケース<ロバート・キャパ>とスペイン内戦の真実』
伝説の報道写真家ロバート・キャパらが撮影し、近年になってその存在が明らかになった写真をとおして、スペイン内戦の真実に光を当てるドキュメンタリー『メキシカン・スーツケース<ロバート・キャパ>とスペイン内戦の真実』。8月24日(土)より新宿シネマカリテほかで全国順次公開される。
監督は「メキシカン・スーツケース」を“発見”したトリージャ・ジフ
2007年、ロバート・キャパ、デヴィッド・シーモア、そしてキャパの恋人であったゲルダ・タローの3人の写真家がスペイン内戦を撮影したものの、失われたとおもわれていた4500枚分のネガが戦火を逃れ、メキシコに渡った市民の家で見つかった。70年の時を経て発見されたその箱はやがて、「メキシカン・スーツケース」という名で世に知られるようになる。
3人の伝説的カメラマンが世界に発信した内戦の貴重な写真とともに、「メキシカン・スーツケース」がたどった数奇な運命から、知られざるスペイン内戦の真実を解き明かすドキュメンタリーが、日本に上陸した。
監督を務めたトリーシャ・ジフはキュレーターとして「メキシカン・スーツケース」を“発見”したひとり。そこから浮かび上がる、ファシズム陣営でもある右派の反乱軍からメキシコに亡命したひとたちの歴史や、自分たちが何者かというアイデンティティに、おなじく国を追われたユダヤ人であったキャパ、タロー、シーモアを重ねてゆく。
必至で生きようとした市民の姿を記録
1936年から1939年にスペイン各地で繰り広げられ、多くの死傷者を出したスペイン内戦。この戦いで戦争写真を撮り、一躍写真界のスターとなったロバート・キャパは、仲間で恋人のゲルダ・タローやデヴィッド・シーモアとともに行動をともにしていた。
そして彼らが撮影した4500枚にもわたる写真のネガが70年の時を経てメキシコで見つかる。そこには、なまなましく、激しい戦闘の様子とともに、内戦に翻弄されたながらも必至で生きようとした市民の姿が克明に記録されていた。
奇跡のように発見された数多くの貴重な写真と、かつてスペイン難民としてメキシコに渡った数少ない生存者たちの証言。スペインでは歴史上タブーとして扱われ、封印されてきたスペイン内戦の真実を明らかにするとともに、世界一有名な戦場カメラマン、ロバート・キャパの知られざる姿がいま、浮き彫りにされる。
『メキシカン・スーツケース<ロバート・キャパ>とスペイン内戦の真実』
8月24日(土)より新宿シネマカリテほか全国順次公開
監督│トリーシャ・ジフ
配給│フルモテルモ×コピアポア・フィルム
2011年/スペイン・メキシコ/86分
©212 Berlin/Mallerich Films
Magnum Photos/International Center of Photography, NY