スポーツカーブランドとしてのジャガーのマイルストーン

ジャガーブランドの未来を示唆し、ジャガー史上もっとも大きなマイルストーンになるとジャガーが位置づける、「Fタイプ」がついに日本上陸を果たした。

そもそも、ジャガーのスポーツカー「Eタイプ」の後継として、「Fタイプ」の名を与えられた最初のクルマは、2001年に、当時フォード傘下だったジャガーから発表された。この時はミッドシップのスポーツカーだった。

しかし、この「Fタイプ コンセプト」は、注目を集めるも、その後姿を消し、プロジェクトの続報は途絶えた。その「Fタイプ」が、2011年、コンセプトモデル「C-X16」を経て、2012年に「Fタイプ」として登場したのだ。

純粋なスポーツカー

ジャガーのデザイナーであり、「Fタイプ」のデザインディレクターであるイアン・カラム氏が言うように、「Fタイプ」はスポーツカーだ。すでにジャガーのハイパフォーマンスクーペとして存在する「XK」は、あくまでGTカーであり、位置づけを異にする。

エンジンは、フロントミッドに収められ、ドライバーはリアタイヤのすぐ前に座る。屋根はなく、ソフトトップを備え、シートは2脚。ジャガーが2シーターを手掛けたのは、実に50年ぶりだ。

ボディはこれまででもっとも先進的で堅牢、かつ軽量と、ジャガーが謳う、オールアルミニウム製。後輪駆動方式を最大限に活かすべく、理想的な前後重量配分を実現したという。

デザインは、純粋にスポーツカーとしての目的にかなうプロポーションとプロファイルを描くとされ、2013年度の「ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー」も受賞しているように、すでに高い評価を受けている。

日本では2モデルでスタート

日本導入モデルは、最高出力340psを発生する3リッターV型6気筒のスーパーチャージドエンジンを搭載する「F-TYPE」と、同495psを発生するV型8気筒 スーパーチャージドエンジンを搭載する「F-TYPE V8 S」の2モデル。V型6気筒エンジンのハイパワー版を搭載する「F-TYPE S」の導入は見送られた。

ハンドル位置は、右のみが設定され、トランスミッションはZF社製の8段オートマチック。

価格は「F-TYPE」が950万円、「F-TYPE V8 S」が1,250万円となる。 その他の詳細は、以下のスペックシートを、そして、その走りについては、河村康彦氏の試乗記をぜひ、ご覧頂きたい。

Jaguar F-type｜ジャガー Fタイプ
ボディサイズ｜全長4,470×全幅1,925（ミラー除く）×全高1,310 mm
ホイールベース｜2,620 mm
トレッド 前/後｜1,600 / 1,650 mm
エンジン｜2,994 cc V型6気筒DOHCスーパーチャージャー付
圧縮比｜10.5:1
ボア×ストローク｜84.5×89.0 mm
最高出力｜250 kW（340 ps）/6,500 rpm
最大トルク｜450 Nm/3,500 rpm
トランスミッション｜8段AT（クイックシフト）
変速比｜
1速 4.714
2速 3.143
3速 2.106
4速 1.667
5速 1.285
6速 1.000
7速 0.839
8速 0.667
減速比｜3.15
重量｜1,730 kg
タイヤ（前 / 後）｜245/45R18 ／ 275/40R18
0-100km/h加速｜5.3秒（本国値）
燃費｜9.8 km/ℓ
CO2排出量｜209g/km（本国値）
価格｜950 万円

Jaguar F-type V8 S｜ジャガー Fタイプ V8 S
ボディサイズ｜全長4,470×全幅1,925（ミラー除く）×全高1,310 mm
ホイールベース｜2,620 mm
トレッド 前/後｜1,600 / 1,650 mm
エンジン｜4,999 cc V型8気筒DOHCスーパーチャージャー付
圧縮比｜9.5:1
ボア×ストローク｜92.5×93.0 mm
最高出力｜364 kW（495 ps）/6,500 rpm
最大トルク｜625 Nm/2,500 rpm
トランスミッション｜8段AT（クイックシフト）
変速比｜
1速 4.714
2速 3.143
3速 2.106
4速 1.667
5速 1.285
6速 1.000
7速 0.839
8速 0.667
減速比｜2.56
重量｜1,810 kg
タイヤ（前 / 後）｜245/40R19 ／ 275/35R19
0-100km/h加速｜4.3秒（本国値）
燃費｜8.1 km/ℓ
CO2排出量｜259g/km（本国値）
価格｜1,250 万円