いまをときめく綾野剛主演『シャニダールの花』
LOUNGE / MOVIE
2015年6月10日

いまをときめく綾野剛主演『シャニダールの花』

いまをときめく綾野剛と鬼才・石井岳龍監督がタッグ

女性の胸に咲く謎の花を巡るファンタジー『シャニダールの花』(1)

選ばれた女性の胸に咲く謎の花を巡るファンタジー──。いまをときめく綾野剛と鬼才・石井岳龍監督のタッグで贈る『シャニダールの花』が、7月20日(土)よりテアトル新宿ほかでロードショーされる。

Text by YANAKA Tomomi

7年間、温めつづけてきた入魂の一作

2011年、10年ぶりの長編作『生きてるものはいないのか』を発表。これまでのビジュアルで魅せる作風から「会話劇」にシフトし、あらたな才能を開花させた石井岳龍監督。そんな彼が、7年もの間温めつづけてきたという入魂の一作が『シャニダールの花』だ。

イラクのシャニダール遺跡で、埋葬された骨とともに花の化石が発見された。これは野蛮だったとされるネアンデルタール人も、死者を悼み、花を捧げていたことを意味する。石井監督は今回、「人間の“心”の発生の瞬間」といわれている、この“事件”にヒントを得て、寓話的な設定のなかに男女の姿、そして愛の姿を描く本作を完成させた。

主役の植物学者の大瀧には人気絶頂の綾野剛、そしてセラピストの響子には黒木華という、ともにミステリアスな色気に包まれた若手実力派の競演が実現。そのほかにも、刈谷友衣子や山下リオ、伊藤歩ら個性を放つ女優陣が、花の宿った女性たちの繊細な心情を細やかな演技で表現している。

シャニダールの花 03

シャニダールの花 04

MOVIE|いまをときめく綾野剛と鬼才・石井岳龍監督がタッグ

女性の胸に咲く謎の花を巡るファンタジー『シャニダールの花』(2)

花の成長に誘われるように恋に落ちるふたり

植物学者の大瀧と新任セラピストの響子は、選ばれし女性たちの胸に宿った謎の小さなつぼみ、“シャニダールの花”の研究に追われていた。

画期的な新薬の成分が含まれているというその花を、研究所では“奇跡の花”と呼び、花の宿った女性たちをゲストハウスに収容していた。それは、やがて咲くであろう自らの花を、研究所に高額提供することを前提にしたビジネス。大瀧と響子の使命は、提供者である彼女たちの心と体をケアし、花を満開にさせることであった。

シャニダールの花 06

シャニダールの花 08

一途に研究に没頭する大瀧。そして人をひきつける不思議な魅力をもつ響子。ふたりは花の成長に誘われるように、次第に恋に落ちていく。しかし、花を採取するときに、提供者の女性が謎の死を遂げる事件が相次ぎ、大瀧は研究所に不信感を抱きはじめる。いっぽうの響子はそれが危険な花だと知りながら、その魅力にのめりこんでいく。そして、互いに惹かれあっていたふたりの運命の歯車が少しずつ狂いはじめていき──

石井監督が「花はエロスと死の象徴であり、それに侵される男女を見つめ直すことは生命力のあり方を捉えなおすこと」と語るように、人間と花の関係性をつうじて世界のあらたな見方を提示する『シャニダールの花』。綾野剛が「静かな狂気」と表現する緊迫感あふれる石井ワールドは、観る者を独自の世界へと引き込んでゆく。

『シャニダールの花』
7月20日(土)よりテアトル新宿ほかロードショー
監督│石井岳龍
出演│綾野剛、黒木華、刈谷友衣子、山下リオ、古舘寛治、伊藤歩
配給│ファントム・フィルム
2012年/日本/105分
http://shanidar-hana.com/
© 2012「シャニダールの花」製作委員会

           
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