いま注目の最新コンパクトハッチバック3選 Part 3|フォルクスワーゲン ポロ TSI R-Line
CAR / IMPRESSION
2019年5月14日

いま注目の最新コンパクトハッチバック3選 Part 3|フォルクスワーゲン ポロ TSI R-Line

Volkswagen Polo TSI R-Line|フォルクスワーゲン ポロ TSI R-Line

フォルクスワーゲンのスポーツハッチならではの走り

毎年2月に日本輸入車組合(JAIA)がプレス向けに開催する試乗会からの一気乗りリポート。コンパクトハッチバック編の第3弾として、フォルクスワーゲン ポロの新グレードとして新たに追加された「ポロTSI Rライン」のショートインプレッションをお届けする。

Text & Photographs by HARA Akira

新型1.5リッター4気筒エンジンを搭載

1.0リッター3気筒を積むスタンダードモデルと、2.0リッター4気筒を積むGTIで構成されるフォルクスワーゲンの現行ポロに、新型1.5リッター4気筒エンジンを搭載した新グレード「ポロTSI Rライン」が加わった。 その試乗会は、JAIAと同時期で、かつ会場もすぐ近くとあって、早速そのステアリングを握るべく駆け付けてみた。

「1.5TSI Evo」と呼ばれるそのエンジンは、フォルクスワーゲンのエンジンシリーズEA211型TSIをベースとして開発された1.5リッター直列4気筒ターボで、気筒休止機能のアクティブシリンダーマネジメント“ACT”と、コモンレール式直噴技術を採用した最新のもの。本国ではすでにマイナーチェンジ版のゴルフに搭載されているというが、日本ではポロが初搭載だ。

スペックは、最高出力150ps(110kW)/5,000-6,000rpm、最大トルク250Nm/1,500-3,500rpmを発生し、17.8km/ℓ(JC08モード)の好燃費も達成している。

Rラインパッケージを採用したエクステリアは、GTIと同じサイズの215/45R17タイヤを装着した専用17インチアルミホイールやツインエキゾースト、リップとリアのスポイラー、ブラックサイドスカートなどでドレスアップされ、見るからにスポーティな出で立ちとなっている。

インテリアはTSIハイラインに準ずるもので、試乗車のように有償のエナジェティックオレンジメタリックをボディカラーに選ぶと、ダッシュパネルやセンターコンソールが同色になり、さらにスポーツシートのファブリックにも同色のラインが施される。パドルシフトが標準装備されるのは嬉しいところ。ナビや車両情報を表示できるデジタルのメータークラスターはグラフィックが適切で、とても見やすい。後席も不満の出ないサイズが確保されている。

Volkswagen Polo TSI R-Line|フォルクスワーゲン ポロ TSI R-Line

フォルクスワーゲンのスポーツハッチならではの走り(2)

まことに使いやすいクルマに仕上がっている

走り出すと、当然ながら1リッター3気筒モデルに比べて力強い。エンジン音も目の詰まった低音となって、よりスムーズで上質感のあるものになったことに気がつく。

筆者は、小排気量3気筒のパワーを使い切るようなスタンダードモデルの走りが結構気に入っていたのだが、瞬発力や吹け上がりという絶対性能では今回のモデルには敵わない。

ただし、ポロTSI Rラインでは、走り出しなどで車両の動きに微妙なズレが感じられることがあり、軽量な乾式単板クラッチを採用する7段DSGの、ハイパワーエンジンに対するネガな部分がわずかに目立った点は報告しておこう。

また、低速時や荒れた路面でコツコツとショックを伝えるGTIゆずりの硬めのスポーツサスペンションは、スピードが乗ってくれば、コーナリング時に内側タイヤにブレーキをかけてアンダーステアを軽減する電子制御ディファレンシャルロック「XDS」とともに良い仕事をしてくれ、フォルクスワーゲンのスポーツハッチらしい目の覚めるような走りを体験させてくれる。

1,400-4,000rpmで巡航中には2気筒が休止するACTもたびたび作動していて、試乗中は燃費を全く気にしないアクセルワークをしていたにも関わらず、メーター上では13km/ℓ程度の燃料消費率が表示されていた。

ポロ TSI Rラインのボディサイスは全長4,060mm×全幅1,750mm×全高1,450mm。筆者が1990年代に所有していたゴルフⅢ(2リッターのGLiと、2.8リッターのVR-6)、ゴルフⅣ(COX C18TR)とほぼ同サイズで、そこそこのパワー感とともに、国内ではまことに使いやすいクルマに仕上がっている。

価格は298万円。純正ナビのDiscover Proパッケージ(22万6,800円)やデジタルメータークラスターのテクノロジーパッケージ(7万200円)、外装の有償カラー(3万2,400円)などは全てオプション扱いのため、これらを装着した試乗車の場合、300万円を軽々とオーバーするクルマとなってしまうのだが。

問い合わせ先

フォルクスワーゲン カスタマーセンター

0120-993-199

           
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